世代間連鎖を絶つ!「虐待カウンセリング」作家・柳美里の500日のドキュメント!予告動画-NHK

2011年05月15日11時48分社会

増え続ける児童虐待の中でも、大きな問題となっている「虐待の世代間連鎖」!作家の柳美里は幼少期から両親からの虐待を受けていた…その後、文学作品を書くことで心の傷も癒されたかに見えたが、10年前に子どもが生まれてから虐待の影が再びちらつき始めた。NHKスペシャル番組サイトでは、本日15日(日)放送の「虐待カウンセリング~作家 柳美里・500日の記録~」の予告動画が公開されている。

全国児童相談所長会の調査によると、虐待する親の3割が幼少期に虐待を受けていたという。番組では、虐待の連鎖を食い止めるにはどうすればよいのか…。わが子を虐待してしまうことに悩む「世代間連鎖」の200人以上の親と向き合ってきた東海学院大教授・長谷川博一さんの取り組みに密着、解決のヒントを探る。 

こうした虐待の連鎖に悩み、長谷川教授にカウンセリングを受けていた患者の中に芥川賞作家の柳美里がいた。彼女は、幼い頃から父親の暴力を受け、母親からも言葉の暴力で心の傷を負ったまま成長した。その後の作家活動をはじめ、多くの文学作品を手がけた。私生活では既婚者の男性との間にできた子を出産。結局その恋は破局に終わったが、彼女はこれらの経緯を赤裸々に綴った自伝小説「命」を出版し、翌年に第7回編集者が選ぶ雑誌ジャーナリズム賞作品賞を受賞している。「命」はその後、江角マキコと豊川悦司とで映画化もされ、「生」「魂」「声」と書き継がれ4部作をなした。
書くことで心の傷も癒されたかに見えた柳だったが虐待の影が再びちらつき始めた。自身がわが子に虐待を始めたのだ。これこそが、恐ろしい虐待の世代間連鎖だった…。

長谷川教授は、世代間連鎖を断つには、かつて自分を虐待してきた親と「対峙」しなければならないと考えている。虐待された子どもは親から嫌われていると思いたくないため「自分が悪い」と親への怒りの感情を封印しており、それを解き放ち親に向かって感情を吐き出す必要があるという。(番組サイトより抜粋)
そして、柳の「世代間虐待」の鎖を断ち切るために両親と対峙させることになった。番組は、約1年半にわたる児童虐待に悩む柳の葛藤を記録したカウンセリングドキュメントとして、今夜15日寄る9時からNHK総合で放送される。

予告動画は、番組公式サイトで試聴できる。

NHKスペシャル「虐待カウンセリング~作家 柳美里・500日の記録~」