亡国の英雄ケベク将軍の生きた時代“百済”とは?「階伯〔ケべク〕」関連映像とPV、年表と地図紹介

2012年04月02日12時23分ドラマ

2009年の大ヒット作「善徳女王」は、三国時代と呼ばれた新羅、高句麗、百済がしのぎを削った時代末期を新羅から見た物語…同じ時代を百済側から見たドラマが、3日(火)からBSフジで放送する「階伯〔ケべク〕」。
今回は、百済という時代について紹介しよう。番組サイトでは名場面の映像が、DVD公式サイトではPV動画が公開されている。

※ここで紹介する内容は、あくまでもドラマを楽しむためものです。史実と異なる部分もあることをあらかじめご了解ください。また、ドラマを紹介する上で、不適切な表現も使うことがあります。ご理解のうえお楽しみください。

韓国史劇といえば、圧倒的に朝鮮王朝時代を舞台背景にしたものが多い。こちらの各時代のドラマの年表でチェックしてみよう。朝鮮王朝の次に多いのが三国時代。三国時代とは高句麗・新羅・百済の3国と、半島の南部に位置する伽耶が加わった3国+1国がしのぎを削った時代。伽耶国についてはチソン主演の「鉄の王キム・スロ」を参考に。
しかし、三国時代で描かれるのはもっぱら高句麗ばかり。「階伯〔ケべク〕」(以下、「ケベク」)の舞台となった百済を描いたのは、残念ながら「薯童謠-ソドンヨ」のみだった。

高句麗と百済はともに扶余族の流れを汲む兄弟国。百済は、BC18年~660年まで約700年間続いた半島南西部地方にある国。こちらの地図で確認しよう。高句麗の初代国母であるソソノが、二人の息子(沸流・温祚)を連れて高句麗を去り、次男の温祚が百済を建国したとされている。百済は特に隣接する新羅とお互いに脅威を感じていた。そんな中咲いたロマンスが、百済のチャン王子と新羅のソンファ姫の物語「薯童謠-ソドンヨ」だ。ソンファ姫は、「善徳女王」のトンマンの妹で、チャン王子は「ケベク」に登場する武王(ムワン)のこと。ソンファ王妃は、「ソドンヨ」のヒロインで、新羅のソンファ姫なのだ。

百済は、3つの国の中でもっとも謎の多い国で、残された資料も少ない。もっとも、日本との外交は友好的で、「日本書紀」に記録が残されている。それでもほかの2国に比べ現存する資料は圧倒的に少ない。三国時代の中でも、百済は、高句麗や新羅に比べ華々しい歴史的な事件が乏しいとされていた。
「朱蒙」のチュモン王子により建国した高句麗は、大陸の勢力と大決戦を繰り返し、「太王四神記」のように広大に領土を獲得した。新羅は、、「善徳女王」に登場するキム・ユシンらによって三国を統一した。しかし、百済の功績は、仏教や論語など思想や文化を日本に伝来させたというぐらいで、他の2国からするとその扱いは地味。しかも、百済のラストエンペラー義慈(ウィジャ)の扱われ方は、暴君とされ、ウィジャの酒池肉林によって百済が滅びたとされていた。

三国時代は、高句麗、百済に比べ、国家形成がもっとも遅れていた新羅が、中国の隋・唐にならって律令制国家へと変貌し、唐との連合軍が660年に百済を滅ぼし、高句麗を668年に滅亡させて幕を閉じた。日本の子供たちが、学校でも習う「白村江(はくすきのえ)の戦い」とは、日本(倭軍)が親交の深かった百済の復興を助けるために663年に起こした戦い。この戦いは、新羅と唐の連合軍に大敗した。

しかし最近になって百済の記録と遺跡が発掘され、新しい記録がたくさん出てきた。その結果、百済の評価はうなぎ上り…「黄海を掌握した海商国家」や「東北アジアの文化交流の中心地」はては「倭・中国・東南アジアまでまたぐ大帝国」という極端な“百済考”が飛び出した。
ドラマ「ケベク」は、この極端な“百済考”をしようというのでなく、百済が対内外関係の中でどのように激しい闘争と苦痛を経験したのかを、これまた謎の多い大将軍ケベクを通して見せていこうというドラマなのだ。

これまでの認識を覆し、新“百済”を語るドラマ「階伯〔ケべク〕」は、明日4月3日から毎週火曜日、夜10時から放送。番組サイトには各回の名場面の映像が公開される。ナビコンでは、ドラマ放送にあわせて全話のあらすじと見どころを紹介していくのでお楽しみに。次回は、第1話のあらすじと見どころを紹介する。

■作品紹介
・放送:2011年、MBC
・話数:全36話
・脚本:チョン・ヒョンス
・演出:キム・グンホン
・キャスト
 ケベク:イ・ソジン、イ・ヒョヌ(子役)
 ウンゴ:ソン・ジヒョ、パク・ウンビン(子役)
 ウィジャ王:チョ・ジェヒョン、ノ・ヨンハク(子役)
 サテク妃:オ・ヨンス
 ムジン:チャ・インピョ

kandoratop 「階伯〔ケべク〕」を2倍楽しむ

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