心の友ホン・グギョンの裏切りに、サン絶望の涙…「イ・サン」第66話あらすじ、見どころと予告動画-NHK

2012年09月29日17時00分ドラマ
(c)2007-8 MBC

ホン・グギョンは、行幸先でヒョイ王妃暗殺を計画したが、計画実行前にサンとヒョイの仲睦まじいところを目撃し、慌ててどこかへ走り出した…第66話では、ついに、グギョンの企てが明るみに出てしまう!腹心で友でもあるグギョンの裏切りにサンはどうするのか?番組サイトでは前2話分のダイジェスト映像と予告動画が公開されている。残念ながら明日23日(日)の放送はお休み、次回は30日です。

今回の行幸で、ヒョイ王妃主催の敬老の宴が開催されるが、グギョンは、王妃を暗殺するためにこの宴を利用し、彼女の食事に毒を盛るように指示していたのだ。
ところが、同行していたソンヨンが倒れてしまい、ヒョイが看病するために、宴にはサンが代わりに出席することになる。さあ、大変だ!毒を盛った料理はサンが食べることになる。サンが食事を口へ…。間一髪のところで、機転を利かせた女官のおかげで食事は中断された。

果たして料理から毒は検出されるのか?結局、未遂に終わった暗殺計画だったが、ヒョイの代わりにサンが宴の席に着いたことを知った時のグギョンの驚きようをお見逃しなく。事件はテスの活躍で実行犯がすぐに捉えられ、すべてが明るみに出る。グギョンもまた観念してすべてを自白するのだった。ここで注目したいのは、実行犯を捕らえる時のテスのアクションだ。アクションの一つ一つに怒りと悲しみがないまぜになった圧巻のアクションを俳優イ・ジョンスが見事にきめている。

前回は、最後のチャンスを与えるためにサンとグギョンのツーショットがあったが、今回はグギョンがすべてを自白するためのツーショットがある。グギョンが自白しても、それでもなお「何かの間違いだろう」と言葉をかぶせ、嘆き悲しむサンの姿に注目しよう。
今回はこの後もう一度ツーショットシーンがある。拷問され牢獄に入れられたグギョンにサンが会いに来るシーンだ。明日はグギョンに死刑を言い渡すサン。前回から3回にわたるツーショット。視聴者の涙の量もどんどん増えて、この場面で涙腺決壊間違いなし!

これまでもサンは幼少期から辛い試練が続いてきたが、ひょっとして今回の一件は、それらを超える一番の悲しみだったかもしれない。何しろ、信頼する右腕で心の友でもある人物を、自らの手で裁かなくてはならないのだから。

一方、自ら招いたこととはいえ、今回描かれているグギョンの嘆き、後悔の涙にも胸がうたれる。彼は権力の亡者となってしまったが、サンへの忠心だけは生涯変わらなかった。そもそもヒョイの殺害を計画したものも、ただただサンに見捨てられたくなかったから。それはもはや恋に近い感情かもしれない。だから、暗殺を中止したのも、ヒョイを亡くすことでサンを悲しませたくないという、サンを思う両親の呵責からでた行為だろう。

男2人の悲しみばかりに注目したが、ヒョイの受けたショックもまた大きかっただろう。美しくやさしく慎ましく、きっとこれまで人から憎まれるという経験をしたことがなかっただろう彼女が、“殺したいほど”憎まれたのだから…。それにしてもヒョイはなぜここまで強くなれたのか。それは彼女の“母性”がそうさせたのだ。子供を生せなかった彼女は、なんとしてもサンの子供がほしかった。そしてその役目をサンが愛するソンヨンに託した。こんなこと生身の女では、とても我慢できないはず。国母である彼女は、この時点でサンとソンヨンの母になることを決めたのかもしれない。まさに“母は強し”だ。

ところで、歴史に記されたヒョイとグギョンの仲はどうだったのだろう。実際にウォンビンの死後2人の仲は急激に悪化している。史実では、ウォンビンが側室になったのは12歳のときとある。当時12歳での輿入れはそう珍しくはない。ヒョイがサンの妻になったのも同じような年頃だ。しかし、後継者の誕生を一日でも早く望む王室としては、12歳の側室はありえない。やはりここは、グギョンが幼い妹を側室にし外戚となって絶対権力を握ろうとしていたためと考えるのが無難だろう。そんな妹をヒョイが毒殺したと信じていたのだから、その恨みたるや相当のものだったはず。
当時、グギョンは、正祖王(サン)の信頼をいいことに、傲慢な態度で周囲からのひんしゅくを買っていた。党派の歴史の表を見よう。朝鮮王朝は何度も党派の争いが起きているが、そのほとんどが“外戚の国政介入”いや、国政において絶対権力ほしさに外戚を狙って、娘や妹、はたまた遠い親戚まで持ち出して王室に嫁がせた。これはどこの国でもあることだが、あまりにもひどい!そこで、ドラマにもあるように、正祖は、党派の問わず等しく人材を登用しようとしたのだ。これが彼の採った蕩平策である。それを、腹心の部下であるグギョンが崩そうとしたのだ。正祖の焦り、怒り、そして悲しみはいかほどか…。

そういえば、66話の終盤で、サンの母恵嬪(恵慶宮)が、本件でグギョンを悪くいうシーンがある。しかしドラマの中ではその起源を作ったのは恵慶宮だ。筆者は、「アンタが悪い!」と思わず怒鳴ってしまった。

物語に戻って…もう一人今回の一件で深く傷ついたのがテスだ。しかし、ドラマのラストで、そんなテスがかすかな希望を見つける。果たしてその希望とは…。

NHK総合「イ・サン」番組サイト
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