NHK BSプレミアム ドキュメンタリー映画特集『ハーブ&ドロシー アートの森の小さな巨人』予告動画

2014年12月23日10時00分映画

慎ましい生活の中で30年間コツコツと買い集めた現代アート作品の数々が1LDKのアパートにぎっしり詰まっている。その約2000点もの作品をアメリカの国立美術館に寄贈した老夫婦の物語!NHKBSプレミアム23日(火)24時45分から『ハーブ&ドロシー アートの森の小さな巨人』を放送!予告動画は映画公式サイトで公開。

アメリカNYに住む郵便局員のハーバート・ヴォーゲル(ハーブ)と公立図書館司書のドロシー・ヴォーゲル。2人はごくごく普通…ではないが、慎ましい生活をしている一般市民。しかしハーブ&ドロシーは現代アートのコレクターとしてアート界では有名。2人が30年間コツコツと買い集めたアート作品約2000点を、アメリカの国立美術館に寄贈した。売却すれば莫大な富を得たはずだが、2人は一切売らず全て寄贈。2人の存在は全米で話題となり、一躍有名人となる。

このヴォーゲル夫妻のドキュメンタリー映画を撮ったのは、現在アメリカNYを拠点に活動している日本人映画監督・佐々木芽生。1987年に渡米、1992年よりNHKニューヨーク総局にて「おはよう日本」のキャスターや「ワールド・ナウ」のリポーターを務める。1996年より独立しドキュメンタリー制作をしている。

2002年、当時佐々木が在籍していたNHKで番組用にナショナル・ギャラリーでクリストとジャンヌ・クロードの展覧会を取材した際、その展示作品の一部が、ヴォーゲル・コレクションの一部であることを知る。ヴォーゲル夫妻に魅了された佐々木がドキュメンタリー作品として2008年に撮ったのが『ハーブ&ドロシー アートの森の小さな巨人』である。

ヴォーゲル夫妻のルールは2つ。
1つ目は「自分たちのお給料で買える値段であること」
2つ目は「1LDKのアパートに収まるサイズであること」

小さなアパートに、すさまじい数のアート作品がぎっしり詰め込まれていた。その数約2000点。それらのほとんどを、アメリカ各地にある国立美術館へ寄贈した。投資目的でもなく、ただひたすらその作品、そのアーティストに惚れ込んで買い集めた作品の数々…。その一つひとつにヴォーゲル夫妻の思い出が詰まっている。映画では、アーティスト側にもインタビューし、ヴォーゲル夫妻がアーティストたちからどれだけ愛されてきたかも描かれている。ある意味で作家、作品、コレクターの正しい在り方を示した映像作品と言えるのではないだろうか。

この作品で、佐々木芽生は「ハンプトン国際映画祭 最優秀ドキュメンタリー作品賞、観客賞」「シルバードックス 観客賞」「プロビンスタウン映画祭 最優秀ドキュメンタリー作品賞」「フィラデルフィア国際映画祭 観客賞」「ハームスプリングス国際映画祭 ベスト・オブ・フェスト」を受賞している。

2012年には続編『ハーブ&ドロシー ふたりからのおくりもの』が制作された。ヴォーゲル夫妻が寄贈した美術館を訪れる…という物語。しかし残念ながら夫ハーブは亡くなり、続編公開の際には妻・ドロシーだけが来日した。日本での公開はクラウド・ファンディングを利用して資金を集め、劇場公開にこぎつけた。

【ハーブ&ドロシー アートの森の小さな巨人】(2008)
監督:佐々木芽生
出演:ハーバート・ヴォーゲル(ハーブ)、ドロシー・ヴォーゲル、その他大勢のアーティストたち。

本作、ならびに続編がセットになったDVD BOXが絶賛発売中。詳細は映画公式サイトを参照。

NHK BSプレミアムドキュメンタリー映画特集12月23日(火)24時45分から26時13分『ハーブ&ドロシー アートの森の小さな巨人』を放送。予告動画は映画公式サイトで視聴できる。

『ハーブ&ドロシー アートの森の小さな巨人』公式サイト