テリー・ギリアム来日会見再現レポ① 『ゼロの未来』冒頭は監督の秋葉原汗汗初体験!予告動画公開中

2015年03月27日23時30分映画
写真:navicon

テリー・ギリアム監督が近未来映画『ゼロの未来』(5月16日公開)を引っさげて来日!明日(3月28日)オープンするYEBISU GARDEN CINEMAで、本日27日(金)に来日会見を開催した!監督の大ファンである爆笑問題(太田光、田中裕二)がゲスト出演し、サービス精神たっぷりにクロストークやゲームを行い大爆笑の会見の様子を写真と一緒に再現レポートでご紹介、映画予告動画は公式サイトで視聴できる。

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会見の始まりは『ゼロの未来』の予告編の上映。パソコンの画面で見るのとはやはり迫力が違う。続いてギリアム監督が登壇しご挨拶、そして記者との質疑応答。身振り手振りたっぷりに話してくれた。
その後、爆笑問題の二人と再登場し爆笑トークと制御不能ゲームを展開。


【監督挨拶と記者との質疑応答コーナー】
テリー監督:ハロー東京!こうしてまた日本に戻ってこられてとてもうれしく思っております。裏ですでに爆笑問題さんの二人とも再会を果たして楽しんでおります。お天気も今回とても良くてこの後、京都に行く予定になっています。桜が散らなければいいなと思っております。


Q1:オープニングのシーンで監督が秋葉原に行っ他時のことが生かされているとのことですが。

テリー監督:初めて日本を訪れたときに、帝国ホテルに宿泊しました。初めての日本ということでリアルな日本を見たいといったところ、秋葉原を案内されました。電車に乗って秋葉原に着きましたが、そこで人生初のカルチャーショックを受けることになりました。
洗濯機や広告、ネオンが煌々と瞬いていて。その中に数字やローマ字といった、私に理解できる文字が全くない大洪水の中にいきなり入ったもので、突然ものすごい汗をかき始めて、慌てて電車に飛び乗って西洋化されたホテルに戻って数時間寝ました。それほどのカルチャーショックを受けたんです。その時の経験すべてが『ゼロの未来』の冒頭で描かれています。

MC:主人公を演じたクリストフ・ヴァルツが街を見たシーンに生かされているということですね。

監督:ええ、主人公はボロボロになった教会でまるで修行僧のように暮らしています。それが一歩外に出れば大音量、色彩の洪水。まるで攻撃してくるような広告に囲まれてというシーンがあります。まさにここがあの影響なんです。


次の質問者は流暢な英語で質問。ふり返ってみると、タレントでモデルの栗原類(20)だった。

Q2:今回の作品のインスピレーションについてお聞かせください。

テリ監督:もともと脚本をベースに今回のプロデューサーであるD・ザナックからオファーされたことがきっかけです。ザナックはティム・バートンであったり、『JAWS/ジョーズ』だったり、いろいろな作品に関わったプロデューサーです。(脚本を)書いた方はパット・ルーシンという方です。
初めて脚本を読んだ時に、親近感を感じました。たぶんパットは私の映画を全部観ているのだろうな。そこからインスピレーションを受けたのかな…と。ですから、この本をベースに、自分の作品を要約する映画を作ろうと思ったんです。そこをはじまりに、いろんな遊び心を持ちながら作っていったらどうかと、始まりました。ただし、すぐに着手はできず、(2009年の)『Dr.パルナサスの鏡』を撮って、この作品に戻ってきたら、当初、2000万ドルの予算で作ろうと思ったのが、850万ドルの予算で作ることになった。ここにも時の流れを感じました。

元々トム・ストッパードと(1985年の)『未来世紀ブラジル』の現代バージョンが作れないかと話したことがありました。今の時代を舞台にしてどんな映画が作れるのかと考えていました。つまり、今というすべてが“コネクテッド=つながってしまう”世界の中で我々は生きているけれども、果たしてそこから逃げることはできるのだろうか?あるいは、この世の中で人は一人になることはできるのだろうか?あるいは、そうなったときに自分自身は誰なのか?こうしたことを考えると面白いのでは?と思ったのです。今の時代、特に若い方はニューロン(神経細胞)のようになっています。何か情報が寄って来る、面白いと思うけれど他の方に伝達して終わっています。そんなすべてがつながっている世界から、果たして我々は逃げられるのかどうか?ということを考えながらパット・ルーシンが書いた脚本を、掘り下げていくということをしました。

MC:(質問者に)映画観てどうでした?
質問者:まだ観ていないんです。楽しみにしています。
監督:とにかく皆さんにこの映画を観ていただきたいのでどうぞよろしくお願いいたします。


テリー監督:この数日、日本で取材を受けていますが、とても興味深く思うことがあります。それは、日本のジャーナリストの方が、まるで日本の若者を描いたような作品であるかのように質問をしてくださることです。実際に、関わり合う、触れるということがそれだけなくなってきていることなのかもしれませんね。


ここで一旦監督は退場。舞台を整えてこの後、爆笑問題も登場したハチャメチャ会見へ。

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ゼロの未来© 2013 ASIA & EUROPE PRODUCTIONS S.A.
ALL RIGHTS RESERVED.
『ゼロの未来』は、5月16日(土)YEBISU GARDEN CINEMA、新宿武蔵野館他にてロードショー

■あらすじ
近未来世界。世間になじめない天才コンピューター技師コーエン(ヴァルツ)は、謎の定理を解明する義務を任される。荒廃した協会に一人で住み、定理の解明と人生の目的を知る為、ある電話を待ち続ける。ある日、パーティーに連れ出されたコーエンはそこで魅力的な女性ベインスリー(ティエリー)と出会う。強引なベインスリーに最初は迷惑するコーエンだったが、次第に彼女に惹かれていく。また同じ頃、会社の社長の息子でコーエンと同じくコンピューターの天才であるボブとも交流が始まる。閉ざされた世界で恋を知ったコーエンは生きる意味を知るが・・・。

■キャスト
クリストフ・ヴァルツ『ビッグ・アイズ』『イングロリアス・バスターズ』『ジャンゴ 繋がれざる者』『三銃士/王妃の首飾りとダ・ヴィンチの飛行船』
デヴィッド・シューリス『ハリー・ポッター』シリーズ、『戦火の馬』
メラニー・ティエリー『海の上のピアニスト』『バビロンA.D.』
ルーカス・ヘッジズ『ムーンライズ・キングダム』『グランド・ブダペスト・ホテル』

■スタッフ
監督:テリー・ギリアム『未来世紀ブラジル』『12モンキーズ』『Dr.パルナサスの鏡』『ローズ・イン・タイドランド』『ブラザーズ・グリム』
製作:リチャード・D・ザナック『スウィーニー・トッド』『猿の惑星』
ディーン・ザナック『ロード・トゥ・パーディション』
原題:The Zero Theorem 
提供:ショウゲート、ハピネット 
配給:ショウゲート 
© 2013 ASIA & EUROPE PRODUCTIONS S.A. ALL RIGHTS RESERVED.

予告映像 公式YOUTUBEチャンネルURL
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