鳥の目線で地球を見ると…ドキュメンタリー史上最高額製作費20億円 の『WATARIDORI』Huluにて配信中

2015年03月28日09時30分映画
© Galatee Films - France 3 Cinema
- Bac Films - Les Films da La Gueville
- Pandora Films - Wanda Vision S.A.
- Eyescreen S.R.L. - Les Productions JMH. T
| 角川映画

撮影期間3年、世界20カ国以上、100種類を超える渡り鳥の「旅」を記録した映画『WATARIDORI』。人間の予想を遙かに超えた渡り鳥の生態、自然の美しさ、素晴らしさ、過酷さ、森羅万象…すべてがこの映画に収められている至極のドキュメンタリー映画をHuluにて配信。予告動画はHuluにて視聴できる。

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この映画の企画、一体だれが思いついたのだろう…誰もが一度は想い描くであろう「空を飛びたい」「鳥になりたい」そんな思いを疑似体験させてくれるのが本作『WATARIDORI』。毎年、当たり前のように渡り鳥がやってくるが、鳥たちはどうやって同じルートを飛び続けることができるのだろう? もちろんそれは本能なのだが、この映画を見ると自然の営みという大きな括りは、人間に計り知れない驚異的な力があることを痛感させられる。

本作は100種類を超える渡り鳥の生態を描いている。この映画のために開発された特別な超軽量航空機が鳥の群れの中に混じって大空を舞う。そのカメラ目線は見る者がまるで鳥になって一緒に飛んでいるような…そんな陳腐な言葉では言い表せないぐらい壮大なスケールの映像である。すぐ隣りに鳥が飛んでいる…普段下から見上げるように鳥が飛んでいる姿を見るが、真横で飛んでいる姿を見るなんて普通ではあり得ない視点。こんなふうに羽ばたいて、こんなふうに首を動かして、こんな風に体を伸ばして飛んでいるのかと初めて見る映像だらけ。超軽量航空機(視聴者の目線)が鳥の群れの一員となって一緒に飛んでいる。これがCGではないというから驚きだ。一体どうやって撮影したのか…。
スタッフが卵のうちから人間に慣れさせる訓練を行った。これは調教ではなく、鳥たちが人間の存在、人間が発する音に怯えることなく、自然に動ける(飛べる)よう慣れさせた。そのおかげで、群れの中に航空機がいても自然に飛べるようになったという。そういう意味で、本作は完全なるドキュメンタリー映画とはいえない。しかしその訓練がどれだけ大変な作業だったか、考えるだけで気が遠くなりそうだ。17人のパイロット、14人の写真監督、5人のアニメ映画監督、9人のノンフィクション映画監督、そして鳥の専門家たちによって3年間、のべ300時間のフィルムを製作した。
さらにこの映画には、最小限のナレーターと最小限の音楽しか使われていない。風の音、川のせせらぎ、波の音、鳥たちの鳴き声…自然そのものが、まるでオーケストラのような美しい音楽になるのだ。

鳥たちと一緒に大海原を越え、山や谷を越え、モンサンミッシェルを越え、万里の長城を越え、北極へ向かって行く…もちろん美しいだけではない。鳥たちは過酷な状況下の中で必死に生き残るため、繁殖するために飛んでいる。時として自然は大いなる母であり、また大いなる脅威でもあるのだ。それをまざまざと見せつけられると、人間の存在がいかにちっぽけなものかを思い知らされる。

トップクラスのスタッフが集結し、他に類を見ない驚異的なカメラワークで鳥たちの生態、自然を捉えた『WATARIDORI』は、本国フランスで280万人以上の観客を動員し、その波はヨーロッパ、アメリカ、そして日本にも流れてきた。本作は2003年、第75回アカデミー賞長編ドキュメンタリー賞にノミネートされた。

【WATARDORI:原題Le Peuple Migrateur】(2001)
監督:ジャック・ベラン、ジャック・クルーゾ、ミシュエル・デバ
製作総指揮:ジャン・ドゥ・トレゴマン
ナレーター:ジャック・ベラン
撮影:ミッシェル・ベンジャミン、シルヴィー・カルセド、リュック・ドリオン、ロラン・シャルボニエ、ロラン・フルト、ディエリー・トマ、フィリップ・ガルギ、オリヴィエ・ゲノー、トミニック・ジャンティ、ベルナール・リュティック、ティエリー・マシャド、ステファンヌ・マルタン、ファブリス・モワンドロ、ミッシェル・テラス、エルンスト・サス。
フランス公開2001年、日本公開2003年
『WATARIDORI』DVD&Blu-rayは角川書店より絶賛発売中。

至極の長編ドキュメンタリー映画『WATARIDORI』監督:ジャック・ベラン、ジャック・クルーゾ、ミシュエル・デバ予告動画はYouTubeまたはHuluにて配信中。

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