「死」を前にして生きる辛さを知る…岡田将生×榮倉奈々W主演『アントキノイノチ』31日放送、あらすじと予告動画

2015年03月30日21時00分映画

モントリオール世界映画祭イノベーションアワード受賞作!「遺品整理」から見えてくる人間の生と死…心に傷を負った若者2人が「死」から「生」を学び取る…岡田将生×榮倉奈々W主演、松坂桃李、染谷将太ら若手実力派が揃った『アントキノイノチ』TBS 31日(月)23時53分より放送!予告動画はYouTubeで公開。

原作はさだまさし著の同名小説(幻冬舎文庫)。亡くなった方の遺品を遺族に代わって整理する遺品整理会社で働く2人の若者の物語。実際にある日本初の遺品整理会社「キーパーズ」がモデルとなっている。
遺品整理専門のキーパーズ

人気、実力ともに若手俳優のトップをゆく岡田将生と榮倉奈々。この2人が遺品整理業者になるとは、ちょっとショッキングなキャスティング。遺品整理という仕事、想像するだけで気が重くなりそうだ。劇中、死後一カ月後に発見された方の遺品を整理するというシーンがあるが、かなり堪える。
高校生のころ、親友を“殺して”しまい、そのトラウマからうつ病になってしまった杏平(岡田将生)と同じく高校の頃、不幸な恋愛をして小さな命を失ってしまったゆき(榮倉奈々)が、遺品整理を通して「生」と「死」を学び、生きる意味を見いだすのだが…。

かなり重いテーマの作品である。超イケメンの岡田将生、まだブレイク前の松坂桃李に染谷将太が出演している。さらに榮倉奈々とくればラブストーリーに発展するのかと思うかもしれないが…さだまさしはそんな甘っちょろい物語を書くはずがない。若さゆえの悩み…いや、そうではなく人として「生」と「死」を受け入れることの大切さ、辛さ…そんな一番大切なことを教えてくれる作品。見終わった後、その余韻の重さ、深さに浸り、しばし時の流れを忘れるほどである。主役を演じた2人も、相当キツイ思いをしたのではないだろうか。その経験が、今の彼らの演技に大いに影響していると思わずにはいられない。

しかし原作を書いたさだまさし。どうしてこういう本を書いたのだろう? とても「関白宣言」を作った人とは思えない。落語家顔負けの漫談術、まっさん独特の歌の世界とまったく違った小説ではないだろうか。まっさんのキャパの広さに改めて圧倒される。能ある鷹は爪を隠すというが、まっさんの場合は何も隠さず多彩な才能を発揮している。
同じく、さだまさし原作『風に立つライオン』(幻冬舎文庫)も映画化された。大沢たかお主演『風に立つライオン』現在公開中である。
『風に立つライオン』公式サイト

■あらすじ
高校生のころ、親友を2度“殺して”しまった杏平(岡田将生)は高校を中退。その後、そのトラウマから躁鬱病をわずらって苦しんでいたが、知人から「遺品整理」の仕事を紹介され手伝うようになる。そして仕事場で、同い年のゆき(榮倉奈々)と知り合う。少しずつゆきとも親しくなっていった杏平だが、ある日、仕事中男性と手が触れてしまったゆきは悲鳴をあげ、激しく震えだした。心配する杏平…ゆきは少しずつ自分の過去を話す。小さな命を失ってしまい、心に傷を負ったゆきは、その罪を背負って生きている。杏平はそんなゆきに何かを伝えたいと思うのだが言葉が見つからない。そしてゆきは、杏平の前から姿を消してしまった…。

【アントキノイノチ】(2011)
監督:瀬々敬久(『ヘヴンズ ストーリー』(2010)ほか)
脚本:田中幸子、瀬々敬久
原作:さだまさし『アントキノイノチ』(幻冬舎文庫)
主題歌:GReeeeN「恋文 ラブレター」
出演:岡田将生、榮倉奈々、松坂桃李、鶴見辰吾、染谷将太、檀れい、柄本明、堀部圭亮、吹越満、津田寛治、宮崎美子、原田泰造ほか
『アントキノイノチ』DVD&Blu-rayはポニーキャニオンより絶賛発売中

TBS 3月31日(火)23時53分より放送『アントキノイノチ』(2011)。主演は岡田将生、榮倉奈々。共演は松坂桃李、鶴見辰吾、染谷将太、柄本明、原田泰造ほか。予告動画はYouTubeにて視聴できる。
TBS 3月31日(火)放送『アントキノイノチ』番組公式サイト

『アントキノイノチ』予告動画(YouTube)