2009年皆既日食ライブ中継 ~ トカラ列島悪石島より~

2009年04月28日10時54分暮らしと文化

今年2009年7月22日、日本では46年ぶりに観測できるという天体現象が起こる日である。それは、皆既日食だ。しかも鹿児島県トカラ列島悪石島ならば、6分以上という長時間にわたって観測することが可能。世界的にみれば、インド→中国南部→日本の鹿児島県トカラ列島→太平洋というコースで皆既日食が観測できる。

今回、株式会社メディア・アイ・コーポレーションでは、この皆既日食の模様をインターネットでライブ中継する。先の鹿児島県トカラ列島悪石島(鹿児島県鹿児島郡十島村)に観測拠点を設置し、観測された映像に調整を加えながら動画配信する予定だ。多数のサイトを通じて、一般公開できるようにするとのこと。「2009年7月22日の9:00~12:30」という時間枠で視聴が可能のなる。下記のページで、皆既日食間近になると、皆既日食ライブ中継サイトがリストアップされる。

2009年皆既日食ライブ中継 配信リスト

ところで、皆既日食とはどんな天体現象なのか? 簡単に解説しておこう。皆既日食とは、地球と太陽の間に月が入ることで、太陽が月に隠されて観える現象をいう。これは大きく、次の二つに分類される。一つは、太陽全部が隠される皆既日食。もう一つは、一部だけ太陽が隠される部分日食だ。

今回動画配信されるのは皆既日食の方であるが、地球全体でみても年に2回程度で、観測できる地域がごく一部の範囲だけなので、出会えるチャンスが少ない。日本で前回観測できたのは、1963年7月21日までさかのぼることになるため、今年が46年ぶりとなるのだ。なお、次に日本で皆既日食を観るには、2035年9月2日まで待たねばならない。ただ厳密にいうと、この話は一般人が行ける日本領土での話である。自衛隊などの関係者だけしか上陸することが許されていない小笠原の硫黄島の近くでは、1988年3月18日に観測されたという事例もある。

日本では皆既日食が観測できる上、若田光一氏の宇宙ステーション滞在のニュースもあったので、今年は宇宙関連の話題で盛り上がりをみせそうだ。一方、世界全体でも、天体関連にとって大きな一年となる。というのも今年は、ガリレオ・ガリレイが天体観測を望遠鏡で初めて行ってから400年を迎えるからだ。それを記念して、国際連合、国連教育科学文化機関(UNESCO)、国際天文連合は、2009年を世界天文年(International Year of Astronomy)と定めている。世界レベルでも、天文学について様々な取り組みが行われる予定だ。