いい子じゃないと捨てられる…過去のトラウマから、本心を見せず、人とも深くかかわろうせず淡々と看護師の仕事をする弥生（瀧本美織）が、初老の菊地（古谷一行）との出会いで変わっていく…「わたしをみつけて」前回の詳しいあらすじと第2話予告動画紹介。NHKオンデマンドでも見逃し配信される。

ドラマの原作者である中脇初枝は、「『いい子』でいることで自分を見失い苦しむ子供がいる。その思いは子供たちだけのものではなく、『いい子』を演じ続け、疲れてしまった大人の私たちの姿でもあります」との思いで原作を書いたという。そして、ドラマ化にあたり、「『ありのまま』のあなたで大丈夫。このドラマを通じて、がんばりつづけているみなさんに、そんな思いが伝わることを願っています」と、コメントしている。
劇中、木管5重奏を軸にしたBGMや感情の起伏の少ない瀧本美織のモノローグ（独白）が原作の世界感をうまく表現し、まるで小説を読んでいるような気分に浸らせてくれる。

自転車でスイスイ走る瀧本見てNHK朝の連続テレビ小説「てっぱん」を思い出した方も多かったのでは？もっとも、朝ドラとは違って「わたしをみつけて」第1話は、やりきれないほど暗い展開だった。
しかし、そんな暗くやりきれない空気感も、第2話から本格登場する菊池（古谷一行）が変えてくれそうだ。菊池が弥生の心にどんな変化を与えるのか？弥生が心を開くのにあわせて、印象的な弥生の心の声（瀧本のモノローグ）も減っていくのでそんなところにも注目したい。

弥生以外にも、院長の息子・雅之（溝端淳平）もまた「いい子」でなかったことで、父（本田博太郎）との確執があるようだ。今のところ完璧に思える看護師長の藤堂（鈴木保奈美）もなにか過去があるようで…。全4回と短編ながら、ゆっくりゆっくり心を溶かしていく素敵なドラマになりそうだ。

■前回のあらすじ
星美ヶ丘病院の准看護師・弥生（瀧本美織）は、手際のいい仕事ぶりで高評価。だが、同僚たちや患者と深く関わることをせず、そつなくやり過ごしてきた。手術に立ち会う際にも、患者に対して何の感情も持たず、ただ言われるまま手術器具を渡していた。
実は、生後すぐに捨てられ養護施設で育った弥生は、養子となった家で「いい子じゃない」自分を見せて、養護施設に戻されてしまった過去があった。そんな出自と境遇がトラウマとなり弥生は本心を出さず人と深く関わることをしなくなった。
ある日、新しい看護師長として藤堂（鈴木保奈美）が赴任。藤堂は弥生が患者のバイタルを完璧に記憶していることに驚き、その能力を高く評価するも、命を預かる仕事では万全を期すべきと、面倒がらずにメモを取るように指示。
そんな中、院長・後藤（本田博太郎）が手術した患者が、術後も激しい痛みを訴えていた。弥生は、深く考えもせずに、言われるままに鎮痛剤を打っていた。ところが、院長不在時に患者が死亡。連絡した院長は帰って来ず、駆けつけた権藤は亡くなった患者の最後のお見送りをし、弥生に、手術で切り取った盲腸が腫れていたかと質問。腫れていなかったと答えた弥生と一緒に、レントゲン写真に写った肺の下にフリーエアーを認め、単なる虫垂炎と思われた患者が「上部消化管穿孔」だったのではないかと考えた。弥生は、自分が何も診ていなかったせいで患者が死亡したと深い後悔の念を抱いた。

やっと戻ってきた院長もレントゲン写真で自らの誤診を認めた。だが、遺族には、予期せぬ腹膜炎から肺気腫が起こり急性心不全で死亡したことと伝えることに。そこで、患者の両親に説明する間、権藤師長が近づかないように弥生に協力を頼んだ。「君はいい子だから、できるよね」という言葉に、弥生は従ってしまい、カルテを隠して権藤を引き留めた。
だが、カルテを戻すところを藤堂に見つかり、「院長のいうことならどんなこともするのか？」と聞かれ、「ここに居るためにそうする」と答えた。そんな弥生を権藤は「かわいそうな人ね」と言った。

■第2話「もう嘘（うそ）はつかない」
生後すぐ親に捨てられた孤独な看護師・弥生（瀧本美織）。患者のシメ（佐々木すみ江）が死去し、藤堂（鈴木保奈美）は遺された娘（根岸季衣）のために「シメさんはあなたに感謝していた」と嘘をつくが、弥生は藤堂に「人はそんなに簡単に救われない」と反論する。そんな時、弥生は菊地（古谷一行）と出会う。菊地は子供の泣き声と怒声が聞こえたアパートの見知らぬ住人を心配するが、弥生は彼の優しさが理解できない。その菊地が入院してきて…。

心温まる感動作「わたしをみつけて」は、毎週火曜日、NHK総合ドラマ10で全4回で放送。再放送は総合にて翌週月曜日深夜24時10分（火・0：10）より。予告動画は番組公式サイトで視聴できる。NHKオンデマンドでも見逃し配信する。

◇NHK「わたしをみつけて」番組公式サイト
◇NHKオンデマンド
◇NHKオンデマンド/GYAO!ストアで視聴
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■中脇初枝 著書一覧