もし、現代にアドルフ・ヒトラーがいたら!?映画『帰ってきたヒトラー』(6/17公開)見どころと予告動画

2016年05月17日19時00分映画
ⓒ2015 MYTHOS FILMPRODUKTION GMBH & CO.
KG CONSTANTIN FILM PRODUKTION GMBH

2016年の一番キケンな映画が公開される!20世紀半ば、ユダヤ人大虐殺、ヨーロッパ、いや世界中を震撼させた総統閣下アドルフ・ヒトラーが21世紀に蘇る!笑えるけれどよくよく考えると非常に恐ろしい映画…『帰ってきたヒトラー』は6月17日(金)より全国順次ロードショー、予告動画は映画公式サイトで公開。

アドルフ・ヒトラーと聞いて、日本人が思い浮かべるのは、軍服にチョビヒゲ、妙な八二分けのヘアースタイルで「ハイル、ヒトラー!」と片手を高らかにあげて敬礼する…そんなシーンを想像するだろう。

ドイツ人にとって、ヒトラーとは日本人が考える以上に忌み嫌われている存在のようだ。幼いころからドイツでは、ヒトラーがどんなことをしたか、どれだけの人たちが犠牲になったか、その影響が現代まで続いていることを、教育の場で徹底的に教えるらしい。

ドイツではヒトラーを「良い」「悪い」で判断するのではなく「ヒトラーの人間的魅力」を認めるか認めないか…が議論されている。つまり、なぜあの当時、多くのドイツ人(大衆)はヒトラーに惹き込まれたのか? ヒトラーの演説に酔いしれたのか? それはヒトラー自身に人を惹きつける「魅力」があったからである。

日本でたとえるなら…さしずめ田中角栄であろうか。田中角栄も学もない、新潟の貧しい家の出身で苦労してきた人だった。しかし、田中角栄の人柄、そして演説に多くの人が惹かれた。「ロッキード事件」が露呈しなければ、田中角栄は高度経済成長期を象徴する偉人として、今もなお讃えられていたかもしれない。

ヒトラーも、その思想が非人道的でなければ、あのような戦争は起きなかったかも知れない。過去の出来事を「でもしか」で考えても意味がないのだが…。

それを物語にしたのが、6月17日公開、映画『帰ってきたヒトラー』である。
原作は、ドイツ国内で200万部を売り上げ、世界41カ国で翻訳され、世界各国で高い評価を得ているティムール・ヴェルメシュ著『帰ってきたヒトラー』(河出文庫刊)。本国ドイツではディズニーアニメ『インサイド・ヘッド』を抑えて1位を獲得した。

物語は、ヒトラーが2014年のドイツにタイムスリップしてきた…という設定。完全に浦島太郎状態で、「今は何年だ!?」とドイツの有名観光地で聞いてまわり、狼狽えるヒトラー。このシーンは半分ドキュメントで、ヒトラーを見た観光客は喜んで一緒に自撮りしまくる。観光客の大半は、彼をヒトラーのモノマネ芸人と思っていたのだろう。

映画では、ヒトラーがモノマネ芸人として扱われるのだが、本人はいたってマジメ。そのマジメさが現代のドイツ人にバカウケで、どんどんスターに登りつめて行くのだ。メディアへの影響力を高めたヒトラーが次に計画するのは…。

1945年から一気に2014年にタイムスリップしたヒトラー。意外と順応力が高く、新聞のみならずインターネットを早々に使いこなし、空白の70年をアッという間に埋めてしまう。この順応力の高さ、柔軟な発想こそが、人間としてのヒトラーの魅力なのかもしれない。

映画としての演出と、リアルなノンフィクションを見事に融合させ、観客を混乱に陥れる衝撃の問題作『帰ってきたヒトラー』は、2016年夏、ぜひ劇場でご覧いただきたい作品である。

ヒトラ■あらすじ
1945年に自死したはずのアドルフ・ヒトラー(オリヴァー・マスッチ)が2014年のドイツにタイムスリップした。現状を把握でず、右往左往するヒトラーを見つけたのは、偶然そこで撮影をしていたTVディレクターのザヴァツキ(ファビアン・ブッシュ)。サヴァツキをはじめ、ヒトラーを見た人々はだれもが、コスプレしたモノマネ芸人だと思い込む。

リストラ要員だったザヴァツキは、ヒトラーをバラエティー番組に出演させ一発当てようと企む。政府に対して歯に衣着せぬ物言いで、ズバズバとツッコミを入れまくるヒトラーは、アッという間に大ブレイク。

リストラを免れたザヴァツキは、ヒトラー主演で映画制作を提案。テレビ局も了承し、撮影が始まるのだが…。大衆の人気を獲得すればするほど、ヒトラーの思想の恐ろしさが少しずつ露わになる。しかしそれに気づく人は…。

【帰ってきたヒトラー】(2015)
監督:デヴィッド・ヴェンド
脚本:デヴィッド・ヴェンド&ミッツィ・マイヤー
原作:ティムール・ヴェルメシュ(『帰ってきたヒトラー』(上下、河出文庫)
配給:ギャガ
出演:オリヴァー・マスッチ(アドルフ・ヒトラー)、ファビアン・ブッシュ(ファビアン・ザヴァツキ)、クリストフ・マリア・ヘルプスト(クリストフ・ゼンゼンブリンク)、カッチャ・リーマン(カチャ・ベリーニ)ほか。
ヒトラー役のマスッチ以外、俳優名と役名のファーストネームが同じなのに注目。

2016年6月17日(金)よりTOHOシネマズ シャンテほか全国順次ロードショー、映画『帰ってきたヒトラー』。ドイツで話題沸騰、映像化不可能とされた話題作がいよいよ日本に上陸。あの、アドルフ・ヒトラーは一体どんな人間だったのか!?もしヒトラーが21世紀にいたら…浦島太郎状態のヒトラーが次々とおかしなことをしでかし、笑えるのだが…最後のシーンでそれが一変する!
予告動画は映画公式サイトにて公開。

6月17日(金)TOHOシネマズ シャンテほか順次全国公開、映画『帰ってきたヒトラー』公式サイト