NYタイムスが最高の賛辞!C・イーストウッド俳優引退作『グラン・トリノ』18日NHKBSで放送!予告動画

2016年10月17日20時00分映画

「どうやってあんな傑作を生み出すのかわからない」、こんな最上級の賞賛をNYタイムスが送り、主演のクリント・イーストウッドが「もう積極的に役を探すことはないだろう」と俳優引退を宣言した映画『グラン・トリノ』(2008年)が、NHKBSプレミアムシネマにて放送!本作はDVD・ブルーレイディスクもリリースされており、公式サイトでは、本作の予告編映像の他、徳光和夫と鳥越俊太郎が映画の見どころを語る動画も公開中。

クリント・イーストウッドの印象は、最近の若い世代にとっては監督としての印象の方が強いのかもしれない。第65回アカデミー賞監督賞、作品賞を受賞した『許されざる者』、そして二度目のオスカー栄冠となった『ミリオンダラーベイビー』では、第77回アカデミー賞・作品賞を受賞。どちらの作品にもイーストウッドは出演しているが、両作品ともあまりにもすばらしいできばえが故、つい制作者、監督としてのイーストウッドを褒めそやす祝福の声が高くなりがちだが、古くからの映画ファンなら彼の俳優としての偉大さも忘れられないはず。

『荒野の用心棒』そして『ダーティーハリー』など、彼が主演した映画の中の主人公は、それぞれ個人的な葛藤を抱えている。自分だけのルールと社会一般とは少し違う独自の正義感があり、優しさはあるがシャイで、とにかくそんなキャラクターをイーストウッドが魅力的に演じている。

彼のスーパースターの地位を不動のものとした『ダーティーハリー』シリーズが人気を博した80年代前後は、アメリカ映画にはマッチョなヒーローが多く出現していた。そんな中でのクリント・イーストウッドの存在は異彩を放っていた。まさに孤高の俳優。

そんなイーストウッドが本作『グラン・トリノ』で演じるのは、これ以上ないくらい偏屈で頑固な片田舎の老人。主人公であるウォルト・コワルスキーの性格は気難しいことこの上なく、妻の葬儀の席でも出席者を「ネズミども」とよばうばかりか、人種への偏見も強い困った男だ。自動車工を勤め上げたウォルトの楽しみと言えば、自らレストアした愛車グラン・トリノを眺めることくらいで、ある日の夜、少年がクルマを盗みに入ると、容赦なくライフルの銃口を少年へ差し向ける。

しかし、その少年は自らの意志でクルマを盗もうとしたわけではなかった。少年の名は、タオ。アジア系移民、モン族というマイノリティー(少数民族)の出だ。タオはウォルトの隣家に住んでおり、お詫びとして家の手伝いをすると申し出る。かくして人生のしめくくり方を知らない老人と、人生の始め方を知らない少年の不思議な交流が始まっていく。かたくなに閉ざされていたウォルトの心は、タオたち一家の温かみに触れていくにつけ、変化を果たしていく。人生の最後に、ひとりの少年を一人前にすることを選んだウォルトの姿が、観る者の心をしずかに打つ。感動的なヒューマンドラマだ。

「何歳になっても学べるのさ」。本作出演を振り返って、そんな言葉を語ったクリント・イーストウッド。偉大な映画人の「晩節の美学」が見られる映画『グラン・トリノ』は、10月18日(火)夜9時~11時、NHKBSプレミアムシネマで放送。

【製作】ロバート・ローレンツ、ビル・ガーバー
【製作・監督】クリント・イーストウッド
【原案】デイブ・ヨハンソン
【原案・脚本】ニック・シェンク
【出演】クリント・イーストウッド、ビー・バン、アーニー・ハー ほか

映画『グラン・トリノ』オフィシャルサイト
NHKBSプレミアムシネマ番組公式サイト



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