若田宇宙飛行士「おもしろ宇宙実験」(続編)の動画を公開!

2009年07月29日17時18分暮らしと文化
(C) 宇宙航空研究開発機構(JAXA)

国際宇宙ステーション(ISS)に長期滞在中の若田光一宇宙飛行士が、2009年6月25日に実施した実験の様子が映像で公開されている。
同実験は、アイデアを広く募集し、総計1597件のアイデアが提案された中から、地上と比較ができ、視覚的にわかりやすいアイデアとして、8カテゴリー16アイディアを実施候補テーマとして選定。
そのうち7つのアイデアは、2009年4月27日に実施されている。ラジオ体操、バック転、リフティング、腕立て伏せ、側転、クロール、スピン(回転)だ。
また、次の4つのアイデアは、同年5月15日に実施されている。衣類をたたむ、魔法のじゅうたん、水鉄砲、目薬だ。
最後に残る5つのアイデアは、同年6月6日に実施されている。空間移動、腕相撲、握手、押し相撲、綱引きだ。
今回は、続編として、以下の各実験が行われている。
「作用反作用・運動量保存の法則」は、けんだま2個を互いにぶつけて実験を行った。静止していたボールは動いてきた玉によって押し出され、動いてきた玉はぶつかった瞬間に静止する。次に、けんだまの玉に野球のボールをぶつけると、けんだまの玉よりも野球のボールのほうが質量が大きいため、静止した玉を押し出したうえで野球のボールも同じ方向に動き続ける。足を宙に浮かせた状態で水の入ったコンテナを前に押し出すと、人も後ろに飛ばされるということが分かった。また、直線運動だけでなく、回転運動でも実験を行っている。
「無重力で紙飛行機を飛ばしてみると・・・」は、地上では揚力と重力が釣り合って飛ぶものが、無常力状態ではどうなるかという実験。飛行機には重力がかからないため、進行方向に対して真っ直ぐかやや上方に飛んでいくことが分かった。
「ふり子の実験」は、けんだまの玉がどのように動くかの実験。無常力の状態ではけんだまの玉を落としただけでは動かないものの、最初に力を加えると玉は回り続ける。つまり、無常力状態では、ふり子のような動きはできないということだ。
「重心を探す実験」は、無重力状態で置いた物を回転させると、その中心を見つけることができるということを実証する実験。飲み水用の容器、ハンマー、L字型のレンチ、ペンチ、六角レンチ(束ねた状態、展開した状態)などで実験を行っている。ペンチの動きに注目したい。
「無重力で方位磁石はどこを指す?」は、きぼう内で方位磁石を離したところ、N極が地球の北極方向を指し示した。
「無重力で水と油を混ぜると?」は、水とコショウ油を混ぜ合わせたところ、両者は見事に混ぜ合わさった。地球上のように重力がないため、比重の違いによる分離が起きない。そのため、無重力空間では、さまざまな材料の実験に使いやすいということが分かる。
「ロープでハートの形を作る、結ぶ、縄跳び」は、無重力ではハートの形はふわふわと浮いて難しいものの、結んだり、縄跳びをしたりすることはできた。
いずれの実験も、若田宇宙飛行士の親しみやすい語り口とユーモラスな動きや表情により、楽しみながらおもしろ宇宙実験を見ることができる。

若田宇宙飛行士「おもしろ宇宙実験」(続編)