「『はやぶさ』地球帰還へ向けて」-JAXAクラブ動画ニュース

2009年11月20日18時10分暮らしと文化
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(C) 宇宙航空研究開発機構(JAXA)

宇宙航空研究開発機構(JAXA)のサイト「JAXAクラブ」の「JAXAクラブ動画ニュース」で、「『はやぶさ』地球帰還へ向けて」が公開された。
「はやぶさ」(MUSES-C)は、小惑星探査を目的に開発された探査機。はやぶさが探査するのは、地球の軌道と似た軌道を持ち、日本のロケット開発の父である故糸川英夫博士にちなんで「ITOKAWA」(イトカワ)と名付けられた小惑星。小惑星までイオンエンジンを使った飛行を行い、自律的に小惑星に近づき、その表面から、物質のサンプルを持ち帰ることを目的としている。
はやぶさは、2003年5月9日に打ち上げられ、目標のITOKAWAに到着し、科学観測を実施した。これまで人類がサンプルを持ち帰った天体は月だけだが、月は変成してしまったため、太陽系初期のころの物質について知ることができない。
小惑星は惑星が誕生するころの記録を比較的よくとどめている化石のような天体で、この小惑星からサンプルを持ち帰る技術(サンプル・リターン)が確立されれば、「惑星を作るもとになった材料がどんなものか」、「惑星が誕生するころの太陽系星雲内の様子はどうか」についての手がかりが得られる。また、地球上でサンプルの分析が行えるため、回収される量が少量であってもその科学的意義は極めて大きいといえる。
はやぶさは、イオンエンジンという新しい技術で小惑星をめざす。イオンエンジンは、キセノンという気体をイオン化し、電気的に加速して噴射する。効率が非常によいことから、将来の月・惑星探査でも重要な技術として期待されている。はやぶさは、この技術の実証を行う。
また、遠く離れた小惑星に、探査機が自ら判断して近づく「自律航法」も実証する。はやぶさは、カメラやレーザー高度計のデータをもとに、小惑星との距離を測りながら近づいていく。
さらに、サンプル採取以外に、さまざまな科学観測機器と手段により、小惑星を調べる。そのため、カメラ、レーザー高度計、X線計測装置、赤外線観測装置による科学観測も行う。
はやぶさは、2007年4月、地球に向けて出発し、2010年6月に帰還する予定だ。
JAXAクラブは、宇宙航空分野に興味がある人や、将来、宇宙航空の分野で活躍したいと思っている人などに、JAXAの取り組みを分かりやすく紹介し、みんなで宇宙航空分野を盛り上げようという思いと期待を込めて作られたサイト。

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