10月24日NHK総合テレビでドラマ「蒼穹の昴」第5話を放送、予告動画が公開されている。これまで富貴寺で厳しい修行の日々を送っていた春児（チュンル）がいよいよ宮中へ召される事となった。星に導かれるように今、春児の命運が中華帝国の中枢にある西太后と交わる時が来る。

追放された宦官たちの住む富貴寺で安徳海からは宮中の礼儀作法を、黒牡丹からは京劇の技量をことごとく学んだ春児がいよいよ宮中で仕える事となる。猜疑心だらけの宦官の世界ながら、春児は持ち前の明るさと素直さで一つの粗相も出さずに仕事を成し遂げ、徐々にその才覚が認められるようになる。そしてそれは西太后の一の側近である総太監の李蓮英の耳にも届く。蓮英は春児の揚げ足を取るために宮中劇団へ所属させるが、それこそが春児の才能を最も開花させる場所であったのだ。とうとう春児が西太后と光緒帝の前で芝居を披露する時が来る…

＜第4話あらすじ＞
春児は見事黒牡丹の目に適い、京劇役者として仕込まれる事となる。厳しい訓練の中にも春児の役者としての成長は確かなものとなり、いつしか黒牡丹の力量を受け継ぐ程にまで育っていった。
一方、ミセス・チャンは西太后に頼まれて「龍玉」について調べるために安徳海の下を訪れる。「龍玉」とは何なのかわからないまま、ミセス・チャンはその手がかりとなる一篇の歌を安徳海に教えられ、それを西太后に伝える。是が非でも「龍玉」を手中に収めたいと願う西太后は乾隆帝を祀る寧寿宮を訪れ、その霊廟に参拝する。そこで夢と現ともつかない光が現れ、乾隆帝と思しき姿が西太后に問いかける。「龍玉を本当に必要としているのは清朝なのか、そうではなくてお前ではないのか」と。その2つにどんな違いがあるかと西太后が尋ね返すと更にその姿は続けて「お前にその違いが分かったら龍玉の在り処を教えてやろう」と告げて消えてしまう。

場面は変わって、いよいよ光緒帝の后選びとなる。最終的に5人に絞られた候補の中には、当然西太后が推する喜子（きし）の姿もあった。候補たちに対面する前に西太后はかつてはライバルであった東太后の名を上げ、皇后には器量や才覚よりもつつましさが必要だと説き、暗に喜子を選ぶようにほのめかしたつもりだった。しかし皇后選びが始まると、光緒帝が選ぼうとしたのは西太后が予想しない相手であった。皇后の証を受け渡す直前、思わず厳しく咎めるとやっと光緒帝はその意味を知り、絶望と暗澹たる思いで皇后の証を喜子に渡す。そして続く2人の妃選びについては呆然のあまり行動が取れず、これも西太后によって決められてしまう。
皇后選びの儀式が終わって西太后は光緒帝に対する怒りが収まらず、その思いを訪れたミセス・チャンにぶつける。一方激しい西太后の怒りの前に為す術もなくうなだれる光緒帝の前には、梁文秀が皇帝付の役人として配属の挨拶に連れてこられていた。自邸に帰った文秀は、訪れたミセス・チャンに「私の友人が母親を怒らせてしまったのだが」と例え話にして先刻の騒動についての解決策を求める。ミセス・チャンはその質問の背景をすぐに理解し、西太后と光緒帝を取り持つ策をこれまた例え話として文秀に授ける。
宮廷では西太后が観劇に興じていた。しかし光緒帝との一件があって心此処にあらずの様子。しかし周囲の笑い声に気づき、促されて舞台を見ると、そこにははまぐりの精に扮した光緒帝が懸命に舞を舞っていた。厳しく咎める西太后に対し、光緒帝は前漢の歴史書「列女伝」の例を挙げ、それに倣って母上をお慰めしたかったと申し訳無さそうに語る。早く着替えるように厳しく言い放つ西太后だが、光緒帝がその場を去ると西太后は久々に声を上げて笑い、光緒帝の真心を噛み締めるのであった。

富貴寺で修行を続ける春児と黒牡丹の間には深い師弟の絆が結ばれていたが、春児は師匠の体調が思わしく無い事を知る。そして春児の成長は師弟の別れの時をも意味する。とうとう春児へ宮廷に上がるようお達しが下ったのだった。富貴寺を去る前に、春児は宦官たちの前で芝居を披露する事になる。初舞台に足がすくむ春児を、黒牡丹は勇気付けてその背を押し出す。そして春児は初めて京劇役者として人々の前に立ったのだった。

＜第5話みどころ＞
いよいよ宮中の宦官の世界へ飛び込んだ春児。様々な困難を春児が見事に切り抜ける場面では、これまでの富貴寺での教えがあった事を思い出してみるとより感慨深いだろう。第5話では「龍玉」が一体どんなものであるのかが更に分かるので、その意味を逃さず覚えておきたい。ここでは京劇の素養のある余少群（春児）の才能が存分に発揮される回でもある。吹き替えでない彼の見事な立ち居振る舞いを堪能したい。

ドラマ「蒼穹の昴」第5話「宮中へ」は10月24日（日）よる11時45分から放送。通常と放送時間が異なるので注意されたい。予告動画は番組サイトの「あらすじ」で視聴出来る。


あらすじ｜NHKドラマ「蒼穹の昴」

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