深作欣二による変化球の忠臣蔵、『忠臣蔵外伝 四谷怪談』。

エンタテインメント 邦画 歴史・時代劇
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鶴屋南北が書いた『東海道四谷怪談』の主人公・民谷伊右衛門は赤穂浪士の一人であるから、当然、吉良邸への討ち入りを目指している。しかし、その最中に吉良側に召し抱えられそうになり、なおかつ妻のお岩を毒殺。お岩の怨念に祟られて……という怪談になるわけだ。

『赤穂城断絶』できっちりとした忠臣蔵を描いた深作欣二が、ここでは変化球である「四谷怪談」を元に裏忠臣蔵を作り上げていく。

赤穂の浪士たちは、江戸で貧乏暮らしを余儀なくされている。2カ月前に召し抱えられたばかりの民谷伊右衛門(佐藤浩市)も、そうだ。
ある日、伊右衛門は湯女のお岩(高岡早紀)と知り合い、一緒に暮らすように。

浪士たちからの脱落する者も出てくるが、伊右衛門は堀部安兵衛らとともに討ち入りを待ち望んでいた。
ただ、そんな伊右衛門に縁談の話が舞い込む。そのためにはお岩が邪魔になるのだが……。

大石内蔵助に津川雅彦、堀部安兵衛に渡瀬恒彦と浪士側のキャスティングもしっかりしているが、なにしろ、メインは四谷怪談である。幽霊も出てくるし、伊右衛門の恐れっぷりも描かれる。そこには人間の持つ悪意が渦巻いている。
ラストの討ち入りについては、いままで見たことのない、まったく新しい展開が楽しめるはずである。
  • 監督:深作欣二/脚本:古田 求、深作欣二/撮影:石原 興/音楽:和田 薫/美術:西岡善信、丸井一利/照明:中島利男/録音:広瀬浩一/編集:園井弘一
  • 佐藤浩市、高岡早紀、荻野目慶子、石橋蓮司、渡辺えり子、火野正平、六平直政、菊池麻衣子、下元 勉、奥村公廷、真田広之、田村高廣、名取裕子、近藤正臣、蟹江敬三、渡瀬恒彦、津川雅彦

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