「善徳女王」見どころ⑩最後の比才は武術![33~35話]

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以下文中の登場人物は BSフジ[人物相関図]のページで、用語については「新羅王国」豆知識を参考に。

さて花郎のリーダー(風月主)を決める比才(ピジェ)の最終選考は武術。33話の後半から始まる。さすがのユシンもポジョンも比才を前に緊張は隠せないでいた。そんなときミシルは我が子のポジョンではなく敵であるユシンの激励に出向く。ミシルはどうにもユシンが気になる。何とか彼を自分の陣営に引き込もうと必死だ。国仙ムンノもユシンに一目置いている。なんともモテモテのユシンだが、もう一人ユシンに思いを寄せる男がいた。善徳F4最後の男ウォルヤだ。滅亡した伽耶王族の王子である彼は、ユシンに、風月主になりトンマンと結婚をして新羅の王になるようにと説得しているのだ。伽耶の血を引くにユシンが王になることで、亡国の無念を晴らしたいのだ。この野心が最後までユシンを苦しめることになる。

ユシンを見守るトンマン、トンマンを見つめるピダムユシンを見守るトンマン、トンマンを見つめるピダムそんなユシンを遠巻きに見守るトンマン王女の元にピダムが花を持ってやってくる。いまではトンマンを一人の女性として見るのはピダムだけ。もちろん花のプレゼントはピダムの本心だが、自分の出自を調べるための作戦でもあった。ついにピダムは、自分が前王の真智とミシルの間に生まれた子であることを知る。ミシルもまたピダムが気にかかって仕方がない。

ピダムは師匠であるムンノに辛い胸のうちを訴える。子供のころに犯した罪をただ責めるだけでなく、たしなめて正してほしかったのだと。しかし、師匠にはわかってもらえない。もうピダムにはトンマンしかいない。トンマンのため自分も比才に出てユシンを風月主にすべく、八百長でユシンを勝たせようと考えた。どうもピダムは考え方が短絡的だ。これが致命的な彼の欠点だ。このあたりからピダムの小首をかしげるしぐさが増える。良からぬことを考えるときに首をゆっくり左にかしげるのだ。ミシルの眉を吊り上げ大きな瞬きするのと同じように、ピダムは右の口角を持ち上げて小首をかしげるのだ。まさしく母子だ。

ピダム、ユシン、アルチョン、ポジョンピダム、ユシン、アルチョン、ポジョンそれぞれの目論見を背負った比才が始まった。(34話)何千、何万、いや何億万回と岩を打ち続けたユシン、花郎一の腕前と謳われるポジョン、すべてに非の打ち所のないエリートのアルチョン、もちろんピダムの強さも侮れない。4人は順当に勝ち進み、満身創痍の4人による準決勝は、ユシンvsアルチョン、ポジョンvsピダムと最悪の組み合わせになってしまった。何しろ、ユシンもアルチョンもバカがつくほどの正直者。アルチョンもまたユシンを勝たせたいものの、勝負に手抜きなどしない。事実、アルチョンの実直すぎる性格を知る部下が、ユシンと打ち合わせ、つまり手抜きすることを打ち合わせたかとやんわり訊き、こっぴどく叱られている。

さて、34話の後半部で見られる二つの対照的な戦いを、ドラマでとくとご覧いただきたい。ユシンとアルチョンの男と男の真剣勝負は、これぞ比才のお手本というほどの見事な勝負。かろうじてユシンが勝ったが喜んでばかりはいられない。ユシンはアルチョンとの戦いで死力を尽くしてしまい、今にも崩れ落ちそうだ。
一方、ポジョンとピダムの試合は、傷めた相手の足ばかりを攻めたり、危うくなれば砂をかけて目潰しをしようとしたり、とても風月主を選ぶ比才とはいえない。いよいよピダム不利となったとき、なんとピダムが片足を上げて鶴のように構えた。これを見たムンノが驚いた。これはムンノの秘技で、ピダムはムンノから教わらず盗み見ただけでこれ習得したのだ。ここで勝負があった、ポジョンが敗れた。決勝はユシンvsピダムとなった。
ところであの鶴のような構えどこかで見た気がする。そうだ、ブルース・リーやジャッキー・チェンがカンフー映画でやっていた「鶴の構え」と似ている。

ピダム、まじめにやれ!ピダム、まじめにやれ!話を戻して決勝戦だ。ユシンを勝たせるためピダムは八百長を仕掛ける。これに気づいたユシンは「まじめにやれ!」とピダムの耳元でささやくが、ピダムはお構いなし。ところが、これをチルスクが見破ってしまった。まったくピダムときたら…。

このため、立っているのもやっとのユシンは、チルスクから10回の攻撃を受ける羽目になってしまう。10回の攻撃を最後まで耐え続ければユシンの優勝が認められるのだが、ユシンにそんな気力も体力も残っていない。しかし、ユシンは不死身のチルスク相手に倒されても倒されても立ち上がった。筆者はユシンに“ジョー”を重ねた。「立て!立つんだ、ユシン!」、あの「あしたのジョー」だ。もちろんトンマンは白木葉子。「あしたのジョー」をご存じない方はロッキーとエイドリアンでどうぞ。

このユシンのがんばりに最初に心を打たれたのは、なんと宿敵ポジョンだった。ついには敵味方関係なく花郎全員がユシンを応援しだした。まあ、どれほど壮絶な戦いだったかは実際にドラマでご確認いただきたい。

ところで、「善徳女王」のアクションには、これまで観てきた他の作品と違ったものを感じる。
日本の時代劇にみる殺陣が直線なら、韓国のそれは曲線。これについては、[歴史を楽しむ]のコーナー韓国歴史ドラマにハマるツボ③で詳しく紹介したが、韓国のアクションはすべて曲線を意識し、着衣についても回ってきれいに見えるよう切り込みや襞(ひだ)が入っている。しかし「善徳女王」は、これに高さ、つまりジャンプも多用している。たとえば28話で、トンマン王女誕生の仕掛けの最中、ピダムがミシル一派に捕らわれる場面がある。あの場面で見せる“あやとり戦法”がその最たるもの。大勢の花郎たちがそれぞれ綱を手にもち、群舞のように場所を移動し、まるであやとりをするようにピダムを追い詰めるのだ。その間をスルリとすり抜け、ぴょんとジャンプでかわすピダムの瞬発力と飛躍力はダンサーのようで、殺陣というより芸術だ。上下左右、特に彼のアクションは俯瞰(ふかん)で撮ったカメラワークで見るのが一番美しい。
もちろん、ユシンだって負けちゃいない。26話で単身、復耶会に乗り込んだ時、敵が一列に並んで“エグザイル戦法”を見せる。円を描いて目くらましする敵を、落ち着いてくるりくるりと交わすユシンの殺陣は、確かな技術に裏づけされた頼れる強さだ。
そうか!「善徳女王」はアクションにまでそれそれの人物の個性を盛り込んでいるのだ。刀や弓矢を使い、または素手で前転・後転・側転・横転・回し蹴り・かかと落としなど、実に多彩だ。そういったところまで計算して演出をしているのか!このドラマハマる訳だ。

次はいよいよキム・チュンチュ(金春秋)が登場する。


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(c) MBC 2009 All Rights Reserved.
2009年MBC作品全62話
キャスト:イ・ヨウォン(トンマン)、コ・ヒョンジョン(ミシル)、パク・イェジョン(チョンミョン)、オム・テウン(ユシン)
演出:パク・ホンギュン、キム・グンホン/脚本:キム・ヨンヒョン、パク・サンヨン