フジ韓流αのリクエストスペシャルで一足先に最終回を終えた「華麗なる遺産」が、明日19日（日）午後7時からBSフジでも最終回を迎える。2倍楽しむでは、先週、最終回のあらすじと見どころを紹介したが、今回も引き続き本作の見どころや魅力について紹介。

「華麗なる遺産」のレビューによく使われる言葉に「誰もがあこがれるシンデレラストーリー」がある。2倍シリーズでも使ったこの“シンデレラ○○○”のフレーズ、韓国ドラマにはとても多い。“シンデレラ”の言葉の中には、「めぐり合った男性（または女性）によって、これまでの生活から一変してゴージャスで幸福な生活を手にする」といった意味が込められている。
しかし、「華麗なる遺産」のウンソンが手にしたものはそうした華美な生活ではなく、本来の生活を取り戻したに過ぎない。それはファン一家にも言えることで、スンミも、ジュンセ一家においても同様だ。本作は、それぞれ何らかの事情で壊れてしまった家族を、壊れる前の状態にまで戻した“家族再生の物語”なのだ。

ことにヒロインのウンソンに関しては、スクチャの援助を受けはしたが、基本的には様々な苦難に対して彼女自身が考え、悩み、自分で解決している。“他力本願”的な展開が多いメロドラマに“自力本願”を堂々とやってのけたヒロインに、視聴者は大いに感動した。そんな“家族再生＋自力本願”とくれば、お役所が推奨する堅苦しいドラマになりがちだが、そこをフレッシュな4人の主役陣が演じたことで、さわやかな風が吹き抜ける清涼感あふれるドラマに仕上げている。

感動するドラマでも、「後味の良いドラマ」と「後味の悪いドラマ」とがある。本作は誰が見ても間違いなく「後味の良いドラマ」にあげられるだろう。
「ドラマを見て故郷の家族に会いたくなった」「弟（妹）に優しくしてあげたくなった」「仕事をバリバリやりたくなった」「バスに乗りたくなった」…。本作を視聴した韓流仲間からのコメントだ。最後の「バスに乗りたくなった」というのは、筆者の感想。

韓国で移動手段のメインは今もバスだ。バスにまつわる名シーンといえば「冬のソナタ」が有名だが、「華麗なる遺産」も負けていない。
ウンソンが初めてファンにときめいた15話のバスのシーンも良かったし、帰りの遅いウンソンをファンが待った19話のシーン、最終回の危うくすれ違いになりかけたバスのシーン、これだけバスを効果的に使ったドラマ、筆者は何百本と韓ドラを見てきたが、まだ他にお目にかかったことがない。他にもピョンジュンがバスの中のウンソンを見かけたシーン、そしてぜひともチェックしてほしいのが、最終回にスンミがファンに「一度やってみたかったことに付き合ってくれる？」といって二人でバスに乗るシーンだ。

最後部座席に並んで座るスンミとファン。ケイウィルの歌う「愛は罰」が流れるなか無言の二人。どれだけの時間二人でそうしていたのだろう。減っていく乗客の数に時の流れを感じる。スンミが謝罪の言葉を口にし、ファンを見送る。全28話でスンミが一番美しく見えた瞬間だ。同時にファンによってシンデレラの生活を夢見たスンミが、自分の足で歩こうと決心した瞬間でもある。ここからがスンミの本当の人生が始まる。もっとも、この後、母ソンヒとの二人暮しの場面で、ソンヒの疲れきった表情が気になる。ふっきれ感がどうにも見えてこないのだ。「また何やらとんでもないことをやらかすのでは？」といらぬおせっかいをした筆者だった。

家族再生の物語と言うことで、「華麗なる遺産」を2倍楽しむ♪の締めくくりに、韓国での家族の呼び方を紹介したい。
渡米するウンソンを心配して、ファンが必死にウヌを抱え込む。既に最終回を視聴された方は、そこでファンがウヌをチョナンと呼んだのを覚えておいでだろうか？配偶者の親族の呼び名の図を見よう。ウェディングケーキの上に“チョ＝妻”とあり、その左が妻の家族の呼び名だ。夫が、妻の兄や弟のことを「チョナム」と呼ぶ。韓国では、親族の呼び名がやたらと細かい。韓ドラここが知りたい-文化に親しむのコーナーで詳しく紹介しているので参考にされたい。


6月から始まった「華麗なる遺産」を2倍楽しむ♪、半年間お付き合いありがとうございました。2倍シリーズでは、他にもたくさんのドラマを紹介しています。どうぞあわせてお楽しみください。
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