NHKスペシャル、原爆投下直後に降った“黒い雨”被爆者調査の真相に迫る!予告動画と見逃し配信情報

2012年08月06日10時01分社会

1945年8月6日午前8時15分、広島市上空で世界初の原子爆弾が投下され、多くの貴重な命が奪われた…67年後の今夜8時からNHKスペシャルでは、原子爆弾投下後に降った放射能を含む“黒い雨”の被害の実像に迫る「黒い雨~活(い)かされなかった被爆者調査~」を放送!番組サイトでは予告動画を公開している。この番組は、7日(火)210円でNHKオンデマンドで見逃し配信される。

去年2011年の暮れ、被爆に関する「あるデータ」が突然公表された。原爆投下直後に降った放射性物質を含む雨“黒い雨”に、1万3千人もの人が遭ったことを示す分布地図だ。
黒い雨とは、原子爆弾投下後に降る、原子爆弾炸裂時の泥やほこり、すすなどを含んだ重油のような粘り気のある大粒の雨のこと。放射性降下物(フォールアウト)の一種だ。
この黒い雨は、広島市では、主に北西部(下記参照)を中心に大雨となって激しく降り注いだ。広島に投下された3日後に原爆が投下された長崎でも降った。
この黒い雨は強い放射能を帯び、この雨に直接打たれた者は、二次的な被爆を受けた。これが原因で、頭髪の脱毛や、歯ぐきからの大量の出血、血便、急性白血病による大量の吐血などの急性放射線障害をきたした。当時、直接被ばくを受けた人々は、この雨が有害なものと知らず、喉の渇きから口にするものも多かったという。この雨は、川にも流れ込み、河川や井戸水は汚染され、川魚は死んで浮き上がり、汚染された水を口にしたものは下痢を起こしたりしたという。

この黒い雨にどこでどれくらいの人が遭ったかという「公式データ」はないとされてきた。ところが、昨年末の長崎の医師の問い合わせをきっかけに明らかになった。この突然の発表に、広島・長崎は衝撃を受けたのはもちろん、なぜこうした“命の記録”ともいう大切なデータが存在しないとされてきたのか?そして67年たった今、なぜそれが明らかになったのか?そこには、国際政治の思惑が見え隠れする。
データは、放射線の人体への影響を科学的に明らかにするためにアメリカの研究機関ABCCが集め、研究を引き継いだ放射線影響研究所(放影研)が保管していたものだった。多くの被爆者の協力のもと集められた“命の記録”だった。
NHKスペシャルは、被爆者追跡調査の歴史を丹念に追いながら、その実像に迫っていく。
「黒い雨~活(い)かされなかった被爆者調査~」は、6日(月)夜8時からNHKにて放送。番組サイトには予告動画が公開されている。この番組は、7日(火)210円でNHKオンデマンドで見逃し配信する。

NHKスペシャル「黒い雨~活(い)かされなかった被爆者調査~」番組サイト