義父(近藤正臣)の死とあさ(波瑠)の決意!NHK朝ドラ「あさが来た」第12週見逃し配信と詳細あらすじ

2015年12月19日14時39分ドラマ

九州の炭坑を爆発させ落盤事故を起こした犯人はやはりサトシ(長塚圭史)だった!炭坑の後処理と松造としてサトシの登場、加野屋の大黒柱・正吉(近藤正臣)の死などが感動的に描いた第12週は、あさ(波瑠)が女実業家としての自覚と覚悟も決めた週でもあった!12月14日(月)~19日(土)「大阪一のおとうさま」を見逃した方のために詳しいあらすじを紹介、NHKオンデマンドおよびGYAO!ストアで見逃し配信もしている。

あさ千代をおんぶして母親ぶりも見せてくれたあさ(波瑠)だが、五代(ディーン・フジオカ)から教えられた商売の心得でまた女性実業家としての階段を一段上った。五代はビジネスに関わる多くのことをあさに教えてきたが、女性としてのあさへの想いも断ち切れていない様子。新次郎(玉木宏)と向き合って話すシーンでは、五代の下心(?)を新次郎に見抜かれる一幕もあった。
あさの師として描かれている五代だが、小説「小説 土佐堀川」で描かれる五代とヒロインの関係は大きく違う。確かに五代はヒロインを励ますが、二人が親しく会話を交わしたのは、炭鉱事故の後。ヒロインが三十半ばで五代はその一回り以上年上。実際の五代も大阪実業界に君臨する大立者で、東の渋沢栄一、西の五代と言われた。渡欧の経験もあり、英語も達者なのもドラマと同じだが、小説ではファッションにはまったく無頓着な武骨者として描かれ、もちろんヒロインとのロマンスもない。ただし、事業家としてヒロインの手腕を高く評価していたのはドラマと同じ。
ドラマでは、五代の片想いをうまく成立させているが、朝ドラマのメイン視聴者の女性を意識してだろうが、他にも亀助のふゆへのアピールや、雁助とうめの大人の恋の予感、ますます仲睦まじい新次郎とあさ、そして第12週一番の見どころだった正吉とよの(風吹ジュン)の最高のおしどり夫婦ぶりも丁寧に描かれた。正吉臨終…愛妻に膝枕されて夫婦で交わした穏やかな最期の会話に、理想の夫婦像をみた視聴者も多かったのでは?筆者も大いに涙活させてもらった。

他にも西南戦争や紙幣の変更、土曜の半休や日曜の休日を推奨した新暦などで明治10年ごろの文明開化の時代をさりげなく教えてくれた。

■第12週「大阪一のおとうさま」詳細あらすじ
義父・正吉の看病と娘・千代の世話に明け暮れるあさ。久々に立ち寄った大阪の寄合所で五代と会ったあさは、爆薬を仕掛けた犯人を知っているのでは訊ねられるが、犯人捜しをしないと答えた。それがあさのいいところだと認めながらも、人の上に立つ者は、偽善者ではいけないと五代に諭された。
そんな五代は、文明開化に活気づく大阪商人のトップに立ちながらも、友であり内務卿・大久保利通を思い胸を痛めていた。明治政府を倒そうとする薩摩の西郷隆盛との間で西南戦争が起こり、大久保利通は郷里の薩摩と戦わざる得ない状況になっていた。

亀助が九州から帰ってきて、雁助がサトシを松造と呼んだこと、その後サトシが姿を消したこと、復興作業が想像以上に大変という報告をした。義弟で当主の榮三郎(桐山照史)はこれを機会に炭鉱を手放し両替商として一からやり直すべきと言い、あさは、元の鉱山主・櫛田に鉱山を宝の山にすると約束したと、真っ向から反対し、意見が対立。
実は、正吉は、新次郎から炭坑に松造らしい人物がいると相談を受けており、これも雁助に頼んでいた。その後、改めて雁助からの報告が来た。手紙には、サトシが松造で爆薬を仕掛けたのもサトシの手下。炭坑の復興に専念するために、サトシのことは警察に任せたい。だが、治郎作(山崎銀之丞)は、サトシを許してやってほしいといっていると。そして、詳細な修復費用と工程の見積もりも添えられていた。

あさ新次郎はあさに、炭坑を訪れた時に、サトシが幼馴染の松造だと気付いたことを打ち明けた。かつて話した、加野屋を恨んで大阪を出て行った幼馴染が松造で、松造が「正吉は、金の亡者の人殺しだ」と罵り、新次郎と取っ組み合いのけんかをし、その翌日、松造は母と共に大阪から姿を消したと。もっと早くにあさに話しておけば、事故は防げたかもしれない。事故は自分のせいだと、新次郎は涙をながしてあさに謝った。そんな新次郎をあさは優しく抱きしめた。
その頃、正吉もまた榮三郎に松造の話をし、新次郎の心の傷をいやせるのはあさだけだと思って、襲名披露にあさを並ばせたと打ち明けた。そして、どうか、あさを目の上のたん瘤と思わず、3人で力を合わせて加野屋を守ってくれと頼んだ。

そんな折、不審な男が加野屋をにらみつけているとふゆが報告。サトシの可能性も視野に入れ、サトシを爆破犯人として警察に通報してはという意見が出たが、新次郎が自分に任せてほしいと言い出した。

夜、新次郎が男と連れだって歩く姿を目撃したあさは夫を尾行。新次郎は松造と会っていた。尾行を気付かれあさも同席。新次郎は松造に3つの質問をした。
一つ目の質問に、母親もやっと見つけた父親もすでに他界し、その後困窮した生活を送っていたと答えた松造。
二つ目は炭坑の爆発について。松造は、犯人は自分だといい、その動機を加野屋に炭坑から手を引かせるためと答えた。
新次郎の三つ目の質問は、これからどうするつもりかというもの。加野屋に火をつけるつもりだったが、正吉が臨終と訊いて辞めたと答えた松造に、すべては松造一家を助けられなかった自分のせいだと新次郎が謝罪。今なら助けてやれると、金を渡そうとした夫の手をあさが止めた。

あさは松造に、落盤事故が危険だということは誰より知っているはず。この事故は加野屋を苦しめるだけでなく、炭坑で働く仲間を危険にさらし苦しめた。納屋頭として罪を償え、と厳しく詰め寄った。止める新次郎に、あさは、自分は炭坑や坑夫たちを守る立場。偽善者ではいられないと言い切った。それを聞いた松造は、新次郎を相変わらず人が好過ぎるといい、あさに深々と頭を下げ、正吉に会わせてほしいと頼んだ。
あさ翌日、加野屋にやってきた松造に、当時一家を助けられなかったことを正吉は涙で謝罪。そして、松造の父のゆかりの品を用意し、再会できたことを喜んだ。涙にくれる松造を新次郎は黙って抱きしめた。その後、松造は新次郎に伴われて警察に出頭した。

再会の目途が立たない炭坑を手放すことを考えていた榮三郎だったが、あさの熱意と、雁助の詳細な見積もりから、何とかなるかもと考え直し炭鉱事業の継続が決定した。ひとまず銀行事業は見送り、炭坑の再開を最優先することに意見が一致した。
妻と弟の和解にほっとした新次郎は、正吉の枕元で、大変な時こそ人を頼らず、自分の足で歩くべきと、あさに教わったといい、これからはあさの手伝いでもしようかと思うといって、正吉を喜ばせた。

正吉の最期の時。家族が集まり、初孫・千代を目を細めて見つめた正吉はあさに、「男の子ばかりであさが嫁いできてくれて家が明るくなった。家のことをよろしく頼みます」と言葉をかけた。最期の時を愛妻と静かに過ごしたいという正吉は、よのの膝枕で神様に加野屋と家族、そして愛する妻・よのの今後を頼みながら静かに息を引き取った。
加野屋のひとつの時代が終わった。正吉の死は、うめの手紙で九州の雁助の元にも知らされた。

葬儀が終わり、東京に行っていた五代が加野屋を訪れた。正吉の死を悼む五代に礼をいう新次郎は、あさの名前を出さない五代をからかうように、あさが元気に仕事に取り組んでいると教えた。そんなあさは1才の千代を連れて炭坑に行くといい出し、よのや新次郎から大叱責された。この叱責で、女の身で商売をすることの大変さを改めて痛感したあさは、かつて櫛田が語った「女性の社会進出」の意味にやっと気づいた。
誰のためでもなく商売が好きだと自覚したあさは、女を口実にしてはいけない。ピストルを持って男のまねをするのではなく、女の商いを作りたいと、新たな夢を持った。そして、あさの商才を高く評価し、加野屋の一員として働くことを許してくれた亡き義父・正吉に感謝した。

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■キャスト( )は原作役名⇒相関図(NHK)
今井あさ役(浅子):波瑠/鈴木梨央
姉・はつ(春):宮﨑あおい/守殿愛生
白岡新次郎(広岡新五郎)役:玉木宏
眉山惣兵衛(大眉五兵衛)役:柄本佑
五大友厚(五大友厚)役:ディーン・フジオカ
うめ役:友近
ふゆ役:清原果耶

■放送予定
平成27年9月28日(月)~平成28年4月2日(土) <全156回>

■原作
「小説 土佐堀川」


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