西島秀俊×香川照之「ダブルフェイス」（TBS×WOWOW）、レオナルド・ディカプリオ『ディパーテッド』のオリジナル、香港を代表する2代俳優アンディ・ラウ×トニー・レオン主演！2人の男たちの闇と光そして無間地獄に陥る究極の心理サスペンス！『インファナル・アフェア』シリーズ3部作Huluにて配信中。

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2002年公開『インファナル・アフェア』は、香港映画の歴史上、重要なターニングポイントとなった作品である。それまでの香港映画といえば、古くはブルース・リー、70年代後半から80年代はジャッキー・チェン、ユン・ピョウ、サモハン・キンポウが活躍したカンフー映画。90年代に入るとチョウ・ユンファが活躍した仁義モノ（マフィア）が大流行した。90年代までは日本でも香港映画の市場はあり、劇場公開されるものも多かったが、徐々に劇場公開される作品は少なくなり、ある特定の俳優、特定の監督作品のみしか公開されなくなってしまった。

『インファナル・アフェア』はそれまでの香港映画のイメージを大きく変えるほどのインパクトあるストーリーで、すぐさまハリウッドでのリメイクが決定した。そして公開されたのが、マーティン・スコセッシ監督、レオナルド・ディカプリオ主演『ディパーテッド』（2006）だった。日本でも、TBS×WOWOW協同製作、西島秀俊×香川照之W主演「ダブルフェイス」（2012）として放送され話題となった。

もともとは2002年に公開されたシリーズ1作目のみだったのだが、これが空前の大ヒットとなり、続編製作が決定し『インファナル・アフェアⅡ無間序曲』（2003）、『インファナル・アフェアⅢ終極無間』（2003）の3部作となった。

この物語は、マフィアの若頭として潜入捜査している刑事ヤン（トニー・レオン）と、マフィアという身分を隠して警察官になり出世街道を突き進むラウ（アンディ・ラウ）が繰り広げるハラハラドキドキの心理サスペンス。ヤンとラウ、互いのその存在の影がチラつくのだが、確証が得られないまま偽りの人生を歩む。警察とマフィアの抗争とともに、自分の本当の素性がバレたら即殺されるという緊張感を常に強いられ、精神的にもギリギリまで追い込まれるヤンとラウの苦悩、その心理描写が丁寧に描かれている。

原題（広東語）では「無間道」、これは仏教の教えに出てくる「無間地獄」のこと。八つある地獄の中で一番恐ろしいところとされ、無間、つまり絶え間なく苦痛が押し寄せることを意味する。ヤンにとって、ラウにとって、それぞれが進まざるを得ない道は「無間地獄」だったのだ。

ディカプリオの演技が絶賛された『ディパーテッド』は、第79回アカデミー賞で作品賞、監督賞、脚色賞、編集賞を受賞したのだが、ストーリーとしては、ディカプリオ扮するビリーが身分を隠してマフィアに潜入捜査する、その苦悩が描かれている。しかし、仏教の教え「無間地獄」に関しては一切触れられていない。『インファナル・アフェア』の最重要テーマである「無間地獄」をスルーしたままリメイクし、オスカーを受賞しているのは、オリジナルのファンとしては解せないものがある。これは仏教が根付くアジア文化と、根付いていない欧米文化の差なのかもしれない。

ちなみにシリーズ1作目、エンディングで流れるのはトニー・レオンとアンディ・ラウのデュエット曲「無間道」。絶え間なく続く無間地獄の道程は苦しい…という重々しい歌詞。歌詞の内容もさることながら、この歌を主演の2人に歌わせてしまうところが、実に香港映画らしくてよいのである。

■『インファナル・アフェア』あらすじ
警察官の身分を隠し、マフィアの若頭として長年潜入捜査を続けているヤン（トニー・レオン）は、緊張を強いられる生活を何年も続け、精神的、肉体的にも限界に達していた。上司であるウォン警視（アンソニー・ウォン）に一刻も早く潜入捜査を辞めたいと願い出るのだが、マフィア撲滅を目前としている最中、それは許されなかった。
一方、幼いころからマフィアとして育てられたヤン（アンディ・ラウ）は、警察内部情報をマフィアに横流しするために、身分を隠して警察官になる。順調に出世街道を歩みつつ、捜査情報をマフィアのボスに流す日々。ラウもまた、いつ、自分の正体がバレるかと、緊張を強いられる生活をしていた。
警察、マフィア、それぞれ内部に内通者がいるらしいと気づくのだが…。

■『インファナル・アフェアⅡ無間序曲』あらすじ
第1作目からさかのぼること11年前。若きヤン（ショーン・ユー）は警察学校で学んでいたが、上司からある命令を下され、警察学校を後にする。ヤンに課せられた使命とは、マフィアのボス・サム（エリック・ツァン）の部下になって働くようになるのだが…。奇しくも、ヤンと同時期に警察学校に入っていたラウ（エディソン・チャン）は、幼いころからマフィアに育てられていたのだが、警察内部情報を得るために、警察官にるようボスから命じられていた。

■『インファナル・アフェアⅢ終極無間』あらすじ
潜入捜査官ヤン（トニー・レオン）の殉職から10カ月後。ラウ（アンディ・ラウ）はヤン殺害の疑いをかけられたがなんとか疑いが晴れ、元の部署に復職することができた。ラウはマフィアと手を切り、警察官として生きて行く道を選ぼうとするのだが、新たに配属された保安部のヨン（レオン・ライ）が立ちはだかる。ラウはヨンが潜入マフィアではないかと疑う。ラウはヨンとサム（エリック・ツァン）の会話の録音テープを入手するのだが…。

【インファナル・アフェア】3部作
監督：アンドリュー・ラウ、アラン・マック
脚本：アラン・マック、フェリックス・チョン
出演：トニー・レオン、アンディ・ラウ、アンソニー・ウォン、エリック・ツァン、レオン・ライほか。
『インファナル・アフェア』3部作DVD&Blu-rayはポニーキャニオンより絶賛発売中。

香港フィルムノワールの金字塔『インファナル・アフェア』3部作はHuluで配信中。監督：アンドリュー・ラウ、アラン・マック、脚本：アラン・マック、フェリックス・チョン、出演：トニー・レオン、アンディ・ラウ、アンソニー・ウォン、エリック・ツァン、レオン・ライほか。予告動画はYouTubeでも視聴できる。

◇映画『インファナル・アフェア』予告動画（YouTube）
◇映画『インファナル・アフェアⅡ無間序曲』予告動画（YouTube）
◇映画『インファナル・アフェアⅢ終極無間』予告動画（YouTube）
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