「華政」清の人質時代が2王子の命運を分けた!悲劇の昭顕世子に向けた仁祖の怒り!予告動画

2016年08月24日21時00分ドラマ

BSフジで放送中の「華政」は、最終回に向けて大きな山場!三田渡での父王・仁祖(キム・ジェウォン)が受けた屈辱を前に、清への報復を胸に昭顕世子(ペク・ソンヒョン)と鳳林大君(イ・ミノ/イ・ミンホ)たちは清に捕らわれの身となったしまった…今回は、劇中詳しく描かれなかった2人の王子の人質時代について考えてみよう!ドラマの予告動画は公式サイトで視聴できる。

【「華政」を2倍楽しむ】には、朝鮮王朝中期の時代背景や、貞明公主、第15代王・光海君、第16代王・仁祖ら実在の人物の紹介と出来事、各話のあらすじと見どころなどをまとめて紹介しているので参考にどうぞ。

※以下、ドラマのネタバレではなく、正史をドラマに沿わせたコラムです。気になる方はドラマを最終回まで視聴された後にご覧ください。

■清に人質となった王子たち
1637年、清は丙子胡乱を終わらせる条件のひとつとして、昭顕世子(ソヒョンセジャ)、鳳林大君(ポンニムデグン)、麟坪大君(インピョンデグン)たちを人質として清に連行した。三男の麟坪大君は1年で帰国できたが、長男と次男の2人の王子は、なんと8年間も清の都・瀋陽で人質生活を送った。ところが2人の暮らしぶりはまったく違った。
※“丙子胡乱”についてはコチラで詳しく紹介⇒屈辱の王・仁祖と朝鮮王朝中期を考える!

華政■清に融和的な昭顕世子と反清主義者の鳳林大君
長男の昭顕世子は当時、清に輸入されていた西洋の文物に興味を持ち、西洋人たちとも交流し、新たな文明を吸収していた。特に、ドイツ人神父のアダム・シャールと出会ってカトリック教を知り、西学(西洋の学問や科学文明)に目覚めた。同時に朝鮮の天文学などの遅れを痛感した。
一方、次男の鳳林大君も同じく西学に触れたが、昭顕世子のように心をひかれることなく、清に対しては強い敵意を抱き、徹底的な反清主義となってしまった。
こうした二人の清での生活は朝鮮の朝廷にも伝わった。

■仁祖の逆鱗に触れた昭顕世子
清は明を滅ぼし、1645年、2人の王子はやっと朝鮮に帰国することができた。だが、朝鮮の朝廷は、清を排斥して明の復讐を行おうとしていた。そんな中、清に融和的な姿勢の昭顕世子の帰国は歓迎されるものではなかった。加えて、仁祖に徹底的な反清主義の烙印を押している清は、朝鮮との論議で昭顕世子を相手に交渉することを望んだ。
華政「華政」にも登場する金自点(キム・ジャジョム)は、世子が帰国すれば、譲位しなければならないと仁祖の不安をあおり、仁祖の昭顕世子に向けた信望は薄れていく。
「花たちの戦い」第9話あたりで、昭顕世子に倣って清で慈善活動などを行う世子嬪をも快く思わない仁祖の様子が、帰国した世子夫妻と会おうとしない仁祖の頑なな様子は第16話あたりで描かれている。
また、仁祖の清への恐怖や不安から狂気に陥る様子は、フィクション時代劇だが、治世の王を仁祖をモデルとしているイ・ジュンギ主演「イルジメ-一枝梅」でも描かれている。狂気の仁祖役を演じたのはキム・チャンワン。キム・チャンワンは「華政」で貞明公主の要請で朝廷に戻ったイ・ウォニク役を演じている。

■昭顕世子の不自然な死
世子は帰国後、清の内部事情や西学について仁祖に詳しく報告するが、これがますます仁祖を不安にさせた。そうした事情を知らない世子は清から持ち帰った書物や機械を見せ、仁祖はこの世子の態度に激怒し、世子への嫌悪感を募らせてしまう。
こうした心労がたたったのか、世子は床に伏し、帰国後わずか2ヶ月で病死。この時、世子の病を診たのは、仁祖の主治医・李馨益(イ・ヒョンイク)。「華政」56話でヨジョンの命令で仁祖の診察をした医官だ。ところが、世子は治療わずか3日で死に至った。後に、当時の名臣で学者だった李植(イ・シク)は、世子の病死を訝しがり、世子の墓碑に医員の誤診のためと記録している。また、慣例を破って昭顕世子の長男・石鐵(ソクチョル)に王位を継がせるのでなく、次男の鳳林大君を世子にし、昭顕世子の周辺勢力たちを全員配流、ついには世子嬪・姜氏まで幽閉、賜薬を下したことなどから、昭顕世子の死は仁祖による毒殺とされた可能性が高いと言われている。賜死から72年後の1718年、粛宗の時代になってようやく、“愍懐”の称号を与えられて身分を回復する。

華政■悲劇の世子は愛されキャラ?
ドラマでは、昭顕世子を王としての資質のある“王材”として描かれることが多く、CNBLUEのジョン・ヨンファが初めて時代劇に挑戦した「三銃士」(2016.9.4よりNHKBSプレミアムにて放送)の第1話冒頭で、「昭顕世子が王になっていたら…」という台詞がある。
また、世子の不審死は、ドラマでは仁祖あるいは、世子の反対勢力による暗殺として描かれることが多い。「推奴‐チュノ-」で、「イニョプの道」のオ・ジホが演じたテハは、そんな世子の遺志を継いである使命に命を賭ける。「華政」56話で世子と協力した清のヨンゴルテが、「推奴」の終盤では、世子を偲び、世子の遺志を継いだテハと男の友情で魅せてくれる。
また、「馬医」第1話も世子の暗殺から始まり、チョ・スンウが扮する主人公ペク・クァンヒョンの人生を狂わせる要因を作ることになる。

さあ、こんな愛されキャラの最期を「華政」ではどう描くのか、最終回まで目が離せない。次回は、鳳林大君、後の第17代王となる孝宗について紹介しよう。

kandoratop【作品詳細】【「華政」を2倍楽しむ】

BSフジ「華政」番組公式サイト
 2016.05.26スタート 月~金14:59-15:59 無料BS初放送
「華政[ファジョン]」DVD公式サイト
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