【韓ドラコラム】「大祚榮 テジョヨン」時代背景:渤海は統一新羅時代に実在したもう一つの大国!

2017年12月14日20時58分ドラマ
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チェ・スジョン主演の韓国ドラマ「大祚榮(テジョヨン)」は、渤海を建国した王テ・ジョヨンが数々の試練に打ち勝って渤海を建国するまでを描いた韓国時代劇!韓国KBS番組サイトで予告動画が視聴できる。

【作品詳細】【「大祚榮(テジョヨン)」を2倍楽しむ】

※以下の年表や地図は【韓流コーナー】より参照。たくさんの図表を開きますので、不要になったら閉じてください。

■統一新羅(676-918)/新羅(前57-935)
7世紀半ばに唐と連合した新羅が百済と高句麗を滅ぼした(【先代~近世までの韓国歴史年表】参照)。しかし、唐は新羅を併合して朝鮮半島を支配下に置こうとしていた。新羅は唐との激しい戦いを繰り広げ、676年ついに唐を追い出し半島を統一。新羅自体は紀元前57年から続くが、高句麗、百済としのぎを削った新羅と区別するために、統一新羅時代と呼ぶ。
年代別の地図で確認してみよう⇒【韓半島の地図一覧】(それぞれの地図をクリックで拡大)
新羅が半島を統一したとはいえ、朝鮮半島北部(旧高句麗領)は、唐の支配下に置かれた。

■渤海(ぼっかい、698年-926年)
7世紀末、唐の支配下に置かれていた朝鮮半島北部(旧高句麗領)では、契丹族の反乱が起きて、この地域での唐の勢力が弱まってきた。この機に、大祚榮(テ・ジョヨン)が高句麗の遺民を率いて東牟山(トンモサン)に新たな国“渤海”を建てた。渤海は周辺国との交易などで発展し、9世紀には満洲から朝鮮半島北部、現ロシアの沿海地方まで広大な領土の大国として繁栄し、「海東の盛国」とも呼ばれた。
しかし、徐々に衰退し、第15代・大諲譔(だいいんせん)の治世、926年、契丹(遼)の圧力を受け200年続いた国は契丹(遼)の属国となった。
「輝くか、狂うか」で、高麗のワン・ソ王子(チャン・ヒョク扮)と恋におちる亡国の王女シンユル/男装のケボン(オ・ヨソン扮)こそがこの渤海の最後の王女。架空の人物。
ちなみに、同じ時代を舞台にした「麗<レイ>~花萌ゆる8人の皇子~」に登場する高麗のワン・ウク/ペガ(ナム・ジュヒョク扮)と恋におちる亡国の王女ウヒ(ソヒョン扮/少女時代)は後百済の王女。

■新羅は本当に半島を統一したのか?
統一新羅と渤海はほぼ重なって存在しており、7世紀~10世紀にかけての半島は南北に二つの大国あった。しかし、渤海が朝鮮の王朝なのか、中国の一地方なのか、民族的な帰属があいまいで、これまで一般的にはこの時代を統一新羅と言われてきた。
ところが、近年渤海の見直しが進み、この時代を“南北国時代”とも呼ばれるようになってきている。ナビコンでもまた高麗の遺民が建国したということで、【ドラマの年表:統一新羅~高麗時代】の年表のタイトルを“南北国”と記している。

渤海については残された歴史資料も少ない。気軽に手に入れられる歴史書などでも関連国として描かれることはあるが、渤海について詳しく解説しているものは少ない。「大祚榮 テジョヨン」は、2006年と少々古い作品ながら、少ない史実にフィクションをうまく絡めて、渤海という未知の国を知るためにはぜひおすすめしたい一作だ。各話のあらすじは【「大祚榮(テジョヨン)」を2倍楽しむ】で紹介している。

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