「仮面の王 イ・ソン」時代背景:世子のモデル、水事情と辺首会は?ドラマが伝えたいこととは…

2018年03月27日08時00分ドラマ

ユ・スンホ×キム・ソヒョン×キム・ミョンス(エル/INFNITE)出演韓国時代劇「仮面の王 イ・ソン」(原題:君主・仮面の主人)は、1700年代の朝鮮王朝が舞台!朝鮮全土の水を私有し、朝鮮を支配しようとする秘密結社・辺首会(ピョンスかい)と世子とが繰り広げる“水の戦争”を愛と友情とアクションたっぷりに描く!今回は、当時の時代背景や辺首会、そしてモデルになった世子などについて考えてみた!番組公式サイトで予告動画が公開されている。

★3月26日の放送記念取材会のレポートはコチラ⇒ユ・スンホ、キム・ソヒョン、キム・ミョンス(エル) NHK取材会再現レポート

※以下、たくさんの図表を開いて説明するので、確認したら閉じてくださいね。

■「仮面の王」どんな時代?
【朝鮮王朝系図】を開いてみよう。1700年代といえば第20代王・景宗、21代王・英祖、22代王・正祖の治世。この時代は、老論と小論という二大党派が熾烈な争いで政権を奪い合った時代。詳しくは【党派の歴史】で確認できる。
当時を舞台にした「テバク~運命の瞬間(とき)~」「秘密の扉」「イ・サン」などを視聴された方は、その時代をイメージするといいだろう。
※他の作品は【ドラマの年表:朝鮮王朝時代】で確認できる。

仮面■世子イ・ソンのモデルは?
残念ながら主人公は架空の人物!
しかし、1700年代に李愃(イ・ソン)という世子がいる。(ドラマ「イ・サン」の冒頭話で父王・英祖に米櫃に閉じ込められて餓死した思悼世子(サドセジャ)だ。
ノ・ドチョルプロデューサーも、その名前のために、劇中の世子が思悼世子という説があったとインタビューで語っている。※ドラマでは「煊」(火偏に宣)。
もっとも、劇中には米櫃も出てこなければ、父王と世子との確執もない。むしろ父王は、世子のために、一度は手を組んだ秘密結社・辺首会に背を向ける。この父王も歴史に残る英祖とは全く違う最期を迎えている。
ちなみに李愃の生母はドラマと同じく映嬪(ヨンビン)という名前。“嬪”は後宮の身分を表す呼称で、後宮の中で最高位。詳しくは朝鮮王朝豆知識「◆宮女の身分(内命婦)」参照。
※思悼世子についてはコチラで詳しく紹介。

■朝鮮時代の水事情
韓国の時代劇にはよく雨ごいの儀式が登場するが、今も昔も水不足は深刻な問題。特に、当時は“王様=太陽”と考えられており、干ばつが続くのは王の不徳のためだといわれただけに事態は深刻だ。
当時の水源は、今では観光名所になっている清渓川(チョンゲチョン)。市内を流れる清渓川には、乾期にも水が枯れない泉が数か所あり、それぞれに朝鮮時代の貴族階級である両班(ヤンバン)や金持ちがお金を払って私有化したという実話があるそうだ。
質の悪い私有者が、ドラマのように水の値段を吊り上げただろうということは想像に難くない。

ピョンスカイ「都邊首・李承業の旧屋」ソウルnaviより■辺首会は怖い秘密結社?
朝鮮時代には大工の頭を“都辺首(トピョンス)”といい、その集まりを“辺首会(ピョンスフェ)”と呼んだ。
朝鮮時代にタイムスリップできる観光地「南山コル韓屋マウル」には、李承業という都辺首が1860年に建てた建物「都邊首・李承業の旧屋」がある。
というわけで、辺首会は、別に秘密結社でも悪の組織でもない。

しかし、実際に辺首会が朝鮮時代に権力を行使したという説もあり、「仮面の王」は、“辺首会”が資金源として“水事情”を利用したとして物語を創っている。

■ドラマが伝えたかった事
物語は主人公の世子と辺首会との“水の戦争”だが、これを通して視聴者に「今、あなたにとって最高の価値は何ですか?」と問いかけている。そして「お金が最高の価値となると世の中はどうなるのか?」と問題提起している。
仮面を外して外の世界にでた世子が、貧しく苦しむ人々、愛する女性、そして信じる友を救うために命懸けで戦う姿を通して「住みやすい世の中をつくるということは愛を作るということ。傷つくことを恐れずに、愛があふれる方に一歩ずつ進もう!」と伝えている。
結局は…愛なんだと‼
(参考:韓国番組公式サイト)

見どころ満載のドラマ「仮面の王 イ・ソン」は、4月15日から放送。8日には直前スペシャルもあるのでお見逃しなく!

NHKBSプレミアム「仮面の王 イ・ソン」番組公式サイト
 2018.04.15スタート 日21:00-  
 2018.04.08直前スペシャル放送
Youtube「君主~仮面の主人~」(原題)予告動画

kandoratop【作品詳細】【「仮面の王 イ・ソン」を2倍楽しむ】