イ・ミンホ×チョン・ジヒョン「青い海の伝説」最終回考:気になる結末とドラマが描きたかったものは…

2018年04月18日09時05分ドラマ
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イ・ミンホとチョン・ジヒョン主演のファンタジー・ロマンス「青い海の伝説」は、数百年の時を経たジュンジェとシムチョンが、何度も命の危機に瀕しながらも二人の変わらぬ愛で新しいハッピーエンドの人魚伝説を作った!気になる最終回のネタバレと、筆者の感想と一緒にドラマが描きたかったものを考えてみたい!ドラマの予告動画は番組公式サイトで公開している。

※各話のあらすじと見どころ、カメオ、ロケ地情報などは【「青い海の伝説」を2倍楽しむ】で紹介している。ここでは最終回各話のあらすじでご紹介しなかったネタバレ、視聴後心に強く残った感想などをまとめてご紹介。

※以下、ネタバレご注意!
■最終回の結末
光の噴水の前で心細げにしゃがんでいたシムチョンに、ジュンジェはスペインの時のように傘を差しかけ手を差し伸べた。

ジュンジェはシムチョンを忘れていなかった。シムチョンがいなくなる前から、彼女と出会ってからのすべてを記録していた。そしてシムチョンがいなくなってからは、記憶が薄れないよう毎日努力をした。時間を見つけては海辺に出向いた。もちろん、シムチョンが陸に上がって来る情報をいち早く得るため、そして二人で暮らす海辺の家を探すためだった。
知らないそぶりをしたのは、消さないでほしかった記憶を消したシムチョンにお灸をすえたのだった。

その後2人は結婚し甘い生活を送る。シムチョンは高卒認定試験の準備をし、ジュンジェはロースクールの最終面接も好成績でパス、晴れて検事になれた。シムチョンのために自ら地方検事になることを志望し、束草の海辺の村に赴任。そしてシムチョンには新しい生命が宿り、二人は平凡に幸せに暮した。

■名場面のリフレイン
青い海の伝説左:第2話、右:最終回さて、傘をさしかけたことでやっとハッピーエンドになったジュンジェとシムチョン。広告にも使われた名シーンをリフレインさせたようでもあるが、微妙に違っている。まず、第2話は雨で最終回は雪。多くの韓国ドラマでは雪をロマンスの小道具として使うことが多く、最終回の傘の下にはジュンジェの愛が詰まっている。
もう一つはつないだ手。どちらもジュンジェの差し出した手は左手だが、シムチョンの手は違う。
第2話では握手のように同じ左手をだしている。これには「置いてけぼりしてごめんね」というジュンジェの気持ちもちょっぴり込められていたのかも。一方、最終回、ジュンジェは明らかにシムチョンの右手を狙っている(笑)。そこには、これからの人生同じ道を手をつないで並んで歩いていこうという、ジュンジェの想いが感じ取られる。
どのドラマ評にもこうしたことは書いていないが、繰り返し本作を視聴した筆者にはそんな気がしてならない。

■悪女の結末(最終回前話)
ソヒことカン・ジヒョンの特技は、女優はだしの涙の演技。この涙を武器に、何人もの富豪の妻に収まり、夫を殺害して富を得てきた。しかし、初めて本当の涙を流したのは、皮肉にも最愛の息子の自殺と彼が残した言葉だった。その言葉とは、「お母さんが僕の母親だということが…心底恨めしいよ」母親としては耐え難い言葉だが、これはエゴイストな愛で息子を殺してしまった愚かな母親の当然の報いだろう。

■検事ジュンジェ
まさかジュンジェが検事を目指すとは…。それもこれもシムチョンのおかげ。男の人魚にやきもち焼いたジュンジェは、こっそり7級公務員の勉強を始めていたのを憶えておいでだろうか。ちなみに韓国の公務員も国家と地方があり、7級は国家公務員のⅡ種、地方公務員なら中級といったところ。それが検事になるとは、愛の力は偉大だ。
そういえば、チェ・ガンヒ×チュウォン主演で「7級公務員」というタイトルのドラマがある。

■ドラマが描きたかったものは…
「青い海の伝説」は、“転生と輪廻”をテーマに、不変の愛を描いた作品だが、人は変わることができる、運命さえも変えることができるということも教えてくれた。

欲にまみれたデヨンやソヒは前世も今生も変わることはなかったが、ジュンジェとシムションは愛する人をまもるために不幸な結末を変え、ナムドゥとテオも人生をリセットして新しい人生をやり直している。

残念だったのは、ジュンジェと父ホ・イルジュンの関係。イルジュンがチヒョンの言葉に惑わされず、ジュンジェの言葉に耳を傾けて考えを変えていれば死なずに済んだかも。せめて最後にイルジュンの素直な気持ちを留守電ではなく、直接ジュンジェに伝えさせてやりたかった。ジュンジェよ、なぜスマホを手元に置かない!韓国ドラマではやたらスマホを手放す。これでは携帯電話の意味がない!と筆者は声を大にして言いたい。もっともこれに関しては本人が一番後悔していたからこれ以上責めないが…。

そして、何よりつらかったのはチヒョンの最期。エゴイストな母ソヒの愛しか知らないチヒョンは、イルジュンの愛を独り占めしたかったのだろう。イルジュンの本心を知って絶望したチヒョンは前世と同じ悪に走った。彼にも愛し合える恋人がいれば違った最期を迎えられたかもしれないのに…。

■名脚本家の遊び心
本作の脚本を手掛けたのは、アジア中を熱狂させた「星から来たあなた」の脚本家パク・ジウンだ。各話の見どころでも紹介してきたが、随所に「星から来たあなた」を連想させる遊び心も満載で、「星から」のファンにもたまらない一作だった。

また、“輪廻と転生”と聞いて思い浮かぶのは、同時期に韓国で放送された「トッケビ~君がくれた愛しい日々~」。こちらは「太陽の末裔」「シークレット・ガーデン」のキム・ウンスク脚本家の作品。

どちらも超売れっ子の脚本家。韓国ではテーマや恋人がどちらも存在すら不確かな生命体(?)で、結末の記憶のくだりまで共通するところが多かったために、いろいろと話題になった。これだけ同じテーマを描きながら、よくぞここまで違うテイストの作品に仕上ったものだと、改めて両脚本家の技量に恐れ入った。
同じ転生と輪廻をテーマにし、「青い海の伝説」は「命懸けの恋」を描き、「トッケビ」は「死を見つめた愛」を描いた。この2作については、「トッケビ」の地上波放送が終わった後に、もっと詳しく比べてみたい。
※「トッケビ」が描きたかったものについてはコチラで詳しく解説。

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