「不滅の恋人」イ・ガンはなぜ宮殿から追い出されたのか?悲劇を招いた「長子継承の原則」とは?

2019年03月02日00時02分ドラマ
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NHKBSにて3月3日から放送する韓国ドラマ「不滅の恋人(大君~愛を描く~」の悲劇の始まりは、第2王子であるイ・ガンが宮殿から追い出されて暮した事!なぜ、王子は追い出されなければならなかったのか?今回はその裏事情(長子継承の原則)をご紹介、番組サイトでユン・シユンとチン・セヨンのコメント動画と予告動画が公開されている。

ドラマの詳しいあらすじと見どころ、時代背景や実在の人物紹介、取材会や直前番組の再現レポートなどは【「不滅の恋人」を2倍楽しむ】にまとめている。

■長子継承の原則って?
第1話で大妃(ヤン・ミギョン扮)とヤンアン大君(ソン・ビョンホ扮)が、「朝鮮王朝は建国以来、長男が王位継承していない」という旨の話をする。ドラマの時代背景は朝鮮王朝第3代王~7代に入るまで。では本当にそうなのか【朝鮮王朝系図】で確かめてみよう。表を見ると確かに第4代王・世宗まで長男は一人もいない。王朝では、「長子継承の原則」というのがあり、長男以外が王位に就いている場合は、王が病弱だったか、何かトラブルがあったと考えていいだろう。

朝鮮王朝では建国の際に儒教を国の理念とし、その規範として「長男の役割を重く見る」があった。もっとも、中国の儒教では長男優先はなく朝鮮儒教によるもの。
また、前王朝である高麗を建国した王建は、国の安定のために<訓要十条>を残しており、その3条には「王位継承は特別な場合ではなければ長子を先にする」としている。これを継承することで、武力で建てた国の正統性を示そうとしたのかもしれない。

■ヤンアン大君は王になりたかったのか?
ヤンアン大君のモデルとなったのは第3代王・太宗の長男で世宗の兄・譲寧大君(アンニョンテグン)。11歳で世子に冊封されたが、自由奔放な性格が災いして14年後に世子を廃位された。「不滅の恋人」では権力志向が強いとされているが、実際の譲寧大君は、自ら世子の座を拒否するために奇異な行動をとったとも伝わっている。また、代わって世子になった弟の忠寧大君(チュンニャンテグン、後の第4代王・世宗)とは非常に兄弟愛が深かった。世宗の生涯を描いたドラマ「大王世宗」では、パク・サンミンが譲寧大君を演じている。

■大妃シム氏は次男を追いだした?
「不滅の恋人」で大妃がイ・ガンを宮殿から追い出したのは、「長子継承の原則」を守りたかったから。誰かが次男のイ・ガンを担いでこの原則を破ろうとするのを恐れたのだ。
この大妃シム氏は世宗の正妃・昭憲王后・沈氏がモデル。「不滅の恋人」では3人の王子の母としているが、実際には8人の王子と2人の王女と子宝に恵まれた。実在の沈氏は、世宗が亡くなる前に他界しており、後継者問題に悩んで次男を宮殿から追い出すなどしていない。沈氏については別に【「不滅の恋人」を2倍楽しむ】(3)「
時代背景、実在人物紹介、豆知識など」で詳しく紹介している。

NHKBS「不滅の恋人」番組サイト
 2019.03..03スタート 毎・日21:00-22:00
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kandoratop【作品詳細】【「不滅の恋人」を2倍楽しむ】