【韓ドラコラム】「不滅の恋人」病弱な王は聖君を約束された王だった!朝鮮王朝第5代王・文宗紹介!

2019年03月08日10時30分ドラマ
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「不滅の恋人(原題:大君-愛を描く-)」や「王女の男」で描かれる病弱の王は偉大な王・世宗大王の後を継いだ朝鮮王朝第5代王である文宗がモデル!在位わずか2年ほどで死亡した王はどんな王だったのか?ドラマの予告動画は公式サイトなどで公開中。

「不滅の恋人」「王女の男」は、朝鮮歴代王の中でも最も愛されている第4代王・世宗の次男である首陽大君が起こした「癸酉靖難(ケユジョンナン)」を時代背景にした物語。

■ドラマの中の文宗は?
両方のドラマに登場する文宗は病弱で弱弱しいイメージで描かれている。「不滅の恋人」では「太陽を抱く月」でハン・ガインの兄であるホ・ヨム役を演じた長身・イケメンのソン・ジェヒが演じ、「王女の男」では「冬のソナタ」でパク・ヨンハの父キム・ジヌ役を演じたベテラン俳優のチョン・ドンファン。どちらも病弱で、多くの世継ぎを残すことができず、ただ一人の息子である幼い世子(端宗)を残して逝くことを案じながらこの世を去っていく。

■世宗の長男・珦は期待の王子(生年1414~没年1452)
文宗の即位前の名前は珦(ヒャン)。偉大なる王・世宗の長男として生まれ、母は昭憲王后。首陽大君と安平大君は実弟。他にも5人の弟と2人の妹がいた。多くの兄弟姉妹の中で、珦は世宗の人格と才能をそのまま受け継いだ優秀な王子で心根も優しく誰からも愛された。1421年7歳で世子に冊封され、世宗が他界するまでの約30年間の世子生活で偉大な父王から帝王学を学んだ。世宗の治世は31年と6か月に及んだが、即位当初から様々な病床に就くことの多かった世宗は、珦が28歳になると摂政を頼み、世子は父王に代わって政務を見事に取り仕切った。世宗が好きな学問に集中できたのは世子のお陰で、世宗の後半8年間は珦の治績と言ってもいいだろう。

■約束された聖君・文宗(在位1450~1452)
世宗に代わって摂政時代に“できる男”として手腕を発揮した珦は、即位して文宗に。文宗は安定した国政を運営したが、残念なことに体質まで父王に似てしまい、病弱だった。「不滅の王」でも描かれるように、世宗の三年喪を終えた後、病に倒れてしまう。自分の死を予感した文宗は金宗瑞と皇甫仁ら大臣を呼んで世子を頼むと遺言して、38歳の若さで亡くなった。

■世宗に似なかった女性関係
輝かしい偉業を残した世宗は艶福家で、ひとりの妻(王后)と5人の側室(後宮)から22人の子供を残したが、文宗はひとりの妻(王后)と3人の側室から王子1人と王女2人しか恵まれなかった。幼くして世子に冊封された文宗は早く結婚したが、妻たちには興味を持たず、最初の金氏と二番目の奉氏はどちらも過失のために廃位された。その後に世子嬪に決まったのが、花山府院君・権専の娘で、後の顕徳王后・権氏、第6代王・端宗の母である。「不滅の恋人」ではオ・スンアがキム氏として端宗の母を演じているが、実際の権氏は世子嬪時代に端宗を生み、その三日後に死去している。「首陽大君(朝鮮王朝第7代王・世祖)紹介」で、世祖の晩年に原因不明の病に悩まされたと書いたが、首陽を呪ったとされたのが、この顕徳王后・権氏の亡霊と伝わっている。

さあ、実際には亡くなっているはずの文宗の母・大妃と妻・金氏が物語でどう描かれるのか?「不滅の恋人」は、2019年3月現在、NHKBSにて大紅袍放送中だ。

【「不滅の恋人」を2倍楽しむ】では、時代背景や実在の人物紹介、ドラマの見どころや韓国での評判、記者会見再現レポ、放送にあわせて各話の詳しいあらすじと見どころ、豆知識などをまとめて紹介するので、視聴の参考にどうぞ。

NHKBS「不滅の恋人」番組サイト
 2019.03.03スタート 毎・日21:00~22:00
TV CHOUSUN番組サイト

kandoratop【作品詳細】【「不滅の恋人」を2倍楽しむ】