「不滅の恋人」姉を出し抜いて嫁いだナギョムは、女性で初めて国政を治めた貞熹王后?

2019年03月29日23時12分ドラマ
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韓国ロマンチック史劇「不滅の恋人(原題:大君)」で、女優リュ・ヒョヨンが演じたナギョムは、劇中度々「姉の縁談を奪った」と告白しているが、それは本当なのか?今回は、モデルとなった後の7代王・世祖の妻、貞熹王后(チョンヒワンフ)についてご紹介!Youtubeにて予告動画が公開されている。

「不滅の恋人」は、兄イ・ガン(首陽大君=スヤン大君、後の朝鮮王朝第7代王・世祖)と弟イ・フィ(安平大君=アンピョン大君)の王座奪還戦が“実は1人の女性を巡って起きたのでは”という歴史的仮説を基に大きく脚色した、史実とフィクションを大胆に絡めた恋愛度数の高い時代劇。

■ドラマの中のナギョムは?
親の決めた縁談で顔も知らない男性と結婚するのが当たり前だった時代。ナギョムは花嫁学校の優等生だが、未来の旦那様を確認したいと、親友のチャヒョンに頼み込んで許嫁のイ・ガンを呼び出してもらうほど、行動力のある女性。序盤からたびたび「姉を出し抜いた」と告白していたナギョムは、第5話でイ・ガンに「女は夫を選べぬものですが、私は姉の縁談を奪いました」と明言する。劇中のナギョムの父は亡くなっており、貧しい家門のために妻として不服なイ・ガンだが、「姉より優れている自分が(妹だからと)王族の嫁に選ばれなかった」という、自分と同じ境遇の彼女に、シンパシーを感じている一面も見受けられる。

■姉と入れ替わった運命の女性、尹氏
ナギョムのモデルになったのは、性格が寛容で温厚なことで知られていた黄海道の信川県監の尹璠(ユン・ボン)の娘(尹氏)。『松窩雑説』(著:李芑)によると、「首陽大君にふさわしい配偶者がいると聞いて、王宮から人が訪ねてきたが、その時、尹璠の妻の後ろに隠れていた娘を見て、候補であった姉よりさらに容貌が非凡だと、王宮に知れ渡って妹の方が王室に嫁ぐことになった」と記されている。実際の尹氏が姉を出し抜こうと意図したかどうかは定かではないが、ドラマと同じく、首陽大君(イ・ガンのモデル)の嫁候補の姉を出し抜いて、11歳の妹が首陽大君に嫁いだ。

■貞熹王后・尹氏(生1418.12.8‐没1483.5.6)
1428年、結婚式を行い楽浪府大夫人に封じられるが、首陽大君が王位について朝鮮王朝第7代王・世祖となり、尹氏も王妃に冊封され貞熹王后に。癸酉靖難(時代背景は首陽大君紹介で簡単にまとめている)当時、情報が洩れて実行をためらった首陽大君に鎧を着せて兵を上げさせたのが尹氏。優れた政治判断力を持つ女傑だった。2男1女をもうけたが、世祖亡き後、次男の睿宗(イェジョン)が18歳で即位すると、摂政として国政を取り仕切った。儒教を国是とする当時、朝廷で女が直接表立つことが好まれなかったため、玉座の後ろに簾を掛け、朝鮮で最初に「垂簾聴政」を行った。ところが睿宗がわずか14ヶ月の在位で死亡。すると、尹氏は夭逝した長男の息子をその日のうちに王位に就けた(第9代・成宗)。成宗はわずか12歳だったために、尹氏は7年間も摂政を行い、王権を安定させた。その後、世宗が成人すると政治の第一線から退き、65歳で死去した。実は、成宗は次男で、長男もいたが、尹氏の一存で次男を王位に就けたのだった。成宗は名君として名を残しており、どうやら尹氏は人を見抜く力にも秀でていたようだ。成宗が夫・世祖と同じ次男というのもどこか不思議な因縁を感じさせる。

■ドラマの結末は?
どうやらナギョムは王族だという理由だけでなく、気概のあるイ・ガンを男性としても好いている様子。そんな彼女は第5話ではまだ夫の想い人が親友のチャヒョンとは知らない。それを知った時、ナギョムはどうでるのか?モデルとなった尹氏は先見の明も政治力も人を見抜く力にも秀でているだけに、楽しみでもあり、恐ろしくもある。
そんなナギョムを演じるのは、「黄金のポケット」で心優しき契約PDのクム・ソルファ役を演じたリュ・ヒョヨン。チャヒョン役のチン・セヨンとの演技バトルにも注目しよう。

【「不滅の恋人」を2倍楽しむ】では、時代背景や実在の人物紹介、ドラマの見どころや韓国での評判、記者会見再現レポ、放送にあわせて各話の詳しいあらすじと見どころ、豆知識などをまとめて紹介するので、視聴の参考にどうぞ。

NHKBS「不滅の恋人」番組サイト
 2019.03.03スタート 毎・日21:00~22:00
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kandoratop【作品詳細】【「不滅の恋人」を2倍楽しむ】