【夏ドラマ】「サイン」「ボイス」「TWO WEEKS」韓国リメイクでテレ朝・日テレ・フジがタイプ違いのジャンルものに熱視線!

2019年07月07日20時30分ドラマ
(左から) (C)テレビ朝日 (C)NTV (C)カンテレ
「サイン―法医学者 柚木貴志の事件―」大森南朋
「ボイス 110緊急指令室」唐沢寿明
「TWO WEEKS」三浦春馬

いよいよ本格スタートする2019年夏ドラマ!ゴールデンタイム(夜7時~11時まで)に放送する地上波13作の中で、なんと韓国ドラマのリメイク作品が「サイン-法医学者 柚木貴志の事件-」、「ボイス 110緊急指令室」、「TWO WEEKS」と3本!揃って韓国で大ヒットしたお勧め作品で、テレ朝、日テレ、フジが選ぶのも納得!果たしてもっとも視聴者のハートをつかむのは?各番組公式サイトで予告動画が公開されている。

●作品詳細はそれぞれ以下のページで詳しく紹介
・テレビ朝日系「サイン-法医学者 柚木貴志の事件-」(木曜21:00、7/11スタート)
大森南朋主演。法医学vs.絶対的権力“真実”をめぐる壮絶な戦いを描くメディカルサスペンス。
・日本テレビ系「ボイス 110緊急指令室」(土曜22:00、7/13スタート)
唐沢寿明主演。妻を殺された敏腕刑事と父を殺された声紋分析官がタックを組む犯罪サスペンス。
・カンテレ・フジテレビ系「TWO WEEKS」(火曜21:00、7/16スタート)
三浦春馬主演。殺人容疑の濡れ衣を着せられた男が、白血病の娘のために2週間に及ぶ逃亡劇を繰り広げるサスペンス。



■韓ドラリメイクはいつから?
ゴールデンタイムに3本のリメイクとあって注目を集めているが、韓ドラリメイクは今に始まったことではない。2017年に「ごめん、愛してる」のリメイク作で主演した長瀬智也(TOKIO)は、2000年に韓国映画『「マイボス・マイ・ヒーロー」をコミカルな任侠ドラマ(日本テレビ系)として主演している。その後も、映画『私の頭の中の消しゴム』(2004)が及川光博&深田恭子主演で2007年ドラマ化され、『猟奇的な彼女』(2001)はドラマと映画で、「魔王」(2007)は嵐の大野智が連ドラ初主演するなど、毎年のように1作品程度リメイクされてきた。ところが、昨年2018年は「誘拐法廷~セブンデイズ~」(テレビ朝日系)、「グッド・ドクター」(フジテレビ系)、「シグナル 長期未解決事件捜査班」(カンテレ・フジテレビ系)、「記憶」(フジテレビNEXT・J:COMプレミアチャンネル)と立て続けに4作が放送されている。

■近頃人気のジャンルものって?
韓国ドラマといえば、2003年から始まった韓流ブームでは、純愛や時代劇が人気のジャンルだったが、その後、イケメン俳優やK-POPアイドルスターが出演するラブコメ全盛期となる。ところが、年間100本もドラマを制作していると言われているドラマ大国の韓国では、視聴者の目も厳しくありきたりのラブコメでは納得しなくなる。すると、恋の相手が伝説の妖怪や死神の「トッケビ~君がくれた愛しい日々~」や、人魚の「青い海の伝説」、幽霊の「ああ、私の幽霊さま」、ロボットの「君も人間か?」などファンタジーロマンスが主流となっている。
また、“Love”主体から「シグナル」(tvN、2017)や「被告人」など“ジャンルもの”と呼ばれる作品が新旋風を巻き起こしている。ジャンルものとは、これまで“家族、恋愛、青春”主流だった韓国ドラマのテーマから外れた特定のジャンルで、サスペンス、ファンタジー、ミステリー、犯罪を描いた作品のこと。今回、日本でリメイクされる3作は揃ってジャンルものである。

■ジャンルものの成否のカギは?
先の読めないストーリーとアクションだと筆者は考えている。もちろん、俳優陣の演技力は言わずもがなのこと。ドラマ大国だけに、ドラマ作家も切磋琢磨し、素晴らしい新人作家も次々と出ている。脚本家不足が叫ばれる日本のエンタメ界では羨ましい限りだ。
最近の韓ドラを見ていないドラマファンの中には「韓ドラはワンパターン」という向きもあるが、最近の韓国ドラマの質の高さには驚くはず。

そんな作家たちが腕によりをかけて描いたジャンルものは、日本ドラマにはない魅力が満載。日本より放送規制の厳しい韓国では、地上波放送では性的な表現や暴力シーンは規制されており、成人指定の“19禁ドラマ”なども多く、ジャンルものに関しては規制の少ないケーブルテレビが一歩抜きんでている。だからアクションはより激しく、暴力シーンも目をふさぎたくなるほど生々しくリアル。まるで映画のように迫力がある。もちろん、人間愛を描くのが得意の韓ドラ。胸を打つヒューマンドラマとしても見どころ満載だ。



■気になるリメイク
韓ドラは短編と言っても16話~24話くらいのものが多く、原則途中でCMが入らない。今回リメイクされる韓ドラは「サイン」20話、「ボイス~112の奇跡~」「TWO WEEKS」は16話。
日本では9~10話で、15分刻みにCMが入り、正味45分の放送枠。CMが入ることでハラハラドキドキの緊張感が途切れてしまうのではないかといらぬ心配をしてしまう。2018年リメイクした「シグナル 長期未解決事件捜査班」はほぼ忠実にリメイクされ好調な滑り出しだったが、重要な事件を丸ごとカットしたためにメインキャストたちの心の動きや、黒幕のあくどさなどが少々薄れてしまった感が残った。(最終回ネタバレ!
また、韓国ドラマは主演だけでなく脇役の人物像も丁寧に描く。そのために話数が長くなるが、その結果、ストーリーに厚みが出て来て、主人公にハマれなかった人も、二番手や三番手に注目して最終話まで見てしまったというファンも少なくない。
リメイクでタイトになるところをどのように描くのか、日本の脚本家の腕の見せ所だ。

■3局らしい作品選び
「サイン」を放送するテレビ朝日は、「相棒」に代表される事件解決ものと「ドクターX」に代表される医療ものがお得意。この二大巨頭のハイブリッドともいうべき「サイン」を選んだのはさすがだ。韓国版主演のパク・シニャンは超美男子と言うわけではないが、抜群の演技力と作品選びに定評のある実力派俳優。大森南朋もドラマ、映画、舞台とその演技力で引っ張りだこの実力派。骨太の演技を期待したい。

「ボイス」を選んだのは日テレ。1970年代から1990年代初頭にかけては「太陽にほえろ!」「大都会」シリーズなどの刑事アクションで一時代を築いている。特に土曜ドラマ枠では、「ボイス」主演の唐沢寿明が「THE LAST COP/ラストコップ」で主演しているだけに安心できる。唐沢は元ショッカー(「仮面ライダー」でショッカーに扮した)で「ラストコップ」でも華麗なアクションを見せたが、御年56歳。韓国きってのアクションに定評のあるトップスター、チャン・ヒョクと比較してしまうと、少々心配が残る。どうぞ、最終話までケガなく演じてほしい。

「TWO WEEKS」をリメイクするフジテレビは、すでに「グッド・ドクター」「シグナル」「ミセン-未生-」「銭の戦争」と韓ドラリメイクを多く手掛けている。これまでの経験をいかして素敵な作品に仕上げてほしいものだ。韓国版主演のイ・ジュンギは、女性のような美しさと圧巻の演技力で圧倒的な人気を誇るスター俳優。華麗なアクションや逃走中には女装から髭面まで七変化する。三浦春馬といえば舞台『キンキーブーツ』でゲイの女装家を熱演して新境地を拓いているだけに、七変化で更なる新境地を拓いてほしい。

テレビ朝日「サイン―法医学者 柚木貴志の事件―」番組公式サイト
【関連記事・各話のあらすじ】
【韓国版「サイン」を2倍楽しむ】

日本テレビ「ボイス 110緊急指令室」番組公式サイト
【関連記事・各話のあらすじ】
【韓国版「ボイス」を2倍楽しむ】

カンテレ・フジテレビ「TWO WEEKS」番組公式サイト
【関連記事・各話のあらすじ】
【韓国版「TWO WEEKS」を2倍楽しむ】

【2019夏ドラマ一覧】