ホラー嫌いにもお勧め!『感染家族』キム・ナムギル、鍋を被ってゾンビと戦う?公開直前に4つの見どころ紹介!

2019年08月05日12時00分ドラマ
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原案 東京タワー (C)Kaori Ekuni

「ジャスティス-検法男女-」のチョン・ジェヨンと「熱血司祭」キム・ナムギルが兄弟役でゾンビと戦う韓国映画『感染家族』が、いよいよ8月16日(金)よりシネマート新宿、シネマート心斎橋ほかで公開される!これに先駆けて4つの切り口から映画の魅力を解説、映画公式サイトで予告動画が公開されている。

感染家族映画『感染家族』は、寂れた田舎でその日暮らしをする一家の父マンドクが、突然現れたゾンビに噛まれるが、若返るところから始まる。子供たちは若返った父を見て一攫千金の<ゾンビビジネス>に乗り出す。ビジネスは順調に進むが、若返った人たちの間に思わぬ副作用が勃発し、ゾンビたちが一家を襲う。⇒作品詳細



■ソンビ映画だけどのどか
ゾンビ映画の多くは『新感染 ファイナル・エクスプレス』のように大都会や混雑する列車の中で大勢のゾンビが襲ってきて、人々は大パニックに陥る。だが、本作の舞台は片田舎の豊山里(プンサンリ)、ソウルの南に位置する忠清道が舞台だ(現代の地図で確認できる)。
感染忠清道の人は一般的に穏和と言われており、話す言葉もゆっくりしており、筆者は個人的に韓国でもっともパニック映画が似合わない場所だと思っている。ちなみに出身の有名人にドラマ「トンイ」や映画『ビューティ・インサイド』主演の女優ハン・ヒョジュがいる。

■ゾンビ映画だけど笑って泣ける
本作の“感染”というタイトルや緊迫感溢れるポスターを見ると、『新感染・・・』やゾンビ時代劇「キングダム」に代表する「Kゾンビ」を想像するだろう。kansenkazoku突如死体がよみがえったり、違法な人体実験の結果ゾンビを生み出してしまったりした結果、ゾンビたちが人間を襲って噛まれて死んだ者たちもゾンビ化して急速に数を増やすというのがゾンビ映画の定石。『感染家族』もそうした定石を踏まえながらも、その過程が全く違う、ゾンビ映画の固定観念を破った作品なのだ。何しろ最初に村にやって来るゾンビは、何度も生き返る無限の体力はあるものの、人間の血よりもキャベツとケチャップが好きな菜食主義。犬を怖がり、気が弱く、パク家の末娘にペットとして飼われる始末。しかも、噛みつくと死ぬどころか若返るウィルスの保有者で、<ゾンビビジネス>に利用される。 弱っちいゾンビと強かなパク一家との逆転現象はこれまで見たことのないゾンビ映画として大いに笑える。次男ミンゴルが、ゾンビ対策として『新感染…』の映像を兄たちにみせたり、鍋を被って戦うことを提案したり。ドラマ「医心伝心~脈あり!恋あり?~」「熱血司祭」でコミカルな演技にまで守備範囲を広げたキム・ナムギルが、本作でも大いに笑わせてくれる。また、ゾンビが襲ってくる夜のガソリンスタンドでは爆音ミュージックの中、花火まで上がりゾンビが夏フェスのように盛り上がったりもする。それでいてきちんと家族愛や人間愛を描いている。
『新感染…』のコン・ユやマ・ドンソクのような逞しい男たちは出てこない本作。一家がゾンビとどう戦い、家族をどう守るのか?思いっきり笑えてちょっぴり怖くって、ほろりとさせられる。

感染家族■ゾンビ映画だけど爽やか純愛
キム・ナムギルの兄がチョン・ジェヨンで、兄嫁がオム・ジウォン、妹が注目の若手女優イ・スギョン、そして父親が国民的俳優のパク・イナン。豪華なキャスティングにつられて試写に出向いたが、筆者は物言わぬゾンビのチョンビ役にすっかり魅せられてしまった。演じたのは「ミストレス~愛に惑う女たち~」『毒戦』の出演で注目される期待の新星チョン・ガラム。本作で彼のセリフはひと言だけだったが、圧倒的な存在感があった。青白い顔でキャベツに噛りつく姿には母性本能をくすぐられ、「金の生るゾンビ」として一家から搾取される姿には胸が痛み、そんな家族から自分を守ろうとしてくれる末娘へゴルへの眼差しには胸がキュンキュンさせられた。社会と隔離されていたチョンビがヘゴルのお陰で人間性を取り戻していく過程は、ゾンビ映画だが爽やかで、ソン・ジュンギとパク・ボヨン主演で泣かされた映画『私のオオカミ少年』(2012)を思い出した。

感染■ゾンビ映画らしいリアルなこだわり
『新感染…』で駅構内や車両に溢れたようなゾンビ軍団は押し寄せないものの、本作のチョンビ以外の「80人のタフなゾンビ軍団」は実にリアルで、彼らの迫真の演技はゾンビ映画としても見ごたえたっぷりだった。リアルなゾンビの特殊メイクや動きなどは『ショーン・オブ・ザ・デッド』や『ウォーム・ボディーズ』などを参考に仕上げたらしい。80人の精鋭ゾンビたちは2か月もの過酷なトレーニングを受けて演技に臨んだというから目をつぶることなく、ゾンビの姿にも注目してほしい。

イ・ミンジェ監督自身が「このシナリオが映画になると聞いた時、信じられなかった」と言ったのも納得できる。この映画はとんでもなく奇抜なパンデミック・ヒューマン・ロマンチック・コメディだった。ゾンビ好きはもちろん、ゾンビは苦手という方にも是非見てもらいたい。



■作品概要
★2019年8月16日(金)よりシネマート新宿、シネマート心斎橋ほかにて公開!
監督・脚本:イ・ミンジェ
出演:キム・ナムギル、チョン・ジェヨン、オム・ジウォン、イ・スギョン、チョン・ガラム、パク・イナン
2019/韓国/カラー/韓国語/112分
原題:기묘한 가족 英題:The Odd Family:Zombie On Sale  映倫G
配給:ファインフィルムズ
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HP

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