韓国ドラマ「知ってるワイフ」最終回考:ドラマが伝えたかったこととは?夫婦として大切なこと

2019年10月01日10時00分ドラマ
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BS朝日にて放送されていた「知ってるワイフ」が、無事最終回放送を終え、幕を閉じた。本作品は韓国で同時間帯ドラマ視聴率No.1に君臨したファンタジーロマンスであり、チソン×ハン・ジミンが演じた共働き夫婦のドタバタな日常シーンや喧嘩シーンは、ファンタジードラマらしからぬ何とも現実的な内容で視聴者たちを騒然とさせた。そんな本作品が我々に伝えたかったこととは?作品公式サイトでは予告動画も公開されている。



■「隣の芝生は青い」けれども…
疲れ切った日常の中で、突然憧れの初恋相手が目の前に現れたら?更に、相手も当時自分を好きだったと知ったら?この状況で浮かれない人はいないだろう。「もしあの時…」と妄想する人もいるはず。しかし現実はそうやって想像しつつも“甘酸っぱい青春の思い出”として処理し、現実を生きる人が大半であろう。行動に移す人は滅多にいないはず。本ドラマは、このような誰しも一度は考えたことがある過去への想いを、ファンタジー要素を盛り込みながら見せてくれた作品だ。
実際に、妻ウジンと子供を捨ててまで過去を変えた主人公ジュヒョク。初恋相手のヘウォンを妻とし、豪邸に住み財閥の婿として、何一つ不自由ない生活を手に入れたはずだった。しかし結局ヘウォンとの結婚も失敗に終わったジュヒョクは、これまでの反省を活かしつつ、ウジンと改めて夫婦の道を歩んでいく。
知ってるワイフ「隣の芝生は青い」という言葉のように自分には無いものを持っていたり、羨ましく思えるような人が周囲にいたとしても、実際は人それぞれ何かしら問題を抱えており、外からは見えないだけ。皆そうして自分たちの問題を抱えながら、それを内に秘めながら生きているのだ。周囲を見回して比較するのではなく、自分としっかり向き合って生きて行くことが何よりも重要なことなのだと、改めて痛感する。

■謎のホームレス男性の正体
ジュヒョクが過去へ戻るきっかけを与えた謎のホームレスの男性。彼も実はジュヒョクのように過去に戻って人生を変えた人物だった。元々は医者であり、医療ミスをやり直したいと過去に戻ったが、自分の欲望に負け人生を台無しにしてしまったという。経験者だからか、彼がジュヒョクに投げかける言葉はどれも重みがあり、視聴者の我々にも突き刺さるものがある。ジュヒョクを過去へと送った理由としては、「もしあのまま生きていたら、夫婦がお互いを憎みあいながら暮らしていたからだ」と語った。「”慣れ”というものは怖いもの」「人は愚かなもので、経験していないことには気づくことができない」として、ジュヒョクに妻ウジンの大切さを改めて気付かせてあげたのだ。

■夫婦関係は相対関係
ドラマ冒頭であれほど妻ウジンの愚痴を言っていたジュヒョク。しかし最後には妻と喧嘩した友人ジョンフに対し「家ではいつもお母さんと呼ばれて、自分の名前が消えていくんだ」「妻の立場になって考えろ、そうすれば相手も変わってくる」と説教するなど、当初のジュヒョクからは想像もつかないセリフが!!ここまでの変貌っぷりに笑ってしまう。しかしながら、相手の立場になって考えてみるという、子供の頃に教わったような簡単なことが、実は難しい。日々の生活に追われていると尚更。でも、それが一番大事なことなのだ。相手を思いやり、サポートし合いながら共に成長していくのが夫婦というものなのだろう。それに気づいたジュヒョクは何とも頼もしい夫に成長していた。

■女性も夢を諦めない姿
当初は育児に明け暮れストレスでジュヒョクに辛くあたっていたウジンも、今は夫婦で協力しあっているおかげか、仕事も育児も元気にこなすワーキングママだ。日頃の成果が認められ、何とジュヒョクよりも先に昇進する姿も描かれている!ウジンのこの姿は、現代社会の中で忙しく暮らす女性達に希望を与えてくれた。そしてまだまだ「育児は女性の役目」などという非協力的な認識の人々や社会の意識を少しでも変えるきっかけとなることを祈りたい。

■過去よりも今、そして未来
「完璧な人間なんていない。相手の欠点や短所も受け入れ、お互いがカバーしあいながら、一緒に乗り越えていければよい」と、夫婦としての在り方を理解したジュヒョク。あんなに過去に執着していたジュヒョクだが、最後には「過去を振り返ることはせず前だけを見て、二人で力を合わせ自分たちの未来を作るべき」「過去は重要じゃない、僕たちが覚えているこの人生の思い出が重要だ。そしてもっと重要なのは僕たちの未来だ」とウジンに語っている。本作品は、後半にいくにつれ主人公たちの絆が深まっていく展開であり、最終回を待たずしてジュヒョクとウジンが再び結ばれるため、最後まで結末が読めない、大どんでん返しが起きるようなストーリーではない。そのため多少物足りないと思う人もいるかもしれないが、その分視聴者たちはじっくり二人の行方を見守りながら、自分自身の過去を振り返り、じっくり考える機会があったのではないか。寧ろ、そのために敢えてこのような構成なのではないか?と思えてくる。

最後に、韓国版の公式HPより、本作品の企画意図(和訳)を抜粋してご紹介したい。
男はサラリーマンのジャングルで生き残るのに余力がなく、
女は仕事や育児で疲れきっている。
結婚という現実は責任と犠牲を強要し、圧迫を加える。
そんな時にふと思うことは
「こんなはずじゃなかった、、、この人を選んで正解だったのか??」

“あの時期、今横にいる相手でない、他の縁を選んだならば?“
”あの時あの人を選んでいたら?”

知ってるこのドラマは既婚男女ならば誰でも一度は考えたことがあるであろう「もしもあの時…」という考えを実現させたドラマであり、最も現実的なロマンスファンタジーだ。
このドラマはあなたに共感やときめきを与え、時に悲しみを与えるだろう。そして最後にもう一度尋ねたい。

“今、愛する人と生きていますか?”


人生は選択の連続であり、勿論後悔する出来事もあるだろう。しかし、我々は少なからずその時点で最善だと思った行動をとるのであって、現時点でその選択を後悔していたとしても、それが失敗だったかは現時点では判断できない。我々の人生は死ぬまで続くのであって、それまでは誰も分からないであろう。我々は、このドラマのように過去に戻って人生をやり直すことは勿論できないが、まずは自分自身や相手のことをもう一度しっかり考え、関係性を見直してほしい。もし思い当たる節がある人も、今この瞬間からでも十分遅くない。今から考えや行動を改めることで、未来は十分に変えることができるだろう。



BS朝日「知ってるワイフ」HP
 2019.09.10-10.01 8:30-10:00
公式サイト
韓国番組公式サイト
予告動画

kandoratop【作品詳細】【「知ってるワイフ」を2倍楽しむ】