「ヘチ 王座への道」粛宗に寵愛された延齢君(ヨルリョングン)は王位後継第一候補だった?

2019年11月24日22時10分ドラマ

NHKBSプレミアム(日曜よる9時~)で好評放送中の韓国ドラマ「ヘチ 王座への道」の中に登場する人物と史書などに伝わる実像とを比べて見た!今回は第3話でその運命が大きく変わったノ・ヨンハク扮するヨリョン君のモデルである延齢君を紹介、予告動画は番組公式サイトで公開している。

「ヘチ 王座への道」は、不遇の王子が仲間に支えられて王(英祖(ヨンジョ))として、司憲府(検察組織)を改革して世の中を立て直していく人気時代劇。題名の「ヘチ」は、善悪を見極める力を持つ伝説の動物のこと。
【「ヘチ」を2倍楽しむ】では、「エピソード0」としてドラマ前史と党派(派閥)、実在人物の紹介、韓国での評判などまとめて紹介している。



■「ヘチ」で描かれるヨルリョン君
粛宗(スクチョン)の三男。心やさしく清廉潔白。兄のイ・ユン(景宗)、イ・グム(延礽君)とは母違いの兄弟。兄イ・グムを慕い、いつも気にかけている。王位継承者の候補として少論派に支持されている。

ヘチヘチ★ノ・ヨンハク(1993年4月1日生、171cm)(ヨルリョン君/イ・フォン役)
子役出身の俳優。9歳の時に友人と共に撮影所に遊びに行ったのをきっかけに俳優を夢みて4年間端役から修行を積み、2006年子供ドラマ「花郎戦士マル」で本格デビュー。翌年には「王と私」で晋城(チンソン)大君(後の第11代王・中宗大君)役を演じ、その後「大王世宗」「一枝梅(イルジメ)」「善徳女王」などの作品で時代劇に欠かせない子役となった。「火の女神ジョンイ」(13)で少年・光海君を演じた2年後、「軍師リュ・ソンリョン~懲泌録~」では骨太の演技で青年・光海君を演じた。その後も「師任堂(サイムダン)、色の日記」では世子(後の第12代王・仁宗)役を演じ、大人の史劇俳優として活躍。現代ドラマでも「2度目の二十歳」(15)、「あの空に太陽」(16)でも大人の俳優として大活躍。多くの時代劇で王子役を何とも演じてきただけに「ヘチ」でも抜群の安定感でヨリョン君を演じている。

■延齢君(ヨルリョングン)(生1699年~没1719年)
19代王・粛宗と側室・榠嬪(ミョンビン)朴氏(パクシ)の間に生まれた一粒種で、名は昍(フォン)。粛宗にとっては第六子で末子とあって粛宗は延齢君を非常に寵愛した。その寵愛ぶりは通常6歳未満では君号を与えないところ5歳で延齢君に封爵した。朴氏は5歳の我が子を残してこの世を去ったが、その後も粛宗の延齢君への寵愛は変わらず、延齢君が1707年に金東弼の娘と婚姻すると、翌年には貞明公主の邸宅を買収して延齢君宅に改めるなど様々な特典を与えた。しかし、1719年、延齢君が若くして死去。享年21歳。粛宗は大いに心を痛め、 「孝憲」と諡号をを追贈し、その後も延齢君宅を訪問して3年間は禄俸を支給している。愛息を亡くした粛宗は急激に衰えて、翌年1720年に亡くなった。 こうしたことから、歴史書などでの明記はないものの、粛宗は病弱な景宗に変えて延齢君を世子にしたかったのではないかとも考えられ、そうなれば延礽君の世弟や第21代王・英祖としての即位もなかったかもしれない。

■実像とドラマの違い(第3話までの一部ネタバレあり)
前述のことから、ドラマ「トンイ」のファンには残念だが、晩年の粛宗が最も寵愛したのは淑嬪崔氏・延礽君の母子ではなく、榠嬪朴氏と延齢君だったと思われる。「テバク~運命の瞬間(とき)~」では、景宗や延礽君に厳しい父王として接している粛宗が、延齢君には優しい父の顔を見せている様子も描かれている。
「ヘチ」第3話では、心やさしく清廉潔白なヨルリョン君を深く愛しながらも、熾烈な権力闘争の中で、老論、少論など党派をコントロールして、強い王権を示すことができるのは、賤しい身分の血が流れるものの唯一王材(王としての資質)を持つ、ヨニン君ことイ・グムしかないと思っていることが明らかになった。また、粗暴なミルプン君に見切りをつけたミン・ジノン率いる老論派が、ヨルリョン君に乗り換えようとし、粛宗はミルプン君の一件で旗色の悪くなった老論のイ・イギョムを抱き込んでイ・グムに王位につけようと動き出した。
史実によると若くして亡くなっているヨルリョン君を、「ヘチ」ではどう描くのか?第4話で明らかに…。

【「ヘチ」を2倍楽しむ】では今後も、実在人物の紹介や豆知識、各話の詳しいあらすじと見どころなどまとめて紹介していく。

NHK「ヘチ 王座への道」番組サイト
 2021.02.14スタート 毎・日23:00-24:00 NHK総合
 2019.11.10-2020.05.03 毎・日21:00~22:00 BSプレミアム
作品公式サイト

kandoratop【作品詳細】【「ヘチ」を2倍楽しむ】