チョン・イル「ヘチ 王座への道」第9話<人の価値>ネタバレあらすじと見どころ、豆知識:朝講禮・世弟の一日

2021年04月10日09時20分ドラマ
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ついにイ・グム(チョン・イル)が世弟に!パク・ムンス(クォン・ユル)も司憲府の役人(官吏)となり、ヨジ(Ara)たちもムンスの部下として司憲府に復帰するが、早くもイ・グムたちはピンチに…韓国本格時代劇「ヘチ 王座への道」第9話あらすじと見どころ、豆知識を紹介、番組公式サイトにはチョン・イルからのコメントと予告動画が公開されている。

※この記事は、2019年11月10日~2020年5月3日までNHKBSプレミアムでの放送時に紹介したものです。

●ネタバレなしの第9話のあらすじはこちら



※オリジナル版を参考にしているために、カットされたシーンやあらすじが前後する場合もあることをご理解ください。【「ヘチ」を2倍楽しむ】では、ドラマの時代背景や見どころや実在の人物紹介などをまとめて紹介。ここでは第1話の前にいったい何があったのか、前史ともなる時代背景と派閥(老論、少論、南人)についても【エピソード0】として紹介している。

■第9話「人の価値」(見どころ・豆知識)
清の人身売買から逃げ出した少女がユニョンの籠を見つけ、助けを求めるが、ユニョンは自らの過去を語り、助けを拒む。その後、取り乱した父親が娘を売った主の家に押しかけたが、主は死んでいた。
実はユニョンもまた14歳の時に清に売られそうになっていた。自殺しようとしたが、ある少年に助けられた。しかし、結局はその人物を裏切り両班(キム・チャンジュン)の妾になったのだった。果たしてユニョンを助けた人物とは?

パク・ムンスは、晴れて司憲府(サホンブ)の監察となり、連日、厳しい伝統の新入り訓練を受けさせられていた。ウィ・ビョンジュは目障りなムンスを追い出さなくてはと考える。
パク・ムンスたち新入りの麗しくも汚い同期愛が笑える。ムンスたちが、ヨジ、チャンダル、アボンたちのお陰で命拾いする様子をお見逃しなく。

宮殿の門の前では、儒生たちがイ・グムが世弟(セジェ)にふさわしくないと抗議を行っていた。大妃と景宗は怒るが、老論派と少論派の重臣たちまでがイ・グムが賤民の生まれだという理由で、世弟最初の朝の講義に参加しない。イ・グムを担いで老論の実権を手にしようと考えていたキム・チャジュンとイ・イギョムは目算が外れて慌てるが、当の本人はいたって悠長に2人をあしらう。

その後イ・グムは、茶菓子を運ばせて自ら少論の重臣たちの集まる場所に出向き、礼を尽くす。イ・グァンジャが部屋を後にするイ・グムを追いかけ、自分がイ・グムを認めないのは「出自ではなく能力」だという。イ・グムは「では私が政事に長けていると分かれば認めるのか」と尋ねると、「世弟が政事に関わるのは越権行為で、それこそがイ・グムを認められない理由だ」と答える。イ・グムは、自分を敵のままにしておくのは危険だと言って、イ・グァンジャを師と呼び、「意外と気が合う気がする」と答える。その後、チャドンから、漢城府に撤退したミン・ジノンと蟄居したミルプン君は何もできないでいると聞き、自分も同じだと苦笑する。
朝鮮王朝時代、後継者のことを東宮(トングン)とも呼ぶ。東宮には本来世子がなるが、イ・グムのように王の弟や「イ・サン」の主人公・正祖のように王の孫がなる場合も。その場合、それぞれ世弟(セジェ)、世孫(セソン)と呼ぶ。「東宮」については【朝鮮王朝豆知識】「◆東宮」で詳しく解説している。ところでイ・グァンジャは他の重臣たちとは違うようだ。今後、彼に変化はあるのか?イ・グムの絶対的腹心のチャドンは王や王族の連絡係「掖庭署(エクチョンソ)」の任に就いている。



パク・ムンスたちは相変わらず厳しい新入り訓練が続く。意味のない新人いびりに腹を立てるヨジにユン・ヒョクが声をかける。清国の言葉を話せるヨジが人身売買に関する捜査で、妓楼に潜入することに。パク・ムンスも強引にこの捜査に参加する。
「オクニョ 運命の女(ひと)」の曲者署長役だったチェ・ミンチョル扮する正義の人ユン・ヒョクは、実に感性の豊かな優しい人。さすがのヨジも彼の「新人たちも可愛そうだが、鯉の方もいい迷惑だ」という言葉に唖然とする。パク・ムンスのくしゃみもお聴き逃しなく。

チャドンと共にアジトに出向いたイ・グムは、チャイナドレス姿のヨジに遭遇し、ドギマギする。潜入捜査のことを聞いてヨジの変装に納得するが、セクシーなチャイナドレスは気に入らないイ・グムは、こじつけて和服に着替えさせるが、この姿にも胸をざわつかせてしまう。
ボディラインの出るチャイナドレス姿を見て落ち着かないのはイ・グムだけの様子。もっともムンスも和服姿のヨジには女性を感じた様子。それにしても鈍感なヨジとムンス。どうやら一番若いアボンだけがイ・グムの気持ちを察するようだが…。

タルムンは、昨夜助けた少女の様子を見に行き、少女の世話をするコミが脚を引きずるのは、領議政キム・チャジュンの家で妾ユニョンに折檻されたためと知る。
コミもまたタルムンに助けられた少女。その少女から今はミルプン君夫人となったユニョンの名を聞いてタルムンの表情が曇るのはなぜ?

宮廷では、景宗がイ・グムの逆心を案じる少論のイ・グァンジャに「王を殺すとでも?余も彼を信じていないが、機会は与えてやるべきだ」と諭す。

いよいよヨジが和人(日本人)朝子のふりをして妓楼に潜入するが、主人ト・ジグァンに目をつけられてしまう。昨夜取り逃がした少女のことで気が立っていたジグァンは、両班に変装して偵察をしていたタルムンの右腕グンテとイ・グムの腹心チャドンを袋叩きにして、タルムンに送りつけ、奇襲する。少女をかばったタルムンは危機に瀕するが、イ・グムに救われる。ジグァンがヨジたちが潜入している妓楼の主人だと聞き、さらに清に少女たちを売り渡そうとしているのもジグァンだと知ったイ・グムは妓楼に駆けつける。
ちょっぴり奇妙な和装姿のAra。ここでは可愛い日本語も話すのでお聴き逃しなく。

駆けつけたイ・グムはパク・ムンスと遭遇し、「お前たちが探すのは清国人ではない」と教え、ヨジを探す。その頃、清国人とジグァンとの会話を盗み聞きしていたヨジは、ジグァンの部下に見つかってしまう。ジグァンに黒幕を問い詰められ、腕を刺して逃げようとする。ムンスが駆けつけてジグァンの手下たちと戦う。その頃、ヨジを探していたイ・グムは、司憲府の役人が刺されるのを目撃するが、犯人を取り逃がしてしまう。助けを求めて役人の止血を試みるが…。
ここではヨジ役Araとパク・ムンス役クォン・ユルのアクションに注目。特にAraの縄を使ったアクションはお見事。一方、役人を刺した犯人の首の“殺主”は、主人を殺害するという意味。犯人はいったい何者?

■豆知識:朝講禮(チョガンイェ)
朝鮮時代の王は多忙だが、東宮(世子や世弟)の一日も超多忙だ。朝起きると、王の食膳を確認し、両親が健在ならせんじ薬などの味見もする。王や王室の年長者への挨拶を済ませて朝の講義。これが朝講だ。昼、夜にもそれぞれ昼講、夜講があり、夕食の後、今度は夜の挨拶をしてやっと一日が終わる。東宮の教育を担当するのが世子侍講院(セジャシガウォン)で、東宮は講禮以外にも昼夜問わず何度も侍講官を読んで勉強をする。「世子侍講院」については【朝鮮王朝豆知識】「◆侍講院(シガウォン)」で詳しく解説している。

■キャスト相関図(NHK)
延礽君ことイ・グム役:チョン・イル
茶母ヨジ役:Ara(コ・アラ)
熱血漢パク・ムンス役:クォン・ユル
町のごろつきダルムン/タルムン役:パク・フン
密豊君ことイ・タン役:チョン・ムンソン
ほか

NHK「ヘチ 王座への道」番組サイト
 2021.02.14スタート 毎・日23:00-24:00 NHK総合
 2019.11.10-2020.05.03 毎・日21:00~22:00 BSプレミアム
作品公式サイト

kandoratop【作品詳細】【「ヘチ」を2倍楽しむ】