チョン・イル「ヘチ 王座への道」第11話<跛行者 あばたの顔 九つの指>ネタバレあらすじと見どころ、豆知識:耆老宴って?

2021年04月24日08時50分ドラマ
©SBS

ト・ジグァンの人身売買を先に罪に問い、殺主契の少女をかばう道理を作ろうとしていたイ・グムたちだったが…韓国本格時代劇「ヘチ 王座への道」第11話あらすじと見どころ、豆知識を紹介、番組公式サイトにはチョン・イルからのコメントと予告動画が公開されている。
※オリジナル版を参考にしているために、カットされたシーンやあらすじが前後する場合もあることをご理解ください。

※この記事は、2019年11月10日~2020年5月3日までNHKBSプレミアムでの放送時に紹介したものです。
●ネタバレなしの第11話のあらすじはこちら【「ヘチ」を2倍楽しむ】では、ドラマの時代背景や見どころや実在の人物紹介などをまとめて紹介。



■第11話「跛行者 あばたの顔 九つの指」(見どころ・豆知識)
司憲府にミン・ジノンが現れ、イ・グムの前に役人を殺した少女を突き出す。少女や彼女が所属する殺主契の犯行を知りながら、隠していたとウィ・ビョンジュに問い詰められたイ・グムは、少女をかばうために「この娘を見た」と証言する。一方、パク・ムンスたちは、人身売買を行っていたト・ジグァンを捕らえようと妓楼に乗り込むが、王族であるミルプン君/イ・タンに阻まれる。
齊坐(チェジャ)の場に引きずり出され、“殺主”の刺青を確認するために服をはだけさせられた少女。その時のイ・グムのジェントルマンな行動に注目!

イ・グムが殺主契をかばっていたという報告を受けた王、景宗は、イ・グムに弁明の機会を与えようとするが、重臣から「これ以上世弟を守ることは司憲府、司諌府、弘文館を敵に回すことになる」と厳しく諫言される。それでもイ・グムを守ろうとする景宗は…。
司憲府、司諌府、弘文館は、すべての政治と全役人を統括する最高官庁である議政府に属し、各行政機関をけん制する三司と呼ばれる機関で、政策決定並びに行政家庭の過ちや不正を防止するための諫言や監察の役目を果たしていた。。

別室に移されたイ・グムを訪ねたミン・ジノンは、搾取、高い年貢、貧困と飢え、土地を奪われた良民が奴婢になり、親が子を売る現実。それが子供に殺人をさせることになった事実だと知っていた。「事実を知っていても知らぬふりをするのが政事なのか?」と畳みかけるイ・グムに、「人間は本来、区別や差別をするもの。だから子供たちを生かすことも殺すこともできるのがこの国の両班」といい、殺主契の子供たちを憐れむイ・グムに、「やはり賤しい者への憐憫が大きい」と不遜な態度で言葉を重ねる。その頃、司憲府では裁きをしないまま殺主契の子供たちを皆殺しにしようと島へ向かう。逃げ惑う子供たちをかばってパク・ムンスとアボンも滅多打ちされてしまう。

司憲府と漢城府が協同捜査をするという名目で、イ・グムは漢城府に押送されることに。イ・グムを市中引き回して民たちの前で恥をかかせようというウィ・ビョンジュの魂胆を見抜くタルムンとヨジは怒りに震える。

晒し者になりながら歩くイ・グムは、群衆の中から駆け寄ろうとするヨジを見つけ、とどまるよう目で制止する。何とか冷静でいたイ・グムだったが、血まみれで縄にかけられたムンスとアボンの姿をみて、涙をこらえきれなくなる。
タルムンたちの想像通り。民たちは口々にイ・グムの悪口を言う。チョン・イル(グム)とクォン・ユル(ムンス)の言葉を交わすことのできない遭遇が哀しすぎる。

その夜、少論の長チョ・テグがミン・ジノンを訪問し、拾った子猫を贈り物として渡す。ミン・ジノンは今の老論が腐っているのを認めたうえで、分裂した老論を一つにすると決意を口にする。そして、政界に戻って来たチョ・テグに、両班たちの怒りを抑え、景宗を守るためにもイ・グムを諦めるよう警告し、協力を要請する。
ミン・ジノンとチョ・テグとの会話で「我らはもともと同じ出だ」という台詞がある。少論も老論も元は西人。これについてはコチラで詳しく解説。



翌朝、老論と手を組むことにしたチョ・テグは、少論派の重臣たちにイ・グムを廃位させると決意を口にし、老論とも親し気に挨拶をかわして便殿へ。ところが景宗が現れない。その頃、宮殿から抜け出した景宗はイ・グムに会いに行っていた。「重臣たちの要求通り廃位してください」と言うイ・グムに、「 勘違いするな ! この国の王は私だ。」と一喝する景宗。「責任とは取れる者にしか取れぬ! 耆老宴にでて、お前が今も世弟として健在していることを示して、自らの座を守れ !」と指示し、 イ・グムを釈放する。
共通の敵(イ・グム)を倒すために、老論と少論は一時休戦。この回の景宗は、いつにもまして素敵だ。

重臣たちが待つ便殿に平服で登場した景宗は、「世弟の廃位を認めない!」と宣言する。「世弟は殺主契を庇護しているのではない!」と続ける景宗に「殺主契を知っていて許したのですか?両班を捨てるのですか!」と声を荒げて重臣たちを驚かせる。
「君子は恥を知らないことを恥ずべきだ。政治とは貧しいものを救うためにあり、富む者を助けるためではない」これを景宗に教えたのはチョ・テグ。

一方、耆老宴の壇上に立つイ・グムは覚悟を決めて、殺主契と人身売買、そして両班たちの過酷な税の取り立てについても話し出す。「土地のない民が、小作料を払った上になぜ過酷な税まで払わなけではならないのか」という疑問を呈し、畑を耕す民がいるから両班は生きていけるという、これまで誰も言わなかった言葉を口にした。そしていつか自分が王位に就いたときには、税は土地持ち(両班)に課すと宣言する。イ・グムに冷たい目を向けていた民たちは感銘を受け、両班たちは反発する。このことはすぐに景宗やミン・ジノン達にも伝わる。
本心とはいえ、イ・グムはなぜわざと両班を怒らせるような話をしたのか?戻って来たイ・グムと景宗との2ショットで明らかになるので、お聴き逃しなく。

両班からの猛反発を受けたイ・グムはいよいよ廃位の危機にさらされることに。釈放されたパク・ムンスとアボンは、イ・グムの廃位を叫ぶ両班たちをみて愕然とする。そしてヨジンから耆老宴のことを聞く。そんな中、民はイ・グムの擁護を始め…。
民がイ・グム擁護に動き出したきっかけとなるのが、今回サブタイトルともなった、両班から酷な仕打ちを受けた者たち。

その夜、少論のイ・グァンジャは、宮殿の塀に貼りつけられた両班の訴状の中に、1通の手紙に注目する。そこには、ハングルで、「世弟を廃位しないでくれ」という言葉と号牌が貼りつけられていた。このことは瞬く間に市中に知れ渡り、世子を擁護する民の号牌が山のように集まり、号牌を持たない者は石や木片に名前を書いて置いていった。牢の中の殺主契の少女までが、イ・グムへの感謝の言葉と共に“コンニム”と名前を書いた小石をヨジに渡す。
号牌とは当時の身分証明書。2話で告知した通り、この回はこれが重要な役目を果たす。自身の身分を明かしてまで、イ・グムを守ろうとする民たちの行動に驚くイ・グァンジャ。今度ばかりはタルムンの仕掛けではなく、真実の民の声。号牌の山を見てミン・ジノンは何を思うのか?感動のシーン。今回は間違いなく“神回”だが、史実をよく知る韓国の視聴者からは、「事実と違い過ぎる」という声も上がった。

その夜、号牌の山をみたミン・ジノンは、チョ・テグから「民心を得たイ・グムを少しの間でも受け入れてはどうか」と聞かれ、ミン・ジノンは負けを認めた上で、老論派の要望書を渡す。そして、「世弟は運が悪い。ここで退けば、命だけは助かる唯一の機会だったのに…」と意味深な言葉を吐く。一方、イ・グァンジャとチョ・ヒョンミンもイ・グムを支持することにし、号牌を差し出す。
号牌の山をイ・グムはどんな思いで見つめるのか?

数日後、パク・ムンスの様子を見に行ったイ・グムは、帰り際にヨジと出くわし、宮女になってイ・グムをお守りしたい、とヨジに頼まれる。宮女が雑務をするだけになく、王の女であるということを知らないヨジにあきれるイ・グムは、「宮女になるということは…」と…。
イ・グムのジョーク交じりの見舞いの後の胸キュン。この後どうなるのか?ところで、ミルプン君からタルムンの名を聞いたユニョンが取り乱す。いったい、タルムンとユニョンの関係は?

■豆知識:耆老宴(기로연=キロヨン)
第19代王肅宗時代の行事。キロヨン写真と情報:konestより70歳以上の元老たちが参加する国王の諮問機関「耆老所(キロソ)」への新たな入所を記念して行われた祝いの宴。当時は年配者の豊富な知識と経験、それらに基づく指導力が国家体制の維持に不可欠だと考えられていた。70歳以上の正二品以上の文官をねぎらう敬老政策としての一面もあった。この再現行事がソウルの中心部にある景福宮(キョンボックン)内の修政殿(スジョンジョン)で行楽期の休日に行われる。
※正二品とは、朝鮮時代の文官と武官との職位で、詳しくは朝鮮王朝豆知識で解説。

■キャスト相関図(NHK)
延礽君ことイ・グム役:チョン・イル
茶母ヨジ役:Ara(コ・アラ)
熱血漢パク・ムンス役:クォン・ユル
町のごろつきダルムン/タルムン役:パク・フン
密豊君ことイ・タン役:チョン・ムンソン
ほか

NHK「ヘチ 王座への道」番組サイト
 2021.02.14スタート 毎・日23:00-24:00 NHK総合
 2019.11.10-2020.05.03 毎・日21:00~22:00 BSプレミアム
作品公式サイト

kandoratop【作品詳細】【「ヘチ」を2倍楽しむ】