チョン・イル「ヘチ 王座への道」第17話<悲しい使命>ネタバレあらすじと見どころ、豆知識:附子と断指

2021年06月05日09時25分ドラマ
©SBS

流刑地に送られるミルプン君の不敵な笑みの意味がついに明らかに…今回は、このところ回想シーンだけに登場していたヨジ役のAraがついに復帰!そしてイ・グム役のチョン・イルの号泣に視聴者の涙腺も崩壊必至!韓国本格時代劇「ヘチ 王座への道」第17話あらすじと見どころ、豆知識を紹介、番組公式サイトにはチョン・イルからのコメントと予告動画が公開されている。
※オリジナル版を参考にしているために、カットされたシーンやあらすじが前後する場合もあります。

※この記事は、2019年11月10日~2020年5月3日までNHKBSプレミアムでの放送時に紹介したものです。

●ネタバレなしの第17話のあらすじはこちら【「ヘチ」を2倍楽しむ】では、ドラマの時代背景や見どころや実在の人物紹介などをまとめて紹介。



■第17話「悲しい使命」(見どころ・豆知識)
王、景宗が突然、原因不明の病に倒れた。チャドンから内医院の柱に血がついていたと聞いたイ・グムは、ミルプン君イ・タンが捕らえられる前に、景宗の煎じ薬に毒を盛るよう仕組んでいたと疑い、宮中の薬を使わないよう指示し、国中の医者を集めるよう命じる。だが朝廷では、イ・グムが病状の重い景宗に宮中の薬を禁じたのは、病を治す意志がないからだと疑い始める。王妃もまたイ・グムを恨み、大妃はそんな王妃を嗜める。
イ・グムを怪しむ急先鋒に立つのは少論のチョ・テグ。「景宗の病を治す気があるのか」問いただす無礼極まりない言動に、イ・グムが必死で怒りを抑える姿を、チョン・イルが玉座の肘を握る手で表現する。一方、老論のミン・ジノンは、ミルプン君が毒を盛ったと証明できない場合に備え、知らぬふりをするよう助言。為政者になるつもりなら「責任を取ることだけが全てではない。責任を避けるすべも知らなければならない」というミン・ジノンの言葉にイ・グムはどんな答えを出すのか?

イ・グムは、ミルプン君が清から手に入れた猛毒を景宗に使った可能性があると、パク・ムンスに打ち明ける。そして、ミルプン君、ウィ・ビョンジュ、ト・ジグァンを再調査するよう指示する。ムンスはミルプン君のすべてを知る愛人ユニョンが消息を絶っていると報告する。そのころ内医院の医女長と会って戻って来たユニョンは、心配顔のタルムンに、気晴らしで出かけただけ、今は生きていることが嬉しいと安心させる。
情報操作や人を見抜くのに長けているはずのタルムンも惚れた女の嘘は見抜けないのか?

司憲府に戻ったムンスは、ユン・ヒョクにウィ・ビョンジュを、アボンとチャンダルにト・ジグァンの再調査を任せ、ミルプン君の流刑地へ向かうことい。出発の前にタルムンを訪ね、ユニョンを捜してくれるように頼む。
一瞬目を泳がせるグンテ。その時タルムンは?

内医院の捜査が始まり、都中の医者の中からかつて粛宗の痘瘡の治療に成功した名医チェ・ソンジョが選ばれ景宗の治療をすることに。
ミン・ジノンが言った「為政者たる者」に対するイ・グムの答えが聞ける。現代の政治家にも聞かせたい名言なのでお聴き逃しなく。

その頃、イ・グムの側室チョホンは出宮した宮女たちが暮す村を訪ね、ヨジに会っていた。そして、宮女として入宮するように告げ、大妃と引き合わせる。深く澄んだ目をしたヨジをひと目で気に入った大妃は、司憲府で茶母として長く勤めていたというチョホンの推薦を聞き、大妃殿の宮女にすることを即決。そして世弟イ・グムを全身全霊で守ってほしいと頼む。部屋を出たヨジは、イ・グムには内緒にしてほしいとチョホンに頼み、柱の陰で龍袍(ヨンポ)姿のイ・グムを見つめ、宮女になるなと言ったイ・グムの言葉を思い出し、涙を流す。
ヨジは、宮女になってイ・グムを傍で守りたいという夢を諦めていなかったのだ。16話で、チョホンは「ヨジは司憲府の仕事で揚洲に行っている」と話していたが、実は密かに宮女見習いをしていた。裁縫炊事や王室の規則に至るまで宮女見習いをしていた。久々に登場したAraの流す涙にヨジのイ・グムへの恋心が見える。

流刑地のウィ・ビョンジュは悪夢にうなされ、すっかり心を病んでいた。翌朝訪ねて来たユン・ヒョクに、景宗が危篤なのかと尋ねるビョンジュン。その頃、ト・ジグァンを尋問するチャンダルとアボンも、ミルプン君に渡した毒の解毒剤はないこと、王が危篤ならその毒薬を使ったはずと聞き出していた。そして、流刑地のパク・ムンスもまた、イ・グムが王位に就くことだけは我慢ならないというミルプン君から、計略の内幕を聞く。その内幕とはこうだ。「イ・グムを選んだ景宗に毒を飲ませ、イ・グムにそれがミルプン君の犯行と気づかせるために、内医院にわざと血痕を残す。そうすればイ・グムは決して内医院の薬を飲ませないから。そして景宗が死ねば、イ・グムの責任となる」
3カ所での再調査で事件の真相は究明できた。だが証拠がない。ただ一人証明できるのは実行犯。実行犯と接点を持つのは…。ところで暗闇に紛れてウィ・ビョンジュを訪ねてきた男がいる。彼のセリフをお聴き逃しなく。男の正体は、歴史好きファンならすぐに気づくはず。ムンスに首を絞められながらも、口の端に血の痕をつけて不敵な笑みを浮かべるミルプン君役のチョン、ムンソンが、米アカデミー賞主演男優賞を受賞した『ジョーカー』のホアキン・フェニックスに見えるのは筆者だけだろうか?

チャンダルたちからの報告で解毒剤がないと知ったイ・グムは焦る。名医も手立てがないという中、イ・グァンジャが最後の望みとして毒草だが難病を治した“附子”に人参を混ぜて毒性を緩和させる方法を提案する。景宗が飲まされた毒には人参と相性の悪い毒草が入っていると聞いたイ・グムだが、藁にもすがる思いでその方法で薬湯を作らせて景宗に飲ませるよう命じる。
責任は提案した自分が取るというイ・グァンジャに、景宗から教えられた「責任は取るべきたちはにいる人間がとるべき」という言葉で、全ての責任は自分が追うと答えるイ・グム。今回は名言のオンパレードだ。

都に戻ったパク・ムンスは、全てがミルプン君の罠だとイ・グムに報告する。その直後、薬湯を飲んだ景宗は意識を取り戻す。イ・グムの手を握り、「お前の王座を奪った私を許してくれ。どうか民の為に立派な王になってくれ。私がなれなかった、夢見た王に…」と最期の言葉を残して息を引き取る。イ・グムは小刀で自分の手を切ってその血を兄・景宗に飲ませて生き返らせようとするが…。
目を腫らし、唇まで荒れたチョン・イルが号泣する姿はとても演技とは思えないなりきり度200%だ。

その頃、ユニョンは毒を盛った内医院の医女長に会っていた。ミルプン君の全財産の半分をよこせという医女に手形を渡し、菊花茶を振る舞う。医女の家を出たユニョンの前にタルムンが現れる。「王は死に、世弟が責任を問われる。そして真実は闇に葬った」、というユニョンの言葉を聞いたタルムンが家の中に入ると…。

その夜、イ・グムと重臣たちは喪服に着替え王の死を嘆き悲しむ。その後、チョ・テグは小論派の重臣たちを引き連れて…。
チョ・テグは何を決意し、何処へ向かうのか?



■豆知識:附子と断指
附子(부자=プジャ)とは、賜薬(毒殺刑)にも使う毒草で漢方としても使われる。漢方として使うときは“ぶし”とよび、毒の時は“ぶす”と呼ぶ。聴きなれない名前だが、“トリカブト”のこと。不美人のことを“ブス”というが、これは、附子の毒で神経がやられ、顔の表情がおかしくなったことに由来しているそうだ。『東海道四谷怪談』でお岩が飲まされた毒がこれだとされている。「太陽人 イ・ジェマ」8話「ホジュン 宮廷医官への道」 23話など、韓国時代劇に度々登場する。また、人参と相性が悪いと言われる黎蘆(ヨロ)は「棕櫚草=シュロソウ」とも呼ばれユリ科に属する有毒植物。
断指(단지=タンジ)とは、イ・グムが死亡した景宗に自分の手を切って血を飲ませようとした行為。両親や家族が瀕死になった時、自分の指を切ってその血を飲ませたことからこう呼ぶ。医学的な根拠はないが、こちらも韓ドラ時代劇で度々見かける。「帝王の娘 スベクヒャン」68話では、この行為で隠された親子関係が明らかになるという切ない演出で使っている。

■キャスト相関図(NHK)
延礽君ことイ・グム役:チョン・イル
茶母ヨジ役:Ara(コ・アラ)
熱血漢パク・ムンス役:クォン・ユル
町のごろつきダルムン/タルムン役:パク・フン
密豊君ことイ・タン役:チョン・ムンソン
ほか

NHK「ヘチ 王座への道」番組サイト
 2021.02.14スタート 毎・日23:00-24:00 NHK総合
 2019.11.10-2020.05.03 毎・日21:00~22:00 BSプレミアム
作品公式サイト

kandoratop【作品詳細】【「ヘチ」を2倍楽しむ】