Perfume 4大ドームツアーの中から東京ドーム公演を今夜(29日)WOWOWで放送|一足先にライブレポート到着

2020年03月29日17時40分芸能
撮影:AZUSA TAKADA

メジャーデビュー15周年を記念して、Perfumeがベストアルバムを携えて行った4大ドームツアーの中から、2月25日(火)東京ドーム公演の模様が、WOWOWにて本日3月29日(日)夜8時より放送されるが、これに先駆けて、ベールに包まれていたライブのレポートとセットリストが到着した!アーティスト公式サイトにはライブでも披露した「再生」などのミュージックビデオが公開されている。



【Perfume東京ドームライヴレポート】

Perfume結成20周年、メジャー・デビュー15周年。
これを記念して行われた4年ぶりのドーム・ツアー。そのファイナルとなった2月25日は、約8年ぶりとなる東京ドーム。これは3人の記念日としてだけではなく、Perfumeとファンのひとりひとりが歩んできた、いくつもの大切な記憶を思い出す、素晴らしいライヴだった。

撮影:Aki Ishii撮影:Aki Ishii

開演前。ステージ後方のスクリーンには1から54までの数字、そして曲名が映し出されていた。昨年9月にリリースされたベスト・アルバム『P Cubed』に収録された楽曲の数とタイトルだ。このツアーは、その収録曲からファン投票が行われ、ドーム公演で聴きたい曲を募り、その集計の上位を中心にセットリストが組まれている。またステージの下手には1から11、上手には12から21、どこか見た記憶が残る数字のオブジェが並んでいた。これは10年前、最初の東京ドームのライヴタイトルにちなんだもの。下手が当時のタイトルで、結成10周年、そして11年目がスタートすることを意味しており、そして上手は20周年となる今年までと、21年目のスタートを表している。始まる前から、そういうひとつひとつの演出がされている。

撮影:Yosuke KAMIYAMA撮影:Yosuke KAMIYAMA

ライヴの1曲目からそうだった。オープニング、中田ヤスタカによる過去のシングル曲をミックスした「Opera」に続いて、スクリーンに映し出された映像は、重い扉を開け、3人がゆっくりと光に向かって歩みを進めるもの。ヒールの音と緊張を感じさせる呼吸。そして逆光の中、ステージに登場したシルエットの3人は、着ていたマントを後ろに投げ捨てる。そして始まった「GAME」。ファンは気づいた。これが12年前、2008年のファースト・ツアーのオープニングとまったく同じであることに。

撮影:Yuki Kawamoto撮影:Yuki Kawamoto「こんばんは、Perfumeです! 会いに来てくれてありがとう!」
続く「Spending all my time」前の、あ〜ちゃんによる短い挨拶。この言葉には、この日を迎えられた喜び、そして自分たちを信じて来場してくれた人たちへの感謝。いろんな思いがこめられていた。そして「Dream Fighter」へ。12年前、初の日本武道館公演という夢を叶える3人に贈られたこの曲だが、その歌詞のように、終わりのない旅は続いている。この事実に胸がいっぱいになる。

「最高の時間にしたいんですけど、みんなはどうですか?」 あ〜ちゃんのMCに対する会場の大きな反応に、すでに3人とも感極まっている様子が伺える。メンバーが会場にいるPerfumeのコスプレを探す姿も、どこか昔を思い出す。ライヴはそんな記憶をさらに呼び起こしていく。恒例の会場グループ分けは、〈あ〉〈べ〉〈さん〉。インディーズの頃からずっと一緒にやってるスタッフの名前。

撮影:Yuki Kawamoto撮影:Yuki Kawamoto

「みんなのいろんな思いや思い出をみせあいっこして、いろんな感情になりながら、楽しんで帰りたいなと思ってます」とあ〜ちゃんが言っていたように、それぞれの思い出が心に浮かぶ、そんな楽曲と演出が続く。「だいじょばない」は、昨年のCoachella2019で見せた、ライゾマティクスによるリアルタイム演出を再現し、新曲の「ナナナナナイロ」に続く「SEVENTH HEAVEN」のイントロのピアノアレンジは、2008年のSHIBUA-AXで行われたライヴのオープニングを再現していた。気づいたファンはもちろん、それをわからないファンにもその思いはちゃんと伝わっていた。

撮影:Yuki Kawamoto撮影:Yuki Kawamoto

そしてメドレーで披露された9曲。こういう形になることで、余計に思い出がフラッシュバックしてくる印象。まさか「チョコレイト・ディスコ」がこのメドレーに組み込まれるとは予想もしなかったが、曲のつなぎが素晴らしい。スクリーンにはMVが映し出され、ひとりひとりの記憶をさらに呼び起こしていく。またこの10分以上のメドレーをやりきる3人のパフォーマンス力にも改めて驚かされる。

撮影:撮影:Yasuyuki KIMURA

3人が姿を消したステージに、中田ヤスタカによる「Chrome」が流れる。3つのキューブ形のスクリーンに、3人のポリゴンが投影される中、それぞれのハイトーンな声が聴こえ、メンバーがキューブ型のステージに現れた。カウントダウンに続いて始まったのは「edge」。上手、中央、下手、それぞれのキューブに乗って、客席を移動していく。アリーナ中央でそれが再び合体し、ステージとなった。モニターに向かって指で⊿を描くパフォーマンスも思い出深い。

撮影:撮影:osuke KAMIYAMA撮影

そのキューブに乗ったアリーナ中央で、スクリーンにはこれまでのライヴツアーのデータが機会的に読み上げられ、スクリーンにはビジュアル化されたデータと3人のポリゴンで作られた映像が映し出される。これは〈Reframe〉で見せた「Visualization」の再現だ。それが最新曲となる「再生」に繋がり、Perfumeの今、そしてこれからを感じさせる。
続いてそんなテクノロジーとは間逆な『「P.T.A.」のコーナー』へ。中央のキューブが再びアリーナを動き出し、客席とやりとりする間に、3人はスタンド席の近くまでやってくる。「はみがきのうた」そしてNHKの「できるかな」の振りと歌を指導。これが本当に難しい。そしてあ〜ちゃんの教えはとても厳しい(笑)。

そして後半、「Party Maker」で会場を興奮の渦に。ここで特筆すべきは「ポリリズム」の演出。Perfumeがブレイクするきっかけとなったこの曲で、スクリーンには様々なライヴやフェス、テレビ番組でこの曲を唄う映像が映し出され、さらにサビでは大きく花火が上がった。これは最初の東京ドームでの演出のオマージュ。あの日の感動を思い出し、胸がいっぱいになる。3人とファンが築いてきたその絆を感じると共に、20年という長い時間をひもといて、3人がPerfumeを続けてきたことに間違いはなかったんだと、このライヴが証明していた。

撮影:Yosuke KAMIYAMA撮影:Yosuke KAMIYAMA

続く「Challenger」がこれからもこの挑戦が続いていくことを証明していた。そしてラストの「MY COLOR」が、ずっと変わらず、僕たちに会いに来てくれることを、そしてPerfumeはPerfumeであり続けることを唄っていた。こうやってみんなから求められることで、そしてその期待に応えようとすることで、Perfumeはその夢を叶えてきた。そしてこれからも求められる限り、その夢はずっと続いていく。そしてお互いにとって、Perfumeが人生になる。ファンの投票でセットリストを決めたのも、そういう思いから来ているのだろう。そんなことを改めて感じた20周年、そして21年目の未来の始まりに相応しいライヴだった。

「信じてもいい?」
「MY COLOR」が始まる前、あ〜ちゃんがつぶやいた。Perfumeと僕たちが、そうやってお互いを信じてきた、その思いが確かなものとなったのが、この日のライヴだった。
Perfumeと僕たちの夢は永遠だ。
文:金光裕史



『Perfume 8th Tour 2020 “P Cubed” in Dome』@2020/2/25 TOKYO DOMEセットリスト
M1 Opera
M2 GAME
M3 Spending all my time
M4 Dream Fighter
M5レーザービーム
M6 Hurly Burly
M7だいじょばない
M8ナナナナナイロ
M9 SEVENTH HEAVEN

M 10 P Cubed Medley
(チョコレイト・ディスコ〜Baby cruising Love〜ねぇ〜コンピューターシティ〜Spring of Life〜Sweet Refrain〜NIGHT FLIGHT〜未来のミュージアム〜STAR TRAIN)
M 11 Chrome
M 12 edge
M 13 Visualization
M 14再生
M 15 Party Maker
M 16 パーフェクトスター・パーフェクトスタイル
M 17 TOKYO GIRL
M 18ポリリズム
M 19 Challenger
M 20 MY COLOR

Perfume 8th Tour 2020 “P Cubed” in Dome 特設サイト
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