韓国ドラマ「サイコだけど大丈夫」感動の最終回を迎えた韓国での評判をレポート!

2020年08月11日20時00分ドラマ
©tvN

キム・スヒョンとソ・イェジ主演のNetflixオリジナルシリーズ「サイコだけど大丈夫」が、8月9日韓国tvNにてついに放送終了を迎えた!今回は最終回を迎えた直後の韓国での評判などをご紹介したい!Youtubeにて予告動画は視聴できる。

「サイコだけど大丈夫」は、手に負えない人生の重さで愛を拒否している精神病棟の介護士ムン・ガンテ(キム・スヒョン)と、生まれつきの欠陥で愛を知らない童話作家コ・ムニョン(ソ・イェジ)が、お互いの傷を労り治癒していく、ファンタジー童話のようなロマンチックコメディ。【「サイコだけど大丈夫」を2倍楽しむ】では、各話のあらすじと見どころ、豆知識、関連動画、韓国での評判などをまとめて紹介している。



主演を演じたキム・スヒョンは昨年(2019年7月)除隊し、本作品で5年ぶりのドラマ復帰となった。これまでに「星から来たあなた」「プロデューサー」「太陽を抱く月」など多くの大ヒットドラマの主演を務めた彼が、今度は夢も希望もなく生きる精神病棟の介護士、ムン・ガンテを演じた。
人気の童話作家で、眩しいほどの美貌で多くの人々の羨望の的となるヒロインのコ・ムニョンを演じるのは、「夜警日誌」「君を守りたい」「無法弁護士」などのソ・イェジ。彼女の持つ優雅な雰囲気は童話作家というキャラクターにぴったり。しかし、彼女がこれまで演じた役では見られなかった完璧な外見とは裏腹に内面は冷たく、人々に共感することができず愛という感情を知らない女性を演じた。

放送前から話題を呼んだ本作品。“愛に関する少しおかしなロマンチックコメディ”というキャッチコピーに始まり、童話を織り込みながらのストーリー展開、初回の冒頭から人形劇で始まるなど、ファンタジードラマかな?と思わせるような不思議な雰囲気を醸し出し、既存のドラマとは明らかに異なる斬新なドラマで視聴者たちの注目を浴びた。しかし実際視聴していくと、ファンタジーでも何でもない、現代人ならだれもが持っていそうな悩みや過去のトラウマなど人々の心の闇の部分を描き出し、しっかり向き合い克服していくという、人々の成長ストーリーであった。思わぬ展開に視聴者は驚きながらもどっぷりとハマり、笑って涙を流しながら自身のことも振り返る…そして毎回テーマとして挙げられる童話。誰もが知っている有名な話も多く登場するが、こんなにも深い話だったのかと驚くほど、視聴者の心にスッと深く染み渡っていく。作品の製作意図、メッセージがこれほどにまではっきりと深く伝わってくるようなドラマも珍しいだろう。

視聴率に関しては、初回の6.1%を皮切りに平均して5%台を維持しながら推移。そして第15話は6.5%、最終回視聴率は7.3%と連日自己最高記録を更新して幕を閉じた。話題の割には意外と視聴率が芳しくないと思う人もいるかもしれないが、最近は一概に視聴率だけでその作品を評価できない時代になってきている。特に最近はコロナによる自粛期間を経て、これまで以上にネットでドラマなどを視聴する人が増えたことから、視聴率に反映するリアルタイムでの視聴者は以前より少なくなってしまったのは事実だろう。視聴率の数値だけではその作品の人気度は計れないということだ。いつでもどこでも好きな番組を観れるという手軽さは特に若い世代に受け入れられ、もはや日常の一部となっているようだ。

実際に、新鮮で斬新かつ心に深く残るストーリーの本ドラマは韓国で大きな注目を集め続けた。放送期間中は常に高い話題性を維持しており、初回から7週連続でテレビドラマの話題性1位を独占し、キム・スヒョンもまた7週連続ドラマ出演者話題性1、2位として名が挙がった。Netflix内の人気も高く、韓国では常にランキングトップ10入りだ(現時点において1位)。また韓国だけでなく全世界190カ国以上でもNetflix配信されている。

一部ネットニュースなどで、「キム・スヒョンが除隊後復帰作で選択したドラマとしては大衆性が不足してファンたちには多少物足りなさを抱いた」など否定的な内容も見受けられたが、正にその斬新性、独特なストーリー展開が本作品の魅力ではなかろうか。本作品は主人公たちが何らかの精神疾患を抱えているという、心の病に罹る人々自体にフォーカスを当て、 お互いを愛で治癒しながらトラウマを克服し、大人に成長する過程が描かれた。更にドラマの舞台が精神病院ということもあり、主人公以外にも多くの精神疾患を抱えたキャラクターが登場し、多様なエピソードが繰り広げられる。それが単純にその回だけで終わることなく主人公にも大きな影響を与え、また最終回に再び登場するなどサイコ16©tvN(患者役で特別出演したペ・ヘソン、クァク・ドンヨンも再び登場)すべてが一つの作品として深く繋がっており、「単に話題を増やすための用途で消費しなかった努力も印象的だった」と高い評価を得ている。最後に出てくる絵本のストーリーからも一目瞭然だ。

このように感覚的で繊細な演出、毎回童話を活用して意味あるメッセージを投げかけた本ドラマは、多くの人々の「人生ドラマ」(韓国では「過去最高の」「これまでで一番」などといった意味で「人生〜」と表現する)だと言われており、 脚本や演出が高い評価を得ているが、このドラマの魅力を最大化させたのが何といっても俳優たちの名演技だろう。

主人公ガンテを演じたキム・スヒョンは、ドラマ前半では感情を極度に抑え、無表情でありながら視線で内面の憂鬱感や虚しさ、寂しさを見事に表現。これまでずっとサンテのことで手一杯でも大丈夫なふりをして耐えてきたが、ムニョンに出会い、偽善者と言われ、少しずつ自分の傷に向き合い変化していく。内面の痛みや孤独がにじみ出るキム・スヒョンの演技は視聴者のドラマへの没入度を最大限に高め、感情が爆発して涙を流すシーンは多くの視聴者の心を震わせた。キム・スヒョンが除隊後復帰作として本作品を選んだことについて「ガンテの心の傷を表現し、その傷を治癒していく過程を通じて共感を得たかった」と語っているが、これだけの高評価に、次回作への期待も高まっている。

またムニョンを演じたソ・イェジは、初回からその美貌や華やかなファッションで多くの話題を呼んだが、放送を重ねるごとに豊かになっていくその表情、普段は強気で魔女のような雰囲気であるものの時折みせる少女のような初々しい姿、ガンテに見せるとびきりの笑顔など、ムニョンがどんどん変わっていく姿を魅力たっぷりに演じた。彼女目当てでドラマを見ていた視聴者たちも改めて彼女の演技力に感心することも多く、ソ・イェジの魅力が遺憾なく発揮された作品と言えるだろう。

そして最終回で特に注目を浴びたのは、ガンテの兄サンテを演じたオ・ジョンセ。彼は前作「椿の花咲く頃」「ストーブリーグ」に続き本作品でまた「人生キャラクター」を更新して多くの賛辞を受けた。 時には子供のようなあどけなさを、時には心の傷の痛みを表現し視聴者たちに笑いや感動を届けた。後半からサンテが少しずつ大人になろうと自ら努力し成長していく姿が見られたが、最終回ではサンテからの思わぬセリフに、ガンテだけでなく視聴者まで涙が止まらなかったはず。オ・ジョンセは今回の作品を通じて改めて「信頼できる演技力と興行力を立証し、真のテセ(韓国語で旬、流行り、一番人気という意味)俳優であることを証明した。」と絶賛された。

多くの視聴者の心を動かし、自身を見つめ直すきっかけとなり、そして癒しを与えてくれた本作品。Netflixでも配信中であり、まだ未視聴の人は今すぐにでも、既に視聴済みの人は更に細かい部分までチェックし、本作品独自の世界観を楽しんでもらいたい。

■スタッフ
脚本:チョ・ヨン「ジャグラス」
演出:パク・シヌ「嫉妬の化身」「ボーイフレンド」
原題:사이코지만 괜찮아(サイコジマンケンチャナ)

■キャスト
ムン・ガンテ役:キム・スヒョン
ムン・サンテ役:オ・ジョンセ
コ・ムニョン役:ソ・イェジ
ナム・ジュリ役:パク・ギュヨン

韓国番組サイトtvN

Netflix
YouTubeチャンネル

kandoratop【作品詳細】【「サイコだけど大丈夫」を2倍楽しむ】