ジゴロなヒョンビンに痺れる!『レイトオータム』は72時間期限付きの大人のラブストーリー!Huluで配信

2021年06月01日21時00分映画
「レイトオータム」 6/7からHuluで配信スタート
©Boram Entertainment

「シークレット・ガーデン」「愛の不時着」で日本でも絶大な人気のヒョンビンと「大明皇妃 -Empress of the Ming-」のタン・ウェイ主演の映画『レイトオータム』(2010)が、Huluで6月7日(月)から配信スタートとなる。



『レイトオータム』は2010年の韓国・香港・アメリカ合作の映画。不思議なめぐり合わせで出会った男女が、72時間という期限つきの大人のラブストーリー。

DVの夫を誤って死なせたアンナ(タン・ウェイ)は7年間刑務所に収監されていたが、母の葬儀のため72時間の外出を許されバスでシアトルへ向かう。バスでは運賃30ドルを貸してほしいと頼んできた男フン(ヒョンビン)のおしゃべりが、アンナを辟易(へきえき)させる。久しぶりに家族や親戚と再会したアンナだったが、刑務所生活で忘れかけていた残酷な現実に直面し、葬儀に参加せずこのままバスで刑務所に帰ろうか迷う。そんな時、バス停で偶然フンと再会したことで、二人は束の間の自由を共に過ごすことになるのだが…。

本作は、1966年に製作された韓国往年の名作『晩秋』を、『少女たちの遺言』(99)や『家族の誕生』(06)などのキム・テヨン監督が、舞台をアメリカのシアトルに移してリメイクした作品。日本でも1972年に『約束』というタイトルで岸惠子×萩原健一でリメイクされており、本国韓国でも1975年『肉体の約束』、1981年『晩秋』にリメイクされ、本作で4作目となる。

ヒョンビンが演じるフンは訳あり事情を抱え、女性を相手にエスコート・サービスで稼ぐジゴロのような男。「愛の不時着」で魅せた恋に不器用な北朝鮮の将軍とも、「シークレット・ガーデン」「私の名前はキム・サムスン」のツンデレ御曹司とも全く違う。ジゴロな役どころだけに女性には親切だが、「ジキルとハイドに恋した私」の優しいほうのヒョンビンでもなく、スタイリッシュなファッションで決めた『スウィンダラーズ』のヒョンビンでもない。ジゴロと言っても心優しさも感じさせ、初の悪役を演じた『ザ・ネゴシエーション』とも違う。20代のちょっぴり細マッチョな上半身を鏡に映して髪型で遊ぶ姿は、今の大人なヒョンビンと違ってかわいらしい。

また、ヒョンビンと言えば、「愛の不時着」『コンフィデンシャル/共助』で完璧な北朝鮮訛りが話題になったが、本作は全編通して秋のシアトルで撮影されておりセリフはほぼ英語。ヒョンビンの流暢な英語が聞けるほか、時折聞きなれた韓国語や片言の中国語まで披露している。



一方、ヒロインを務めたタン・ウェイは、『ラスト、コーション』(07)で注目を集め、『北京ロマンinシアトル(めぐり逢いの予感)』(13)の大ヒットなどで中国を代表する演技派女優の一人。本作の監督キム・テヨンと結婚、出産後はしばらく女優業をお休みし、「大明皇妃 -Empress of the Ming-」で12年ぶりにテレビドラマに出演した。

タン・ウェイの演じるアンナは、7年間の刑期を受け、母の葬儀のために仮出所したというキャラクターだけに終始笑顔を封印しセリフも少ない。そんな彼女が唯一感情を爆発させるのが親戚とのレストランでの食事会。ネタバレになるので詳しくは書けないが、フンの放った一言がきっかけとなり、彼女の喚きだけで犯した罪の原因を連想させる演技が凄い。また、フンのエスコートで遊園地に出かけたときには、思わず笑顔を見せたり、フンと一緒にアテレコしたりするのも素敵な見どころの一つ。ちなみに彼女が紙で黙々と折っていたのは蓮の花。日本では亡くなった方の魂が迷わないように鶴の折り紙などを棺に入れたりするが、彼女が折った美しい蓮のペーパークラフトの花束は亡き母の棺に納められる。

2010年の作品ということで劇中携帯電話も登場するが、フンとのつかの間のロマンスの中で、彼女を現実世界に引き戻すキーアイテムとしてうまく利用されており、全体的に抑えた演技ながら彼女の存在感を強烈に印象づける一作となっている。

これまでのリメイク版では、比較的原作に忠実な展開だが、本作ではヒョンビンが抱える訳あり事情や結末も原作とは違っていて興味深い。何より色調抑えたゆったりとした展開や心に沁みる音楽がフランス映画のような雰囲気で、ヒョンビンやタン・ウェイ ファンはもちろんだが、フランス映画好きの方は必見だ。

ヒョンビンとタン・ウェイ主演の映画『レイトオータム』はHuluで6月7日(月)から配信スタートされる。

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