「ヘチ 王への道」最終回のその後:英祖の光と影、リアル王だったチョン・イルの活躍

2021年08月29日23時50分ドラマ
©SBS

NHK総合で8月29日チョン・イル主演の韓国ドラマ「ヘチ 王座への道」最終回が放送された!本格時代劇だけに、ドラマのその後が気になる方も多いのでは?モデルとなった朝鮮王朝第21代王・英祖のドラマのその後と、演じたチョン・イルのその後の活躍を確認したい。Youtubeにて予告動画が視聴できる。
※この記事は2019年11月10日~2020年5月3日までNHKBSプレミアムで放送した際にご紹介した記事の一部に加筆したものです。



■リアル王だったチョン・イル
除隊後初のドラマとして「ヘチ 王座への道」を選んだチョン・イル。衣装や台詞、動作などが大変だからを時代劇を敬遠する俳優や女優もいる中、チョン・イルは美しくて涼しくカリスマ性あふれる演技で新しい英祖を作った。そんなチョン・イルは本作のあと、現代ドラマ「夜食男女」(20)に出演しワケありシェフに扮し、「アラフォー息子の成長日記」などバラエティ番組に出演し、時代劇とは違うラフな姿でファンの前に立った。そして、2021年「ポッサム-運命を盗む」で時代劇に帰ってきた。これまで時代劇では雅な役を演じることの多かった彼が、「ポッサム」では無精ひげを生やして子持ちで、何と人さらいという物騒な役に挑戦。もっとも古くからのチョン・イルのファンなら、義賊に扮した「美賊イルジメ(帰ってきたイルジメ)」を思い出す方もいるかもしれないが、あちらも高級官僚の血筋。そんなチョン・イルがなぜ、「ポッサム」を選んだのかは、ドラマを見れば分かるはず。「ポッサム」の時代背景や詳しあらすじなど【「ポッサム」を2倍楽しむ】でまとめている。また各話のあらすじと見どころも紹介していくので、参考にされたい。
なお、2作共にテレビ放送される。
※「夜食男女」はBS日テレにて9月9日(木)より放送⇒詳細はコチラ
※「ポッサム」はKNTVにて9月10日(金)より放送⇒詳細はコチラ


■最終回のその後の光と影
「李麟佐の乱」で王権を強化し政局の安定を図った後、英祖は1730年頃には庶子とその子孫も要職に就けるようにし、国防政策のために鳥銃を制作させて海軍を増強した。また勉強家の一面もあった英祖は、自ら書籍も執筆し、一般民衆も読めるように広く頒布。こうした中、在野では一気に“実学”が広がった。実学とは、実際の暮しに役立つことを趣旨とした学問で、工学・医学・薬学・農学・法学・経済学・教育学等多岐にわたる学問だ。実学者といえば、丁若鏞(チョン・ヤギョン)に代表される正祖の時代に活躍した実学者が有名だったために正祖の専売特許のように思われているが、後に実学者と呼ばれる人々を後援し、文化的な面での発展にも寄与したのも英祖だ。英祖正祖の時代を「朝鮮のルネッサンス期」と呼ばれるのもこうしたゆえんだ。
※その他の偉業については、■イ・グムの偉業は史実通りで詳しく紹介している。

ところが、蕩平政治がしばらく続くと、各党派は再び政権争いをはじめ、最終回でミン・ジノンが案じた通りの展開となってしまう。そして起きたのが英祖史上最悪の事件、世子を米びつで餓死させた「荘献世子事件」だ。1694年生まれの英祖が70歳近くになった1762年の時。英祖は事件後、深く後悔し、信念として行ってきた蕩平政治の地盤をさらに固めるために、1772年には科挙として蕩平科を実施、さらに同じ党派に属した家同士の婚姻も禁止するなど政権独占を防ぐための施策を行い、王権を強固なものにした。

政治はますます安定し、社会全般にわたってさまざまな分野が発展した状態で、81歳の時に孫の正祖に代理聴政を命じ、翌年永眠したのだ。

NHK「ヘチ 王座への道」番組サイト
 2021.02.14スタート 毎・日23:00-24:00 NHK総合
 2019.11.10-2020.05.03 毎・日21:00~22:00 BSプレミアム
作品公式サイト

kandoratop【作品詳細】【「ヘチ」を2倍楽しむ】