【韓流コラム】朝鮮半島の歴史と韓国時代劇:古朝鮮~三国時代(高句麗、百済、新羅)編

2021年10月03日23時30分ドラマ
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このところ、若手俳優を起用した朝鮮時代を舞台にした韓国時代劇が多いが、KBSでは2013年の「剣と花」以来、8年ぶりに高句麗を舞台にした「王女ピョンガン 月が浮かぶ川」を放送した!このドラマは10月31日(日)からNHKBSプレミアムにて日本初放送される。放送に先駆けて、古朝鮮~三国時代までを駆け足で紹介しよう。

「王女ピョンガン 月が浮かぶ川」は、三国時代の高句麗(コグリョ)を舞台に、国を守るために戦う王女と純朴な青年の真実の愛の物語。
【「王女ピョンガン 月が浮かぶ川」を2倍楽しむ】では、ドラマの見どころやキャストの魅力、放送にあわせて各話のあらすじと見どころ、豆知識など紹介していく。



■古朝鮮(BC2333年~BC108年)
朝鮮半島の王朝の歴史は、檀君が紀元前2333に建国した檀君(タングン)朝鮮から始まる。檀君(タングン)王は、神話の時代に桓雄(ファヌン)と熊族の娘セオの間に生まれた子供。
BC12世紀には箕子が箕子(キジャ)朝鮮を建国したとされているが、これは伝説的存在で、朝鮮半島の最初の国家としては、中国の前漢の支配を逃れた衛満が朝鮮半島に渡り、箕子朝鮮を倒して紀元前195年に半島北部に建国した衛氏(ウィシ)朝鮮(または衛満(ウィマン)朝鮮)とされている。
この後、衛氏朝鮮は前漢と対立し、前漢の武帝(在位B.C.141~B.C87年)による侵攻を受けて、紀元前108年に滅亡した。

檀君朝鮮・箕子朝鮮・衛氏朝鮮の三朝鮮を古朝鮮と呼ぶ。

※古朝鮮をドラマにしたのがぺ・ヨンジュ主演「太王四神記」序盤だ。
※朝鮮の各時代が日本、中国の何時代時代に当たるかは、【韓国歴史年表】で確認できる。


■三国時代(BC108年~AD676年)
中国の前漢は、朝鮮半島に楽浪、真番、臨屯、玄菟という4つの郡を置いて直轄統治した。これが“朝鮮四郡”である。だが“朝鮮四郡”の中で、安定したのは楽浪郡だけで、真番、臨屯、玄菟郡の抵抗が続き、支配力は弱まり、玄菟郡は遼東郡内に名目的に設置され、紀元前75年には玄菟(ヒョント)城だけが残った。地図【拡大する】前漢が衰退する中、替わって玄菟郡を支配するようになったのが、大陸北部に勢力を持つ扶余の王子の高朱蒙(東明聖王)が建国した高句麗だ。高句麗は朝鮮半島北部を支配下にした。一方、半島南部では、近隣の小国が統合されていき、馬韓、弁韓、辰韓のいわゆる三韓が成立。三韓は周辺の小国を吸収し、馬韓が百済(ペッチェ)、弁韓が伽耶(カヤ)、辰韓が新羅(シンラ)に代わり、三国時代を迎える。その後、伽耶は562年に新羅によって滅亡させられ、高句麗、百済、新羅は熾烈な覇権争いが続く。

●高句麗(BC37年~668年、半島北部から満州地方)
●百済(BC18年~660年、半島南西部地方)
●新羅(BC57年~AD676年、半島南東部地方)

※三国時代を舞台にしたドラマには、高句麗の「朱蒙」「剣と花」「王女ピョンガン 月が浮かぶ川」、百済の「百済の王 クンチョゴワン」「帝王の娘 スベクヒャン」、新羅の「善徳女王」「花郎(ファラン)」、伽耶の「鉄の王 キム・スロ」、高句麗と楽浪の「幻の王女 チャミョンゴ」などがある。同じ時代を描いた他の作品は【ドラマの年表:三国時代】で確認できる。
※時代別の領土地図は【韓半島の地図】でまとめている。


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