言葉では説明できない細微な感情をめいっぱい詰め込んだ『かそけきサンカヨウ』今泉力哉監督公式インタビュー公開

2021年10月05日12時00分映画

今泉力哉監督が窪美澄の短編集から自ら映画化を希望し、ドラマ「ドラゴン桜」でも話題となった志田彩良が主演を務める映画『かそけきサンカヨウ』が10月15日(金)より全国公開!これに先駆けて今泉監督のオフィシャルインタビューが到着、予告動画は公式サイトで公開されている。



『かそけきサンカヨウ』は、今泉力哉監督が窪美澄の短編集から自ら映画化を希望し、先日放送終了した日曜劇場「ドラゴン桜」」で文系トップの秀才女子高生・小杉麻里役を演じ話題となった志田彩良が主演を務める。⇒「ドラゴン桜2」地獄の合宿に阿部寛が正体する国語の先生って誰?鈴鹿央士、志田彩良も仲間に!

■今泉力哉監督オフィシャルインタビュー
本作の原作である窪美澄の短編集「水やりはいつも深夜だけど」の魅力を「人によっては囚われてしまうような“家族”を、みんな絶対的にいいものとして言葉にすることについて前々から疑問を持っていて。でもこの短編集は“歪みのある家族”について描いていた。その点に惹かれました」と語り、なかでも、幼い頃に母親が家を出て以来、父とふたり暮らしをしてきた少女・陽の葛藤と成長を描いた一篇「かそけきサンカヨウ」に引き付けられたという。

kasokeki「出て行った生みの母との関係も、普通ならもっと憎しみの率を高くして書きそうなところを、陽は画家である母に対してある種の憧れを持っていたりする。新しくできた妹に対しても、もっと憎しみや嫉妬があってもおかしくないのに、そうは書いていない。“普通はここに葛藤を作る”というところ以外にさまざまな溜め込みがあり、しかもその描き方が丁寧。作り物ではない本当の悩みって感じがしたんです」と原作の感想を語った。映画には父・直と陽の10分弱の長回しシーンがあるが、本番前に父親の台詞を足してもっと説明した方がいいとなり、直の台詞を増やしたバージョンでテストした際、陽役の志田が“足された父の台詞”を飛ばして、その後の自分の台詞を言う、ということがあった。それを「あれは志田さんのミスではなく、そういう役者の生理だったんだと思います」と、改めて直役の井浦と志田で話し合い、直の台詞は足さずに本番を撮影することに。「こういうことが現場で起こると、作り物ですが、どんどん本物に近付くと思えるんです。もちろんフィクションはある種の嘘をつくことで面白くなることもあるとわかっています。でも、やっぱり好みなんでしょうね。自分は嘘の許容範囲がすごく狭い。物語のためにキャラクターが存在したり、動いたりする、というようなことは自分が映画を作る時はできるだけなくしようと思っているんです」と印象深いシーンの撮影裏を明かした。「言葉にするなら、ある家族の再生の物語、とかなのかもしれませんが、言葉では説明できない細微な感情をめいっぱい詰めこんで映画にしました」と監督自身が語る本作。ぜひその得も言われぬ感覚を劇場で味わっていただきたい!

■あらすじ
高校生の陽(志田彩良)は、幼い頃に母・佐千代(石田ひかり)が家を出て、父・直(井浦
新)とふたり暮らしをしていたが、ふたり暮らしは終わりを告げ、父の再婚相手である美子(菊池亜希子)とその連れ子の4歳のひなたと4人家族の新たな暮らしが始まった。そんな新しい暮らしへの戸惑いを、陽と同じ美術部に所属する陸(鈴鹿央士)に打ち明ける。実の母・佐千代への想いを募らせていた陽は、絵描きである佐千代の個展に陸と一緒に行く約束をする。

★2021年10月15日よりテアトル新宿ほか全国公開!

■映画概要
志田彩良 / 井浦新
鈴鹿央士 中井友望 鎌田らい樹 遠藤雄斗
石川 恋 鈴木 咲 古屋隆太 芹澤興人
海沼未羽 鷺坂陽菜 和宥 辻 凪子 佐藤凛月
菊池亜希子 / 梅沢昌代 西田尚美 / 石田ひかり
監督:今泉力哉
主題歌:崎山蒼志「幽けき」(Sony Music Labels)
原作:窪美澄『水やりはいつも深夜だけど』(角川文庫刊)所収「かそけきサンカヨウ」
脚本:澤井香織 今泉力哉 音楽:ゲイリー芦屋
配給:イオンエンターテイメント ©2020 映画「かそけきサンカヨウ」製作委員会

映画公式サイト