『THE BATMAN-ザ・バットマン-』マット・リーヴス監督×大友啓史監督 超豪華対談&SPムービー解禁

2022年03月23日18時00分映画

映画『THE BATMAN-ザ・バットマン-』のマット・リーヴス監督と『るろうに剣心』の大友啓史監督との豪華対談動画とスペシャルムービーが到着した。



初日から3日間の興行収入は3億7,000万円を突破し、2008年公開の『ダークナイト』を超え、洋画No. 1 大ヒットスタートを切った『THE BATMAN-ザ・バットマン-』。2022年公開の洋画作品では、公開時『スパイダーマン:ノー・ウェイ・ホーム』に次ぐ2位のオープニング成績を獲得。その勢いは衰えることなく日本列島を駆け抜け、3連休の最終日3月21日、動員50万人を超えた。また、公開から3週間目を迎えたこの週末も北米他、主要各国で圧倒的な強さで他作品を大きく引き離し興行収入ランキング首位をキープ。またビックマーケット中国でも公開を迎え、全世界興行収入は、<衝撃>の700億円突破を記録した。

スペシャルムービーは、マット・リーヴス監督と『るろうに剣心』シリーズの大友啓史監督が同じ作り手として、共に人気コミック作品を原作に持つ作品を手がけたクリエイターとして、共鳴し合い、語り出したら止まらない映画談義の一部とスペシャルムービーとなっている。

大友:『THE BATMAN-ザ・バットマン-』を拝見して、「2年目」という設定が非常に効いていると感じました。今回のバットマンは、まだ精神的に余裕がなく未成熟ですよね。それが新鮮であり、面白い。この設定はどうやって生まれたのでしょう?

リーヴス:今回、バットマンの最初の数年に焦点を当てたのは、キャリアの初期に話を設定することで、彼の覚醒や変化を描けると考えたからです。本作の時点ではブルースを突き動かしているのは自分の中の復讐心であり、彼は自らが個人的な感情に支配されていることをまだ理解していない。そのぶん、リドラーとの戦いの中で己を知り、成長していく道のりをエモーショナルに描けるのです。バットマンはバットマンでも、人間的な短所もあるキャラクターとして描きたいと思いました。そういったアイデアを、アクションにも反映させましたね。

大友:おっしゃる通り、バットマンが自分より格下の敵の攻撃を食らってしまうシーンや、洗練されていない粗暴な戦闘スタイルなど、アクションの一つひとつがキャラクターの掘り下げに繋がっている。マット監督は、映画におけるアクションの役割を非常に大切にしていていると感じました。僕も『るろうに剣心』という映画で、キャラクターの心情とアクションを連結させようとこだわったので、とても共感しました。

BATMAN

リーヴス:ありがとうございます。おっしゃる通り、映画におけるアクションのカギは、キャラクターの感情と結びついているかどうかだと思います。今回でいえば、全てのアクションはブルース/バットマンの個人的な感情――復讐心に起因していなければならないと考えました。ブルースは「自分は物事を正そうとしている」と思っていますが、その一方で父母が殺された復讐心に取りつかれている。闇の中から現れてごろつきと戦うシーンも、バットモービルのカー・チェイスも、彼の執念や怒りの延長線上にあるものでなければならなかったのです。そしてどの戦いでも、ブルースは自分の憤怒をぶつけるだけではなく、たくさんの暴力も受けているし、時には怪我もする。彼は常に必死で、ギリギリのところで何とかやっている状態です。象徴的なのは、ウィング・スーツで飛ぶシーンです。ブルースはうまく着地できず、地面に叩きつけられて苦しみますよね。まだ慣れていないから、成功できない。ただ、彼はあの痛みを耐え抜く。それこそがブルースのただひとつのスーパー・パワーです。この使命のためには何だって耐えてやるという、彼の強い意志ですね。ブルースが自殺行為に近いバットマンの活動に身を投じるのは、それだけ自分の人生に意味を見出したいと思っているから。だからこそ、この映画では彼がどれだけ戦えるのかを見せるだけではなく、どこまでダメージを受けられるのか、というのも見せたかったんです。

BATMAN

大友:なるほど。それで思い出したのは、バットマンの衣装です。いくつも傷がついていたり改良を加えた跡があるなど、細部までこだわっていて感動しました。

リーヴス:衣装もブルースと同じく「完璧ではない」をコンセプトに作り上げました。2年間、ブルースは自作のスーツを着て夜な夜な街に繰り出し、戦いに明け暮れている。その中で彼自身が受けたダメージの蓄積を目に見える形で表現したく、スーツに傷や縫い目を施しました。バットマンが誰の助けも得られない一匹狼である、と観客が理解できるようにする狙いもありました。

大友:復讐心のお話がありましたが、バットマン自身がヴィランであってもおかしくないんですよね。バットマンと敵対するリドラーには相似性があって、どちらも社会を憎んでいる。その構造が実に現代的で、面白かったです。

リーヴス:リドラーは連続殺人犯でありながら、ゴッサムの不正を暴こうとする政治的扇動者でもある。一方バットマンは、自分には越えない一線があると思いたがっていますが、法を自らの手に委ねて他者を裁いている。自分が一線をいつ越えてもおかしくない危うさに気づいていないバットマンと、気づいたうえで躊躇なく踏み越えるリドラー。そんな2人を合わせ鏡のように描いたら面白いと考えました。



対談を終えて…

大友:同世代でもあるマット監督は、作り手としてこだわる部分が、自分とすごく近いように思いました。僕も彼も『タクシー・ドライバー』や『ゴッドファーザー』など70年代の映画を観て育った世代ですから、やりたいことがよくわかる。街の描き方や光と影で人物を表現する手法、社会の暗部に目を向け、人生の敗者に肩入れする物語……。そういったものが丸々投影された作品が今回の『THE BATMAN -ザ・バットマン-』だと思います。これだけのビッグバジェット作品ですから、振り切るのはかなり勇気が必要だったと思いますが、よくぞやり切ったと驚きました。

■タイトル:『THE BATMAN-ザ・バットマン-』
■全国公開中
■配給:ワーナー・ブラザース映画
© 2022 Warner Bros. Ent. All Rights Reserved TM & © DC

■映画概要
監督:マット・リーヴス 脚本:マット・リーヴス マットソン・トムリン
キャスト:ロバート・パティンソン、コリン・ファレル、ポール・ダノ、ゾーイ・クラヴィッツ、ジョン・タトゥーロ、アンディ・サーキス、ジェフリー・ライト
ほか

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