EXOチャンヨル初主演『ぼくの歌が聴こえたら』映画レビュー:押さえておくべき3つのポイントと見どころ

2022年05月29日20時30分映画

K-POP人気グループのEXO・チャンヨルが映画初主演を飾った韓国ミュージックロードムービー『ぼくの歌が聴こえたら(原題:THE BOX)』が、ついに6月10日(金)より日本公開!一足先に視聴したので予告映像とともに本作の魅力や押さえておきたい見どころをネタバレなしで紹介しよう。



■どんな映画?
『ぼくの歌が聴こえたら(原題:THE BOX)』は、プロデューサーとして新人を発掘する才能に恵まれながらも運に見放されて借金まみれとなってしまったミンス(チョ・ダルファン)が、偶然見つけた奇跡の歌声を持つチフン(チャンヨル)を強引にスカウト・契約し、トラウマを抱えた歌の天才チフンと勝ち気なミンスが音楽を共通点に夢を抱いて成長していく物語だ。



■EXOチャンヨルの歌声満載!
チャンヨルと言えばボーイズグループEXOのラッパー兼サブボーカル。つぶらな瞳と端正な顔立ちで少年のような愛くるしさと表情とワイルドなセクシーさから韓国のみならず日本や世界中にもファンが多い。
日本でも人気の韓国ドラマ「トッケビ〜君がくれた愛しい日々〜」のOSTにソロで参加したり、曲作りや作詞に参与するなど音楽的な才能はもちろんのこと、ヒョンビン主演の「アルハンブラ宮殿の思い出」ではギーク感の強い天才ゲームプログラマーのセジュ役でステージとは正反対の内向的なキャラを演じるなど、多彩な才能でグループ活動以外でもファンを増やしてきた。

本作ではそんな彼が、幼少期に家庭で体験したトラウマで人前で歌う事が出来ない天才的な歌手の原石チフンを演じ、更にビリー・アイリッシュやコールドプレイ、マライア・キャリーなど世界の名高いアーティストの歌を歌う。さらに近頃韓国で人気のトロット(韓国における演歌)まで披露するというのだから注目せずにはいられない。ちなみにチャンヨルが歌うのは本作オリジナル楽曲「オジョチゴ」。

僕の

■もうひとりの主演はチョ・ダルファン
そして、そんなチャンヨルがトラウマを克服して天才的な歌声で人々を魅了していくきっかけとなる、もう一人の主役を演じるのがチョ・ダルファン。「リターン-真相-」「ジャスティス-復讐という名の正義-」など多数のドラマに出演しコミカルな役から泣かせる役まで人間味溢れる演技が特徴の役者だ。

彼が演じるのは才能を活かしきれないまま借金を抱えてしまった音楽プロデューサーのミンスで、人前で歌う事ができないチフンにとって徐々に信頼できる相棒。そしてトラウマを乗り越える鍵を握る師匠となっていく。

この二人がどのようなケミを展開するのかは本編の予告編のほか、既に公開されているメイキング映像からも窺う事が出来る。詳しくはコチラ→ EXOチャンヨルの弾き語りとチョ・ダルファンとの仲睦まじい様子が見られる『ぼくの歌が聴こえたら』メイキング映像公開

僕の歌が

■押さえておくべきポイント1:バラエティに富んだ劇中歌
この映画を観る上で是非押さえておきたい注目のポイントは3つ!
まずは何と言ってもこの映画をドラマチックに彩る数々の音楽だ。ビリー・アイリッシュやコールドプレイなど近年の洋楽だけではなく、誰もが聞いた事があるブラックミュージックやジャズの名曲、果ては韓国人の魂が込められたトロットや異国情緒漂うジプシー音楽まで登場する。不思議とどの曲もチャンヨルの低い声が絶妙に調和している。

トロットを唄うチャンヨルの金ピカスーツにテカテカヘアーや、アレンジも心に響く弾き語りから楽しくなってしまうミュージカル風の場面など、視覚的にも楽しむ事が出来る。ドラマ「39歳」にも主演したキム・ジヒョン演じる盲目のシンガーと一緒にルイ・アームストロングの名曲を歌い上げるジャズクラブのシーンでは、しっとり歌い上げる部分とキャバレーのような華やかな部分が両方楽しめる。

僕の歌が

■押さえておくべきポイント2:旅行気分が味わえるロケーション
二つ目はロケーションだ。「地⽅で歌える場所は10カ所ある」という⾔葉を⽪切りに路上ライブツアーに出た二人が、韓国の津々浦々を訪れる。仁川(インチョン)のチャイナタウンや世界遺産の街・慶州(キョンジュ)の古墳、海辺の近代都市・麗水(ヨス)の夜景、古都・全州(チョンジュ)の町並みなどまるで映画を観ながら旅行に行った気分にしてくれるのも、コロナ禍の今の時代ではありがたい。

行った先々で登場するご当地グルメも思わずよだれが出てしまいそうなものばかり。地方都市の文化を知るいいきっかけになった。作中では二人の次の行き先がマップで表示されるので、どの街がどの辺りにあるのかを確かめながら観る事をおすすめする。

僕の歌が

■押さえておくべきポイント3:ふたりの主人公の心の成長
そして最後は、二人の主人公の関係性の変化や人間的な成長といったヒューマンドラマだ。借金を抱えたミンスの強引な誘いに付き合う形で出発したチフンの表情は、初めこそ変化に乏しくよそよそしさを表していたが、路上ライブを通じて徐々に音楽の楽しみ方や希望を抱き始めるとチャンヨルのトレードマークの笑顔が見え始め、年齢も性格も違う二人が相棒として心を通わせていく様子をうまく表現している。

■キーワードはずばり「箱」
本作の韓国放映時の原題であり、重要なキーワードとなる「箱」にも注意しながら観ていただきたい。人前で歌う事が出来ないチフンは、行く先々でミンスが用意した冷蔵庫用の巨大ダンボールに入って歌うことになる。最初は見た目もそのままの無骨なダンボールだが、あるきっかけを境にカラフルにペイントされる。路上ライブを通じて音楽にのめり込んでいくチフン。箱の中でチフンが歌い出すと、そこにはバックバンドやダンサーが現れて作中の音楽を盛り上げる。これはチフンが密かに胸に秘めていた理想的な姿だと捉える事も出来る。

チフンの心をそのまま比喩しているとも受け取れるダンボール箱。是非、外面的な変化や、内と外の世界が何を意味しているのか注目しながら観て欲しい。

僕の歌が■EXOファンでなくても十分に楽しめる作品
本作の軸となる歌を堪能する為には、是非一度は映画館で視聴する事をおすすめする。過激なシーンは登場しないので友達や恋人、家族とも安心して観に行ける作品だ。ファンにとっては待望の日本公開だが、上記のポイントを踏まえればEXOやチャンヨルに詳しくない人でも十分に楽しめるはず。果たして音楽を通じて心を通わせていく二人の男が全国路上ライブツアーの先に辿り着く場所とは?是非劇場に足を運んで皆さんの目で確かめて欲しい。

EXOチャンヨル初主演の期待のミュージックロードムービー『ぼくの歌が聴こえたら』は6月10日(金)より全国の映画館で公開される。

■映画概要
出演:チャンヨル(EXO、『チャンス商会 初恋を探して』(15)) 、チョ・ダルファン(『ワンステップ 君と僕のメロディ』(17))
監督・脚本:ヤン・ジョンウン
2021年/韓国/韓国語/93分/シネスコ/5.1ch/原題:더 박스/英題:THE BOX
日本語字幕:江波智子/提供:ニューセレクト/配給:アルバトロス・フィルム
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