見どころ満載の「緑豆の花」主人公は一人の英雄ではなく平凡な民衆たちの群像劇だった!

2022年08月22日21時10分ドラマ
©SBS

いよいよBS日テレで8月24日から放送開始するチョ・ジョンソク×ユンシユンW主演の「緑豆の花」の見どころを5つに分けてご紹介、日本版予告動画はYoutubeにて視聴できる。



「緑豆の花」は東学農民革命(甲午農民戦争)の歴史の中で農民軍と討伐隊に分かれて戦わなければならなかった異母兄弟の波乱万丈なヒューマンストーリーを描いたドラマ。【「緑豆の花」を2倍楽しむ】では時代背景と年表、各話ネタバレあらすじと見どころ、豆知識、迷子にならないための人物紹介などまとめている。

緑豆の花©SBS

■史劇の名手が思いを込めて作り上げた逸品!
本作の脚本と演出は、徹底した時代考証によって実在の人物たちによる英雄史をドキュメンタリータッチに描くことを得意とする「鄭道伝<チョン・ドジョン>」のチョン・ヒョンミン脚本家と「根の深い木」「六龍が飛ぶ」のシン・ギョンス監督。

同じく近代朝鮮を描いた「ミスター・サンシャイン」は、日本の統治から自国を取り戻そうと立ち上がった人たちのドラマだったが、本作はその直前。これまで描かれることのなかった日清戦争のきっかけとなった東学農民革命の1年間を丁寧に描いている(時代背景とドラマの革命年表)。
映像の輝度を少し落とすことでドキュメンタリー感を高め、物語の中心に架空の人物を置くことで、時代を生きた一般の人々のロマンス、兄弟愛、家族愛などをより生き生きと見せてくれた。

奇想天外な戦法も興味深く、大規模な戦争シーンは迫力満点!もっとも時代が時代だけに、日本人にとっては少々居心地の悪い作品でもあり、特に戦場での日本軍の残虐行為には目を覆いたくなるが、民を顧みない国王と王妃、親日の開化派を嫌って身分制度にこだわる保守的な政治観に凝り固まった両班、暴政を敷く官僚、欲に走る商人…むしろ朝鮮内部の悪を徹底的に描いている。

チョン脚本家は登場人物に名セリフを吐かせる名手。「鄭道伝<チョン・ドジョン>」では“鄭道伝シンドローム”ができたほど。一方、シン監督は「六龍が飛ぶ」ので第3話/50話版で「無以異也(ムイイヤ)」という楽曲をまるでミュージカルのように見せたが、本作では「パランセ」(青い鳥)という楽曲をオープニングや名場面で効果的に流して印象付けた。

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■チョ・ジョンソクとユン・シユンの兄弟愛に感動!
主人公は下っ端役人の2人の息子。庶子だが長男で一時は跡取り息子とされたが、正妻が男児を産んだことで、兄は弟のために“あれ”と呼ばれ生きることになる。一方で、自分が生まれたことで兄の人生を狂わせたと悩む弟。「民を虐げてきた暴漢“長男イガン”」をチョ・ジョンソク演じ、「兄想いの優しきエリート“次男・イヒョン”」をユン・シユン演じた。

兄弟は同じく身分差のない新しい朝鮮を夢見たが、農民の乱「東学農民革命(甲午農民戦争)」に巻き込まれたことで、兄は民を救う反乱軍の大将になり、弟は討伐隊の狙撃手・鬼となる。農民の乱は兄弟に何を与え、何を奪ったのか?重いテーマを通して兄弟の愛が悲しく描かれる。

鋭い眼光と毒蛇のような執念深さの中にひた隠す優しさまで細やかに表現したチョ・ジョンソクは、その演技力で視聴者の心を魅了し、本作で2019 SBS演技大賞中編部門で最優秀演技賞を受賞した。同賞での受賞はなかったが善人から殺人鬼へと変貌を遂げる中で、善と悪を行き来するユン・シユンの演技も素晴らしい。特に最終回ユン・シユンが少年時代の嘘を告白する場面で流す、号泣でもなくすすり泣きでもなく、取り返しのつかない後悔の涙は絶品!

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■一人の英雄の物語でない!
本作は、企画の段階では「牛禁峙(ウグムティ)」という農民の乱の最後の決戦の地をタイトルにして、実在の全琫準(チョン・ボンジュン)を主人公としていた。しかし、途中で当時を生きていた民衆へフォーカスすることに変更された。それは制作サイドの「英雄一人の個人の話でなく、当時の普通平凡な人々、誰かのお父さんで息子で兄で弟である、そのような人々の話を扱いたかった」という思いから(制作陣コメント)。

そんな制作陣の思いを具現したのは演技派をそろえたキャスティング。主人公2人の熱演はもちろんだが、革命の中心人物で緑豆将軍と呼ばれたチョン・ボンジュンを演じたチェ・ムソン、兄弟の父親で悪役に徹したパク・ヒョッンクォン、両班を演じたチェ・ウォニョン、兄弟の恋人を演じたハン・イェリとパク・ギュヨン。そしてハン・イェリを支え続けたチェ・ドッキ行首役のキム・サンホ、イガンと主に戦った別動隊の仲間アン・ギルガン、ノ・ヘンハ、ビョンホン。どんどんたくましくなっていくイガンの母ユ・ウォルを演じたソ・ヨンヒ、使用人を人間扱いしなかったイヒョンの母チェ氏がユ・ウォルの強さと優しさに感謝し、心を入れ替えていくイヒョンの母チェ氏…誰一人抜けても本作は成立しない。俳優陣の熱演に加えて、どのキャラクターも丁寧に人物感情描写が細かく作り込まれており、兄弟、親子、師弟、仲間、恋などどの視点で観るかで何度でも、違った感動が得られる。特に、終盤の怒涛の展開には涙腺崩壊必至だ。そんな人物設定とキャストはこちらで詳しく紹介している。

一方で、日本人役を韓国人俳優が演じたことで日本語の言葉遣いやイントネーションがどうにも不自然たった。これは日本人が登場する韓国ドラマ全般人いえることで、そろそろ見直してほしいものだ。



「緑豆の花」は8月24日からBS日テレで放送。またHuluでも8月現在全話配信中だ。

DVD公式サイト
 DVD-BOX1~3 発売・レンタル中!
予告編
BS日テレ「緑豆の花」番組サイト
 2022年8月24日スタート 月-金13:00-14:00

kandoratop【作品詳細】【「緑豆の花」を2倍楽しむ】