レトロな感性炸裂のユ・アイン主演映画『ソウル・バイブス』配信開始!この夏はレトロな韓国へタイムスリップ!

2022年08月27日21時32分映画
Netflix映画『ソウル・バイブス』独占配信中

ユ・アインやコ・ギョンピョ、イ・ギュヒョンらが古き良き時代のソウルを駆け抜ける韓国映画『ソウル・バイブス』が、Netflixにて8月26日より独占配信された。あらすじと見どころを紹介しよう。

Netflixが待望の2022年公開予定韓国作品ラインナップ一覧

『ソウル・バイブス』は、ソウル五輪開幕に沸き立つ1988年のソウルを舞台に、前政権が絡んだ闇社会の不正資金を巡る、愉快でヒップな走り屋集団の活躍を描いた痛快カーチェイスアクション映画だ。



合わせて既に公開されているメイン予告映像も観て頂くと作品の雰囲気が掴めるはずだ。


■あらすじ
1988年8月、最高のドライバーと定評のあるドンウク(ユ・アイン)と整備工ジュンギ(オン・ソンウ)はサウジアラビアで違法物品の運び屋として不法就労をして稼いでいたが、アメリカで行われるデイトナ・インターナショナル・スピードウェイへの出場を夢見て帰国。

彼らを待っていたのはソウルオリンピックを目前に控えて、姿を変えようとしていた祖国の姿と、タクシー運転手のボンナム(イ・ギュヒョン)、自称ヒップホップの伝道師のウサム(コ・ギョンピョ)、ドンウクの妹でバイク族の支部長を務めるユニ(パク・ジュヒョン)、ライバルのカルチ(ソン・ミンホ)、そして空港から追ってくる黒ずくめの男たちだった。

彼らのアジトである整備工場までやってきた黒ずくめの男たち。彼らの正体は検察だった。サウジアラビアでの不法就労まで調べ上げたアン検事(オ・ジョンセ)は、罪を見逃し、アメリカへ渡るビザ取得を助ける代わりに、前政権が残した不正資金の資金洗浄を暴くべく、ドンウクらに運び屋として組織に潜入するよう取引を持ちかける。

熾烈なカーチェイスで勝ち残り、資金洗浄を企むカン・インスク会長(ムン・ソリ)に気に入られ、組織の運び屋として雇われたドンウクらはケタ違いの報酬に舞い上がる。常に警察から追われ、自分らを目の敵にするイ室長(キム・ソンギュン)から命を狙われ、事の重大さに気づいたドンウクらは作戦から退こうとするが…。

衝撃的な事件を目の当たりにしたドンウクは仲間を救い、インスクらの陰謀を打ち砕く為、ソウルオリンピック開会式の行われる中、「ソウル大作戦」を決行する…。

■見どころ
本作の見どころは何と言っても、細部まで再現し尽くされた「1988年のソウル」だ。国際空港と言えば金浦空港、マクドナルドがまだ目新しい存在で、劇中で主人公たちが暮らす上渓(サンゲ)洞にある上渓駅も当時はソウル特別市地下鉄公社(現在はソウル交通公社)4号線の終着駅だった。駅の周りも再開発で取り壊され、オリンピックを目前にソウルが新しい姿に生まれ変わろうとしている時代そのものが劇中に反映されている。

劇中で使われる曲も、アメリカでオールスクール・ヒップホップのパイオニアと歌われるThe Sugarhill Gangの「Apache」やRun DMC、1987年に韓国でヒットし、IUがカバーした事で若者層にも再認知されたソバンチャの「ゆうべの話」、ソンゴルメの「偶然出会った君」、ソウルオリンピックのテーマソングとも呼べるコリアナの「Victory」など当時を思い起こさせるものばかり。

小物やファッションも当時の流行が再現され、彼らの最初のミッションが行われるシーンでも「ロボコップ」「トップガン」「ダーティ・ダンシング」「ラ・バンバ」など当時の映画のフィルムが登場、「ナイトライダー」の有名なセリフ「一人の男が世界を変えられる」は本作のストーリーを表すキーワードにもなっている。このシーンでは2021年に数々の賞を受賞したMBCドラマ「赤い袖先(原題:袖先赤いクットン)」で主人公ドクイムを演じたイ・セヨンが、レトロな感性のファッションに身を包みカメオ出演しているのでお見逃しなく。

ポルシェやグレンジャー、BMWのM5モデルなどの外国車や、ヒュンダイ・ポニーなどレトロな国産車が登場するほか、物語の終盤で登場するオリンピック仕様の改造車も80年代テイストのロマンが詰まっている。車好きな視聴者は更に楽しめるに違いない。

ストーリーもあくまでもフィクションながら、背景は1988年の政治を如実に表現している。劇中で名前が語られることは無いが、「将軍」と呼ばれる前大統領は「ハゲ頭」と呼ばれている事から、第11・12代大統領として軍事政権を敷き、多くの政治スキャンダルを残した全斗煥を想起させる。退任後に財団を設置しようと計画したものの、それが発覚して江原道の仏教寺院で隠遁生活を送るという点も、全斗煥の動向と一致しており、韓国国民であればすぐに反応するパロディ要素となっている。

当時を経験した韓国国民は当時の思い出が蘇る事は間違いない。更に、韓国ではニューとレトロをかけ合わせた「ニュートロ」という言葉が生まれるほど、レトロな文化やアイテムが再注目されていて、当時まだ生まれていなかった世代には逆に新鮮に映り、多く視聴されそうだ。海外の視聴者にとっては当時のソウルの政治情勢はあまりピンと来ないかも知れないが、アメリカから輸入されたファッションが独自に進化し、オリンピックに沸き立つ様子は、同じ時代にバブル期を迎えていた日本にも通じるものがあり、やはり懐かしさや新鮮さを感じられる作品になっている。

ユ・アインが演じる最高の運転手ドンウク、コ・ギョンピョが演じる神学科出身のクラブDJウサム、元Wanna One出身のオン・ソンウが演じる弟キャラが愛らしい整備工ジュンギ、イ・ギュヒョン演じるソウルの道を知り尽くした「人間ナビ」ボンナム、パク・ジュヒョン演じるドンウクの妹で変装の鬼才ユニなど、能力に長けた個性的なメンバーが集まるアベンジャーズ的な構成も面白く、アン検事役のオ・ジョンセや、エレガントさと狂気を併せ持つ悪役を演じたムン・ソリ、軍人気質な室長を演じたキム・ソンギュンなど、ベテラン俳優然とした存在感のある役柄にも注目だ。

不正資金の運び屋として潜入する為のテスト、そして終盤のシーンなど、手に汗握るカーチェイスシーンにも、ソウルオリンピック開会式のパレードや、消毒車、コカコーラなど時代を物語る要素が盛り込まれ、韓国でしか作れないカーチェイスアクション映画に仕上げられている。中でも最終決戦のシーンでは先の読めないダイナミックな展開が待っているので期待して欲しい。

この夏、視聴者をノスタルジックな1988年のソウルへ誘う『ソウル・バイブス』は8月26日からNetflixにて独占配信中だ。

■スタッフ
演出:ムン・ヒョンソン
脚本家 :シン・スア
原題:서울대작전(ソウル テジャクチョン:ソウル大作戦)

■キャスト
パク・ドンウク役:ユ・アイン
オ・ウサム役:コ・ギョンピョ
ボンナム役:イ・ギュヒョン
パク・ユニ長役:パク・ジュヒョン
ジュンギ役:オン・ソンウ
カン・インスク会長役:ムン・ソリ
イ・ヒョンギュン室長役:キム・ソンギュン
アン検事役:オ・ジョンセ
部長検事役:チョン・ウンイン
カルチ役:ソン・ミンホ(WINNER)
キム・ユンジェ役:キム・チェウン
ほか

Netflix公式ページ

kandoratop【韓国映画】【関連記事・あらすじ】