愛という言葉を使わずにメロドラマを書きたかった…『別れる決心』チョン・ソギョン脚本家って?

2022年12月23日14時00分映画

韓国映画『別れる決心』の脚本を務めるチョン・ソギョンはパク・チャヌクの長年タッグを組んでおり、BTSのRMも大ファンだと公言する注目の脚本家!そんな彼女が本作に込めた思いなどをご紹介、公式サイトにて予告動画が公開中だ。

本作は、今年5月のカンヌ国際映画祭コンペティション部門での監督賞受賞以来、世界の批評家・映画サイトから絶賛を浴び、本年度アカデミー賞®国際長編映画賞部門の韓国代表に選出、ゴールデン・グローブ賞作品賞-非英語作品(旧・外国語映画賞)にノミネートされ、いよいよアカデミー賞®国際長編映画賞ショートリストにも選出されアカデミー賞ノミネートへ王手となった。



パク・チャヌクの右腕として映画史にその名を刻むチョン・ソギョン。2003年、短篇公募展の審査員だったパク・チャヌクと出会い、それ以降『親切なクムジャさん』『サイボーグでも大丈夫』『渇き』『お嬢さん』『別れる決心』と数多くの作品をパク監督と共同執筆している。最近では『若草物語』に着想を得て、主人公のマーチ姉妹が現代韓国に生きていたら、という問いかけから生みだされた Netflix で配信中の「シスターズ」を執筆。演出を「ヴィンチェンツォ」のキム・ヒウォンが手掛け、予想のできない展開で考察が考察を呼び、日本の Netflix で 1 位(テレビ部門)、グローバルランキングでも 3 位を記録した。

『別れる決心』は、韓国では公開後に発売された脚本集がベストセラー1 位を記録し、決め台詞が SNS で流行するなど、社会現象を巻き起こしている。さらに BTS のメンバーRM は自身の SNS、YouTube などでこの映画、そしてチョン・ソギョンのファンであることを公言しており、先日遂に自身が MC を務める番組「知っていても役に立たない神秘的な人間雑学辞典」にチョン・ソギョンがゲスト出演を果たした。しかし、RM はチョン・ソギョンのゲスト出演を知ったのは前日のことだったそうで、「とても驚いた。『別れる決心』『シスターズ』を欠かさず一緒に見ていた友だちに『チョン・ソギョンさんが出演する』と言ったら、みんな興奮していた」とその動揺と喜びが感じ取れるコメントをした。

番組内で『別れる決心』の脚本の話題になった際には、「愛という言葉を使わずにメロドラマを書きたかった」と語り、5~6 回本作を鑑賞したという RM らを感嘆させた。韓国での公開時のインタビューでも、本作で最も重要な要素は、「人間の心」であると語るチョン・ソギョンは、「「誰が犯人か」「有罪か否か」よりも、「その人は私を愛してくれているか」「あの人が私のことを思ってくれているのか?」ということに重きを置いた」と語る。パク監督との作品ではたびたび台詞が話題になるのだが、その台詞は1つのハードディスクと2台のキーボードでリアルタイムに推敲し合うという方法で執筆されている。パク監督は主人公の刑事へジュンと被害者の妻ソレがやりとりする台詞は「100%刑事映画であり、100%ロマンス映画だ」と述べている。あなたには本作が刑事ドラマに感じるか、それともロマンス映画に感じるのか?是非台詞にも注目して作品を楽しんでほしい。

■あらすじ
男が山頂から転落死した事件を追う刑事ヘジュン(パク・ヘイル)と、被害者の妻ソレ(タン・ウェイ)は捜査中に出会った。取り調べが進む中で、お互いの視線は交差し、それぞれの胸に言葉にならない感情が湧き上がってくる。いつしか刑事ヘジュンはソレに惹かれ、彼女もまたへジュンに特別な想いを抱き始める。やがて捜査の糸口が見つかり、事件は解決したかに思えた。しかし、それは相手への想いと疑惑が渦巻く“愛の迷路”のはじまりだった……。

■映画概要
監督:パク・チャヌク
脚本:チョン・ソギョン、パク・チャヌク
出演:パク・ヘイル、タン・ウェイ、イ・ジョンヒョン、コ・ギョンピョ
提供:ハピネットファントム・スタジオ、WOWOW
配給:ハピネットファントム・スタジオ
原題:헤어질 결심|2022 年|韓国映画|シネマスコープ|上映時間:138 分|映画の区分:G
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