映画『ヒトラーのための虐殺会議』史上最悪な会議開始直前の130秒超の本編映像解禁!

2023年01月11日09時00分映画

映画『ヒトラーのための虐殺会議』がいよいよ1月20日(金)より公開となるが、“ユダヤ人問題の最終解決”つまりユダヤ人絶滅政策を決定した史上最悪な会議が始まる場面の本編映像が解禁となった。



本作は、1942年1月20日正午、ドイツ・ベルリンのヴァンゼー湖畔にある大邸宅にて、ナチス親衛隊と各事務次官が国家保安本部長官のラインハルト・ハイドリヒに招かれ、高官15名と秘書1名による会議が開かれた史上最悪な会議の全貌に迫る映画。議題は「ユダヤ人問題の最終的解決」についてだった。

ヒトラ

「最終的解決」はヨーロッパにおける1,100万ものユダヤ人を計画的に駆除する、つまり抹殺することを意味するコード名。移送、強制収容と労働、計画的殺害など様々な方策を誰一人として異論を唱えることなく議決。その時間は、たったの90分・・・。

すべてのドイツ占領下および同盟国から東ヨーロッパの絶滅収容所へのユダヤ人強制送還の始まりとなった“ヴァンゼー会議”の全貌に迫る本作は、出席者のアドルフ・アイヒマンによって記録された会議の議事録に基づき、80年後の2022年にドイツで製作された。

今回解禁となった本編シーン映像は、大邸宅の豪華な一室に集められた出席者が各自の席についたところで、ラインハルト・ハイドリヒが親衛隊中将のハインリヒ・ミュラーとともに部屋に颯爽と入ってくる場面から始まる。 



出席者の表情からは緊張した様子が感じ取られるが、ハイドリヒは開口一番「大管区指導者、 次官の皆様、親衛隊諸君、ご参加いただき嬉しく思います」と御礼の言葉を述べ、「皆様を電話などの対応から解放すべく、仕事場から“誘拐”しました。なお、皆様の省庁が当館をご利用になる場合1泊あたり・・アイヒマン いくらだ?」「5ライヒスマルクです」「この安さ!」と軽妙な語り口で冗談を言い、出席者からは笑いもおこる。

場が和んだところでハイドリヒは、「招待状に添えた書類をご覧ください。ゲーリング国家元帥が書かれたものです」と切り出し、「国家元帥のご依頼を引用します」と前置きしたうえで「“組織面 実務面 物質面で必要な準備をすべて行い、欧州のユダヤ人問題を総合的に解決せよ。関係中央機関を参加させ、協力して立案し検討するように”と」そして「そのための会議です」と強調し、着席する。そしてアイヒマンが秘書に「1部を議事録に」と指示。この議事録は、のちに1部のみが残されたホロコーストに関する重要文書となっていく。

書類にあるゲーリングの文章を指でなぞって確認するまじめな者もいれば、発言者をじっと見つめる者もいる様子は、我々も良く知るビジネス会議のよう。 
そんな中、国家元帥であるゲーリングの言葉を朗々と引用して会議の目的や力関係を明確にするハイドリヒの姿に何か怖さを感じ、独特な緊張感が漂う。史上最悪な会議がまさに始まる瞬間を映し出すシーンとなっている。

また日本公開にむけてマッティ・ゲショネック監督からメッセージが到着!
「今この映画が日本で上映されることは非常に重要なことだと思います。ご存知の通り、1940年にドイツと日本、イタリアの間で日独伊三国同盟も結ばれています。この映画では、産業的な大量殺戮の経緯を冷静かつ客観的に描いています。これがジェノサイドの事実なのです!かつてあった現在であり、少し前に起きた出来事であり、それがかつての今日だったことを私たちは知るべきなのです!」

さらに、増田ユリヤ(ジャーナリスト)、新谷学(「文藝春秋」編集長)より熱いコメントが到着した。

ヒトラ報道情報番組でおなじみの増田ユリヤは「「平和が一番」と語る人々が、ユダヤ人問題の解決と称して「ガス室送り」を決める。自分とは違う他者を排除した先にあるものとは。現代を生きるわれわれとて、一歩間違えれば同じ過ちを犯しかねないことに気付く。」と本作の本質に迫った。

一方、新谷学は「出世や保身のために毒まんじゅうを食べる忖度官僚、コスパや生産性を声高に叫ぶ意識高い系経営者、そして映画を倍速で見るあなたにこそ、じっくりと観てほしい」と強く投げかける。

80年の時を経て明かされる驚愕の真実に我々がどう向き合うのか、現代社会に生きる今観るべき本作をぜひスクリーンで。

■作品概要
監督:マッティ・ゲショネック
キャスト:フィリップ・ホフマイヤー、ヨハネス・アルマイヤー、マキシミリアン・ブリュックナー
2022年/ドイツ/112分/ビスタ/5.1ch
原題:Die Wannseekonferenz/英題:THE CONFERENCE/字幕翻訳:吉川美奈子/配給:クロックワークス/G
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