映画『ピンク・クラウド』画家・小山義人によるオルタナティブポスター完成、WEB にて初披露

2023年01月13日11時00分映画

いよいよ今月末より新宿シネマカリテ、ヒューマントラストシネマ渋谷ほか全国にて順次公開となる映画『ピンク・クラウド』からインスパイアされ、画家の小山義人が描き上げた油彩画によるオルタナティブポスターが WEB にて初お披露となる。公式サイトで予告動画も公開中だ。



大竹ほんのこども(町屋良平・著)、偽りの春(降田天・著)、ベルリンは晴れているか(深緑野分・著)など数々の書籍の装画などでも著名な画家・小山義人。映画では抑圧の表象として描かれた「ピンクの雲」に覆われた街、家から一歩も出られず望まぬ非日常が何年と続き、やがて少しずつ狂ってゆく女性、生まれた頃から閉ざされた空間が日常となっている子供を描写した3点の美しい油彩画が WEB にて初のお披露目となる。

2017年に脚本が書かれ2019年に撮影され、世界的なパンデミックで一変した現実と重なるという思いもよらぬ形で世界の脚光を浴びた一作だが、映画で描かれるのは閉ざされた空間における男女間の社会的な格差や抑圧。すぐに終わるかのように思えた災難から、その時、人間は何を欲し、何を選択するのか。自死を選ぶ者、家庭内の不和に苦しむ夫婦、同居人への殺意を持ちはじめる者、友人の父に孕まされる子供…。

本作が決して他人事では無くなってしまった現代、ピンク色の雲が形を変えながらまるで鏡のように見つめる者の心を照らし返す。

大竹さらに、公開記念イベントとしてミツメの大竹雅生による映画『ピンク・クラウド』をイメージしたソロライブの開催も決定。オルタナティブポスターを手掛けた小山義人を招いて、中学校の同級生でもある大竹雅生とのトークも実施。当日限定でオルタナティブポスターの油彩画3点も展示される。

イベント詳細
映画『ピンク・クラウド』公開記念イベント ライブ&トーク+ポスター原画展
日時:1月20日(金) 開場:19時 開演:19時30分
会場: 三軒茶屋 twililight (東京都世田谷区太子堂 4-28-10 鈴木ビル 3F)
ゲスト: 大竹雅生(ミツメ)、小山義人(画家)
参加料金: 2,700 円(1 ドリンク付き)
※チケット予約は twililight 公式サイトを参照されたい【https://twililight.com/



突如現れた謎のピンクの雲によって部屋の中に閉じ込められた人々...楽観、倦怠、絶望。一歩も外に出られないまま、やがて世界は少しずつ狂っていく―
一夜の関係を共にしていたジョヴァナとヤーゴをけたたましい警報が襲う。突如として発生した正体不明のピンクの雲。それは10秒間で人を死に至らしめる毒性の雲だった。緊急事態下、政府はロックダウンの措置をとり、家から一歩も出られなくなった人々の生活は一変する。友人の家から帰れなくなった妹、主治医と閉じ込められた年老いた父、自宅に一人きりの親友……オンラインで連絡をとりあううち、いつ終わるともしれない監禁生活のなかで、彼らの状況が少しずつ悪い方へ傾き始めていることを知るジョヴァナ。そして、見知らぬ他人であったジョヴァナとヤーゴも現実的な役割を果たすことを迫られる。父親になることを望むヤーゴに反対するジョヴァナだったが、やがて男の子・リノを出産する。ロックダウン以前の生活を知らないリノは、部屋の中だけの狭い世界で何不自由なく暮らしており、父となったヤーゴも前向きに新しい生活に適応している。しかし、ピンクの雲が日常の景色となるにつれ、ジョヴァナの中で生じた歪みは次第に大きくなっていくのだった……。

幻想か、もう一つの現実か。人間の心が暴かれる、〈ピンク色〉のディストピア。
監督のイウリ・ジェルバーゼは、これまで 6 本の短編の脚本・監督を手掛け、TIFF やハバナ映画祭などの映画祭に出品。本作が自身初の長編映画となる。外には一歩も出られず、部屋の中でしか生きられないディストピア。そこでジェルバーゼ監督が目指していたのは、ルイス・ブニュエルの『皆殺しの天使』やジャン=ポール・サルトル『出口なし』のように、制限された状況下における生存競争ではなく人間の感情を描くことだった。

監督・脚本:イウリ・ジェルバーゼ
出演:ヘナタ・ジ・レリス、エドゥアルド・メンドンサ、カヤ・ホドリゲス、ジルレイ・ブラジウ・パエス、ヘレナ・ベケル
【2020年/ブラジル/ポルトガル語/103分/シネスコ/5.1ch/カラー/英題:THE PINK CLOUD/原題:A NUVEM ROSA/字幕翻訳:橋本裕充】
配給・宣伝:サンリスフィルム <PG12>
コピーライト: ©︎ 2020 Prana Filmes

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