谷啓さんが急死、「美の壺」「ビッグショー」など配信中―NHKオンデマンド

2010年09月11日19時13分芸能
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昭和を代表するコミックバンド・クレージーキャッツのメンバーで俳優の谷啓さんが11日、死去した。78歳だった。NHKオンデマンドでは、谷さんが長年ナビゲーターを務めたNHKの番組「美の壺」と、1977年に放送された「ビッグショー ハナ肇とクレイジーキャッツ われらの演奏会」で、在りし日の谷さんの様子を見ることができる。

谷啓さん(本名・渡部泰雄)は東京都出身。高校時代からトロンボーンを始め、進駐軍キャンプなどを回り、米兵などを相手にコミカルな演奏を披露していた。中央大学在学中の1953年、原信夫とシャープ&フラッツに参加してトロンボーン奏者として頭角を現し、フランキー堺に見出されてシティ・スリッカーズに移る。

その後同じバンドに参加していた植木等の紹介でハナ肇と出会い、ハナ率いるキューバン・キャッツ(クレージーキャッツの前身)に移り、ジャズ喫茶などを舞台に活躍した。1959年にはフジテレビのバラエティー番組「おとなの漫画」にレギュラー出演し、コメディアンとしての才能を開花。「ガチョーン」「びろーん」といったおなじみのギャグや、青島幸男とのコンビによる「谷だァ、青島だァ」など昭和芸能史に残るフレーズを生み出した。

芸名の「谷啓」はアメリカの名コメディアン・ダニー・ケイにあやかったもの。

植木等が主役をはった映画・無責任シリーズでは、かん高い声を売り物にまじめだけどドジなサラリーマンなどを好演。一方晩年のライフワークとなった「釣りバカ日誌」での西田敏行扮するハマちゃんの口うるさい上司役はシリーズに欠かせぬ存在だった。

NHKオンデマンド・特選ギャラリーで配信中の「美の壺」では、ひょうひょうとしたキャラクターを生かして古美術の世界をわかりやすく語る姿が印象的だった。また「ビッグショー」では、トロンボーンを使った往年のコミカル演奏などを披露している。

谷啓さん出演番組 NHKオンデマンド