和平か抗戦か。昭和天皇の玉音放送録音盤をめぐる対決を描く『八月十五日の動乱』。

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番組情報
終戦時、昭和天皇の玉音放送をめぐって、一部の軍人がその録音盤を奪おうとした事件は有名である。さらには皇居や東京放送の占拠を企てたのだ。
この題材は、東宝がオールスターキャストで製作した『日本のいちばん長い日』(岡本喜八監督)がよく知られているが、その5年前に東映も同じ題材を映画化しているのである。それが、この『八月十五日の動乱』。この事件を、軍人によるクーデターとして捉えた作品だ。

昭和二十年の夏。ソ連の宣戦布告を受けた首相官邸での閣議では、陸軍が本土決戦を主張し、首相と激しく対立していた。
その頃、近衛連隊の血気にはやる軍人たちは不穏な動きを見せはじめる。
首相は、皇居での御前会議ですべてを決しようとするが、それさえ妨害される可能性が出てきた。
首相、そして秘書官らは軍部の裏をかくようにして、御前会議を早い時間に行なうのだった。そして、そこで天皇の御名のもとに無条件降伏の御聖断が下る……。

終戦記念日が来ても、こうした事件そのものに思いを馳せることはなくなってしまった。風化する歴史を、ドラマとして留めていく作用が、少なくとも映画にはある。
秘書官役の鶴田浩二が凛々しく、日本の未来を憂う青年を好演している。

Yahoo!映画オンラインシアターの『八月十五日の動乱』番組情報
  • 監督:小林恒夫/脚本:高岩肇/音楽:木下忠司
  • 鶴田浩二:江原真二郎:今井健二:中山昭ニ:山本麟一:大村文武:宇佐美淳也:山形勲:神田隆:北龍二:岩崎加根子:故里やよい:小川守
  • 2008年08月01日 ~

(c)東映