★四季シリーズ:秋の童話、冬のソナタ、夏の香り、春のワルツ ⑨ 音楽(OST)春のワルツ編

特集 韓ドラここが知りたい 四季シリーズ
今回は四季シリーズ 春のワルツ のOSTについて。今回もドラマ【春のワルツ】のおさらいから始めよう。この世にたった一人の肉親から何度も捨てられる悲しみを背負った少年スホ、そしてスホ親子に裏切られ母まで亡くしてしまった病弱な少女ウニョン。心に傷を抱えた二人が15年の月日を経てめぐりあう。過去を封印したスホはチェハ(ジェハ)という名前の天才ピアニストとして、病弱のウニョンは手術によって健康な体になり溌剌と人生を生きてきた。決して思い出してはいけない人にめぐり合い、許されるはずのない罪が、少しずつ、まるで春のような温かさでゆっくりと癒されていく。

主人公のチェハは音楽家としての偽りの人生を歩みだすのだが、さすがピアニストという設定だけあって、全編を通して素晴らしい音楽が効果的に使われている。 音楽(イメージ曲)編で「“いとしのクレメンタイン”は日本では“雪山讃歌”のイメージがあまりにも定着してしまっているため、ドラマのイメージにそぐわない」と書いたが、チェハがピアノで弾く同曲は切なく、そしてどこまでも優しい。特にチェハがウニョンのためにピアノを弾くシーンは胸に迫るモノがある。

主題歌の「FLOWER」もこのドラマにピッタリの名曲で、歌詞が2パターン用意されている。ソ・ドヨン(主人公チェハを演じた)が歌う「Flower-M」はチェハの心情を、YUNA(女性歌手)が歌う「Flower-F」はウニョンの心情を歌っている。互いに相手を想う男女の気持ちが掛け合いのような歌詞で表現されているので、カラオケで恋人同士が歌うと愛が深まるかも?

さっそく2つの歌詞を見比べてみよう。(訳詞はNHK公式サイトより)

Flower-M(男歌)♪(←『HMV』春のワルツ1 で試聴可能)
いつも信じてた 会えないけれど いつかは会えると 涙で慰めてもみた
時には心を塞いでいた 近くに抱き寄せられない
傷の中で 君がまた疼(うず)くから
君だけを待っていた 一日だけ与えられたら 幸せになれる準備をしただろう
君のために 何もかも I love you 僕が行くよ 遠いところにいても
希望の翼に包まれて 君と同じ夢を見る
離さないでくれ 運命が邪魔をして
たとえ世の中のすべてと引き換えても 君の手を離さないから
まだ聞いていなかったね どこへ向かっているのかと
一緒にいられるなら それが二人の進む道
君だけを待っていた 一日だけ与えられたら 幸せになれる準備をしただろう
君のために 何もかも I love you 僕が行くよ 遠いところにいても
希望の翼に包まれて 君と同じ夢を見る
会っていても ずっと会っていたい君 愛してる

Flower-F(女歌)♪(← 『HMV』春のワルツ9 で試聴可能)
今分かったわ 私を思ってのその言葉 頑なな心では 私を抱きしめることができないと
傷だらけでもいいから 見せてほしかった
あなたの痛みは 私の涙になっているのよ
あなただけを待っていたの 一日だけ与えられたら 幸せになれる準備をしたわ
あなたのために 何もかも I LOVE YOU 私が行くわ 遠いところにいても
希望の翼に包まれて あなたと同じ夢を見るわ
気づかなかったでしょう 眠れなかったその日
息遣いにも気を配り 眠っていた私を見守るあなた
そんなあなたがありがたくて 目を開けることができなかった
長い間秘めていた 涙を見せたくなくて あなただけを待っていたの
一日だけ与えられたら 幸せになれる準備をしたわ
あなたのために 何もかも I LOVE YOU 私が行くわ 遠いところにいても
希望の翼に包まれて あなたと同じ夢を見るわ
会っていても ずっと会っていたいあなた 愛してる

試聴サイトでは、さわりの部分しか聞けないのが残念だが、歌詞だけでもこの曲の素晴らしさは十分伝わるだろう。日本放送版の主題歌として流れているのはYUNAの「Flower-M」の方で、これは日本版用に新たに書き下ろされたものだ。YUNAは、幼い頃からピアノを始め、ヒップ・ホップ、R&B、ソウル、ジャズ 等、様々な音楽に影響を受けて育ち、音楽プロデューサーのパク・ジョンウォン(冬ソナの「My Memory」作曲者)に見い出された、当時若干17歳の実力派シンガーだ。

他にも素晴らしい挿入歌がたくさんあるが、「守護天使」「美しい秘密」「私の人生の春の日」の3曲を歌った歌手S.Jin(エスジン)を紹介したい。彼は、魅力的な低音から4オクターブの高音を自由自在に操る歌唱力で、クラシックや映画音楽のオーケストレーションを専門とするアーティストから、R&Bやポップバラードの作曲家まで、幅広い音楽家から全幅の信頼を寄せられている実力派歌手だ。その抜群の歌唱力と表現力で、今年はミュージカル「ミスタージョー」(主演)にも挑戦している。

エスジンは1999年「愛してくれてありがとう」で歌手デビューし、このドラマの挿入歌で日本デビューを果たした。ユン・ソクホ監督に「こんな素晴らしい歌手を日本デビューさせてくれてありがとう」と一言いたい。

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ショウタイムで「春のワルツ」配信中
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写真「春のワルツ」:Copyright(C)2006 YOON’S COLOR
秋の童話:ソン・スンホン、ソン・ヘギョ、ウォンビン
冬のソナタ:ペ・ヨンジュン(ヨン様)、チェ・ジウ(ジウ姫)
夏の香り:ソン・スンホン、ソン・イェジン
春のワルツ:ソ・ドヨン、ハン・ヒョジュ
監督:ユン・ソクホ